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スバル、7月21日発売の「レヴォーグ STI Sport」説明会

「走りの質感や内外装の造りなど、大人の上級スポーツを目指した」と開発担当の熊谷氏

2016年7月21日 発売

富士スピードウェイで「レヴォーグ STI Sport」の説明会と試乗会を開催

 スバル(富士重工業)は、スポーツツアラー「レヴォーグ」の最上級グレード「レヴォーグ STI Sport」を7月21日に発売する。この発売に先立ち、報道陣向けの試乗会が富士スピードウェイで開催された。本稿ではその試乗会で行なわれたレヴォーグ STI Sportの説明会の模様をお伝えする。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
1.6STI Sport EyeSight水平対向4気筒 DOHC 1.6リッター直噴ターボCVT(リニアトロニック)4WD3,488,400円
2.0STI Sport EyeSight水平対向4気筒 DOHC 2.0リッター直噴ターボCVT(スポーツリニアトロニック)3,942,000円

 今回発売されるレヴォーグ STI SportはSTI(スバルテクニカインターナショナル)が手がけ、大人の上級スポーツを目指して開発された最上級グレードモデル。6月10日に発売された一部改良モデルをベースに、水平対向4気筒 DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載する「1.6STI Sport EyeSight」、水平対向4気筒 DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する「2.0STI Sport EyeSight」の2モデルを展開する。

 エクステリアでは専用設計となるフロントバンパーとフロントグリル、LEDフロントフォグランプを装着するとともに、専用デザインの18インチアルミホイール(ダークグレー+切削光輝)、大型デュアルマフラーカッターなどでスポーツイメージを強化。

レヴォーグの最上級グレードモデルとして登場するレヴォーグ STI Sport。ボディサイズは他のグレードと同様(除く1.6GT EyeSight)に4690×1780×1490mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2650mm
エクステリアでは専用設計のフロントバンパーやフロントグリル、LEDフロントフォグランプ、専用デザインの18インチアルミホイール(ダークグレー+切削光輝)、大型デュアルマフラーカッター、STIオーナメント(フロント/リア)などを装着
1.6STI Sport EyeSightが搭載する水平対向4気筒 DOHC 1.6リッター直噴ターボ「FB16」エンジンは最高出力125kW(170PS)/4800-5600rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/1800-4800rpmを、2.0STI Sport EyeSightが搭載する水平対向4気筒 DOHC 2.0リッター直噴ターボ「FA20」エンジンは最高出力221kW(300PS)/5600rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/2000-4800rpmを発生する

 インテリアで目を引くのはボルドーカラーの内装で、専用の本革シートに加えてドアアームレスト、センターコンソールリッドなどをボルドーカラーで仕上げて上質さを高めた。さらにステアリングホイール、シフトレバー、インパネセンターバイザーなどにはレッドステッチを施した高触感革を用いるなど、最上級グレードにふさわしい室内空間を実現している。

 一方、動的質感の向上を目指し、足まわりには乗り心地とスポーティな走行性能の両立を図った可変減衰力サスペンション「DampMaticII」を採用。これはビルシュタイン製のショックアブソーバーと専用チューニングが施されたコイルスプリングを組み合わせたもので、「直進から遅れなくリニアに反応する操舵応答性」「高速で強い車線変更しても、ロールがぐらつかない安定性」「繰り返し操舵でも破綻しにくい追従性」「荒れた路面を高速で走っても目線変化の小さいピッチング特性」「段差でも小さい入力特性」を目指して開発が行なわれている。

内装は本革シート、ドアアームレスト、センターコンソールリッドなどをボルドーカラーで仕上げた高級感のあるもの。ステアリングホイール、シフトレバー、インパネセンターバイザーなどにはレッドステッチを施した高触感革を用いる

走りの質感や内外装の造りなど、大人の上級スポーツを目指した

 このレヴォーグ STI Sportについて、スバル商品企画本部 プロジェクトジェネラルマネージャーの熊谷泰典氏、スバルテクニカインターナショナル 車両実験部 主査の福田淳氏から説明が行なわれた。

スバル商品企画本部 プロジェクトジェネラルマネージャーの熊谷泰典氏
スバルテクニカインターナショナル 車両実験部 主査の福田淳氏

 熊谷氏はまずベースモデルとなるレヴォーグ(Bタイプ:2015年3月~2016年4月)の受注状況を振り返り、「レヴォーグは1.6リッターと2.0リッターモデルがあるが、1.6リッターが約85%、2.0リッターが約15%という比率になっている。下取りでは自銘柄が48%で、そのうち半分がレガシィワゴンからの乗り換えという状況。また、購入層では30代、40代、50代で約70%を締めている」と説明。そしてレヴォーグの強みについての調査結果を示し、ユーザーの購入理由として第一に安全であることが挙げられており、以下「スタイル・外観」「エンジンの排気量・性能」「メカニズム(ブレーキ・足まわり)」「駆動方式」が続いていることが触れられた。

 これを踏まえ、6月に発売されたCタイプでは「安全性能強化」「静粛性の向上」「質感の向上」の3点に注力して商品力の向上が行なわれた。レヴォーグは欧州市場でも販売しているわけだが、「安全性能強化」「静粛性の向上」については特にスピードレンジの高い欧州市場からの要望が高かったという。

 そのため、「安全性能強化」ではフロントドアビームの強化、リアシートベルトにはプリテンショナーの追加、リアシートクッションでは乗員保持性向上が行なわれるとともに、「静粛性の向上」では高速走行時に荷室まわりからのこもり音があったため荷室まわりへ制振材の追加、リアクォーターガラスの板厚アップ、フロントドアのウェザーストリップの2重化といった改善が実施されている。そして「質感の向上」では新意匠の17インチアルミホイールの採用、ブライトパールカラーの内装をGT-Sに追加。なお、この17インチアルミホイールの投入に際し、アルミホイールの上に樹脂カバーを付けるタイプを廃止している。

レヴォーグ年次改良の考え方
受注状況の振り返り
レヴォーグの強み
Cタイプの年次改良内容

 このCタイプではラインアップの整理が実施され、特別仕様車「Proud Edition」シリーズと「2.0GT EyeSight」グレードを廃止するとともに、1.6GTの本革色のアイボリー内装を廃止する代わりにGT-Sの本革色にブライトパール内装を追加した。さらに「アドバンスドセイフティパッケージ」を全グレードにオプション設定(STI-Sportは標準装備)している。

Cタイプではラインアップの整理が実施された

 一方で新グレードとなる「STI Sport」は、2020年へ向けての新中期経営ビジョン「際立とう 2020」で掲げた「STIブランドの活用拡大、環境対応商品も順次展開」を具現化したもの。熊谷氏は、レヴォーグ STI SportのポジショニングについてSTI独自のハイパフォーマンス・後架装モデルの「S」シリーズのようなスポーツ性能を追求したモデルではなく、ベース車からGT-S、その先にあるのがSTI Sportの立ち位置であり、モータースポーツに憧れる層、輸入車を志向する層、カスタマイズ志向層という幅広いユーザーがターゲットになっているとし、「走りの質感や内外装の造りなど、大人の上級スポーツを目指した」とコメント。

 開発時のキーワードは「More Quality More Sporty」。カタログモデルの最上級グレードという位置づけで、「開発の狙いは所有する歓びを演出する『静的質感の向上』、乗り心地とスポーティな走行性能の両立を図る『動的質感の向上』の2点。乗り心地は非常にしっとりとしていて、でもいざスポーティに走ろうとすればそれに応じてくれる。乗る度に爽快感、高揚感、思いどおりに操れる一体感を感じられるのがSTI Sportの特徴」(熊谷氏)と説明を行なっている。

レヴォーグ STI Sportは7月21日発売
STI Sportは2020年へ向けての新中期経営ビジョン「際立とう 2020」で掲げた「STIブランドの活用拡大、環境対応商品も順次展開」を具現化したもの
STI Sportのポジショニングについて
レヴォーグ STI Sportの開発の狙い
エクステリアについて
インテリアについて
レヴォーグ STI Sportが装着するアイテム
価格について
レヴォーグ STI Sportの狙いと注力する特性について
注力する特性の達成手段
安定性と乗り心地の両立、シャープなハンドリングと追従性の両立を目指した
可変減衰力サスペンション「DampMaticII」
レヴォーグ STI Sportの試乗インプレッションはジャーナリストの橋本洋平氏が近日リポートする