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SUPER GT 第6戦 インターナショナル鈴鹿1000km優勝記者会見レポート

追突スピンのどん底から諦めないで戦ったことが勝因とスバルBRZの山内選手

2016年8月28日 決勝開催

 8月28日決勝が開催されたSUPER GT 第6戦 インターナショナル鈴鹿1000km。GT500は38号車 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組、BS)が、GT300は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)がそれぞれ優勝した。レースの模様は、3時間レポートゴールレポートでお届けしている。

 18時半ごろに決勝レースがゴール。その後、表彰台セレモニーが行なわれ、優勝ドライバーによる記者会見が行なわれた。本レポートではその時の模様をお届けする。

GT500クラスの表彰台セレモニー
GT300クラスの表彰台セレモニー

38号車 ZENT CERUMO RC Fの立川祐路選手

──優勝クルーそれぞれに今日を振り返っての感想をそれぞれに

立川祐路選手:こんなに疲れた1000kmは初めて。最初から最後まで全開で走り続けて、1周1周全力で走り、正直途中でかなり疲れてきたけど、このチャンスは絶対掴まなければいけないと考えて頑張った。あと、昨年からスーパーフォーミュラのチャンピオンである石浦選手という最強のパートナーを得て一緒に戦ってきたがなぜか勝てなくて、いつも勝てそうだけど勝てないという状況が続いてきたので、今回勝ててよかった。

38号車 ZENT CERUMO RC Fの石浦宏明選手

石浦宏明選手:セルモに移籍してきて、スーパーフォーミュラでは勝てたけど、立川さんと組んだSUPER GTでは勝ってなかったのでその日が来てうれしい。予選が終わった後、立川さんが非常に悔しそうで、レースでは絶対挽回しようと思っていた。ただ、第1スティントで、「え、そんなにですか??」というほど、あっという間にトップになってしまったのはさすがだと思った。なので自分もクルマ以上のパフォーマンスを出す走りをしたいと思っていた。ただ、ギャップを作ってもセーフティカーがでてなくなってしまったので、頑張ってギャップを作るというよりも、絶対に競り勝つんだという気持ちで頑張った。勝てるチャンスは滅多に来ないので、結果がついてきてよかった。

(筆者注:雨が降ってきて難しいコンディションになった)最後の3周は覚えていないぐらい緊張したが、去年のスティントもまったく同じ状態だったので、イケルとは思っていた。最後のシケインでは行ってしまった(筆者注:最終ラップの日立オートモティブシステムズシケインをショートカットしてまっすぐ行ってしまったこと)が、最悪止まれなかったらまっすぐ行けばいいやと思っていたので(笑)。

61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝選手

山内英輝選手:スタートしてすぐ2位に上がることができたが、トップの18号車について行くことができた、その後、井口選手に替わったときに追突されて下がってしまった。そこから諦めずについて行って、全力でプッシュしたので優勝できて本当によかった。自分にスイッチするときに2輪交換だけだったのだが井口選手がしっかり残してくれたので、井口選手、スバルファンの皆さん、チーム、本当みんなに感謝したい。

61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人選手

井口卓人選手:あまりフロントを残したつもりはなかったのですが(笑)。僕に変わって1周目に追突されてスピンしたときには諦めかけたけが、全然クルマも問題なくて、ハイペースで走ることができた。それで途中セーフティカーのタイミングがあって、前の方に行けたのでよかったけど、チームもドライバーもノーミスで走れたことがこの結果を得られた理由。2013年の鈴鹿で勝ってスバルに乗るようになって、その後山内選手にパートナーが替わってから勝ててなかったので、勝てて本当にうれしい。

スプーンでの1つめのポストの旗は「そんなに確認できていない」と立川選手

──立川選手にうかがいたいが、129周目、スプーンでの状況を教えてほしい。

立川祐路選手:スプーン1個目(のポストの旗)はそんなに確認できなくて、2個目で降っていることは分かった。こちらは抜くつもりでなく普通に走っていて、前のクルマは濡れててはみ出して、前の周からふらふらっとしてて、あの周縁石のほうまで行っちゃったので普通に走っていたら前の方に行ってしまった。タイミング的に1つめは自分から確認できなくて2つめ降っているのは分かったので、いいのかなと。

──その後、トムスチームではドライバーに対してペナルティが出るので大丈夫だという指示があったそうなのですが、セルモチームから立川選手にはどういう指示があったのでしょうか?

立川祐路選手:いや別に……。僕も何も聞かなかったし、向こうからも何も言ってこなかったから。今終わってまわりからいろいろ聞いたが、もし黄旗中で抜いたというなら、黄旗中ではみ出している方が……たぶんペナルティなんだろう……それはたぶんそういう状況だったということだ。

──セルモがスタートからずっと速かったのは、クルマが決まっていたのか、それともドライバーの力なのか?

立川祐路選手:どうだろうか……。クルマが勝てるポテンシャルはあり、タイヤも含めてよかったのではないか。実は予選に関してもクルマはいい感じに仕上がってきていたのを自分のミスではみ出してしまって無駄にしてしまったので、それを取り返すというつもりでスタートしたので、クルマ+頑張りだと思う。

──石浦選手は2人目の子供が生まれてから初めての優勝だと思いますが、うれしいか?

石浦宏明選手:答えないとだめか?(笑)。もちろんうれしい。SUPER GTでの優勝は脇坂寿一さんと一緒に勝って以来、4年ぶりの優勝なので、結構うれしい(スバルの2人が、え、マジですか?と大きく驚く)。

──セルモの2人はポイントで1位の1号車に次いで2位に。そしてスバルの2人はポイントリーダーになったと思うが、それをふまえて、今シーズン残り3戦、そしてチャンピオンシップの展望について教えてほしい。

立川祐路選手:1000kmレースはボーナスが出ることが大きい。今シーズンの前半戦は正直思ったとおりの結果が残せなくて苦しんだ。今回勝ったことでボーナスをポイントを得て、そういう位置に来れたのでチャンピオンシップの望みがでてきた。残り3戦を考えると、タイでは昨年いいレースができたし、もてぎもわるくなかったのでチャンスがあると思っている。

石浦宏明選手:1000kmの25点というのはすごく大きく、取りたいよねというのはチームとも開幕前から話していた。しかし、狙って取れるものではないので、取れてよかった。現在の10点差というのは大きな差だが、鍵となるのはもてぎの2レースだと思っている。もてぎで調子がよければ大量にポイントが取れるので、タイでなるべくポイントを取って、もてぎで勝負したい。

井口卓人選手:ポイントリーダーになったことはビックリしている。そうなれたのも3戦連続表彰台という結果が大きかったと思っている。もてぎのレースは寒いので、僕たちにはどうかという問題はあるが、もてぎに向けてしっかり準備したい。

山内英輝選手:タイともてぎは今までどおりちゃんとポイントを取って、表彰台に乗り続ければ、チャンピオンが取れると思うので、しっかり頑張りたい