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「MARUNOUCHI SPORTS FES 2017」の開幕セレモニーで佐藤琢磨選手がカートで丸の内を走行
インディ500優勝の心境を語り、優勝時の着用ヘルメットも展示。8月3日~17日開催
2017年8月4日 18:10
- 2017年8月3日~17日 開催
三菱地所は、東京 丸の内・有楽町・大手町エリアの就業者や来街者の健康意識向上、交流促進を目的とした参加型スポーツイベント「MARUNOUCHI SPORTS FES 2017」を8月3日~17日に開催している。このイベントでは、さまざまな分野のアスリートたちが登壇するステージや、一般来場者も参加できるスポーツ体験、アスリートたちの愛用品の展示、スポーツに関連するパネルやメディアの展示などが行なわれる。
8月3日に行なわれたオープニングイベントでは、2017年のインディ500で日本人ドライバーとして初の優勝を飾った佐藤琢磨選手が、まだシーズン中にも関わらず一時帰国して登場。優勝したときの心境などを語ったほか、丸の内の仲通りに作られた特設コースでカート走行を披露した。さらに会場内でさまざまなスポーツ選手の愛用品を展示する「SPORTS MUSEUM」では、佐藤琢磨選手がインディ500で使用したヘルメットなどが展示されている。
オープニングイベントでは、ゲストとして佐藤琢磨選手のほか、スポーツ庁 長官の鈴木大地氏や女子短距離陸上の日本記録保持者である福島千里選手、フリーアナウンサーの加藤綾子さんが登場。スポーツ振興のアピールや丸の内という街についてのコメントが語られたほか、体力測定や同イベントで体験できるスポーツの披露を行なった。
最初に鈴木長官が「スポーツ庁では、2017年4月に『第2期スポーツ基本計画』というのを策定しました。これは今後5年間の日本のスポーツの方向性を示すものです。2020年の東京オリンピックにも関わる重要な計画です。この計画では、1週間に1回スポーツをする人を42.5%から65%まで高めていくように目標を立てています。20代~40代のビジネスマンはなかなか運動ができていません。オフィスの階段を上ったり1駅歩いたりと、ちょっとした工夫で身体を動かすのが大切です。また、スポーツをするからといって順位や結果を出す必要はなく『下手でもどんどん参加していい』と発信していきたいと思います」。
「スポーツ庁では、企業の人たちにスポーツを奨励していただくため『スポーツエールカンパニー』という制度も作りました。スポーツと言っても、心拍数を180まで上げて30分間身体を動かさないとダメという訳ではありません。日常のちょっとしたウォーキングなども立派なスポーツです。一般の方々が周囲の環境を使って身体を動かすことがスポーツだとご理解いただければと思います」と語り、スポーツの振興に力を入れていくとアピール。
福島選手は同イベントに関して「こういう街のなかでスポーツを身近に体験できるのは素敵なことです」とコメントしていた。
「身体を動かしてリフレッシュすることで、さらにいい仕事ができるのではないか」と佐藤琢磨選手
佐藤琢磨選手は、インディ500での優勝に関しては「言葉にならなかったですね。自分の小さいころからの夢だったので、それが叶った瞬間、ヘルメットの中で叫んでました。インディ500は100年以上の歴史があり、決勝日は40万人の人が集まります。それだけ長い歴史のなかで優勝するということは、20年以上夢見てきたことです。ずっとレースを続けてきてよかったです。継続することの大切さも学びました。そして夢を見て目標を立て、それに挑戦し続けると本当に叶うと実感しました。私は今年40歳になりますが、40歳でも夢は叶えられます」と喜びを語った。
また、インディ500での逸話として「インディ500が開催されているアメリカ・インディアナポリスでは、酪農を発展させるということで80年以上の歴史があります。そのため、(インディ500の)優勝者はミルクを飲むという習慣があります。ちなみに、飲むミルクは低脂肪乳とか温度とかをリクエストできます。ほかにも地元の人たちは、私がレストランで食事をすると頼まなくてもミルクを出してくれたり、デザートとしてワインクーラーに入ったミルクが出てきたり、そういう応援をしてくれます」とエピソードを披露した。
また、丸の内については「日本一のオフィス街ですが、石畳の道で洗練されたきれいなところですね。丸の内には、私のスポンサーのアビームコンサルティングがオフィスを構えています。インディ500で優勝したときには、祝賀ポスターを大手町や丸の内に出してくれました。第2、第3の故郷にしようかなと思えるぐらい嬉しい街です」と語った。
今回のイベントに関しては「ビジネスとスポーツは相反すると思うかも知れませんが、こういう場所で身体を動かしてリフレッシュすることで、さらにいい仕事ができるのではないかと思います。夏休みとしては最高のイベントだと思います」とコメントした。
このほかにも佐藤琢磨選手は体力測定で閉眼片足立ちに挑戦。同年代の平均である34秒に対して40.75秒を記録し、レーシングドライバーとして高いバランス能力を披露した。ほかにも会場で体験できるルームバイクにチャレンジ。ややペダルと足が合わなかったようで、最高速は55km/hに留まってしまったため、佐藤琢磨選手自身は不完全燃焼といった面持ちだった。
オープニングイベント後に、佐藤琢磨選手は仲通りの公道を封鎖して作られた特設コースでカートの走行を披露。インディ500で着用したものと同じデザインのレーシングスーツを着て、福島選手らのゲストと一緒にデモ走行を行なった。なお、8月12日12時~16時には、親子で一般参加できる「親子で楽しむカート体験」が実施される。
新丸ビル3階のアトリウムで開催されている「SPORTS MUSEUM」では、佐藤琢磨選手がインディ500で優勝時に着用していたヘルメットを展示。さらにインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)で使用されていたレンガで作られた優勝記念品、出場したマシンに搭載されたエンジン「Honda HI17R Indy 16」も飾られている。