「インサイト」のエコアシスト機能を見る
Web連携機能も持つ省燃費運転サポートサービス

ハイブリッドシステムを搭載しながらも、200万円を切る価格を実現したインサイト
 本田技研工業のハイブリッドカー「インサイト」で注目されるのは、その省燃費性。10・15モード燃費で「G」「L」が30.0km/L、「LS」が28.0km/L。より厳しい数値となるJC08モード燃費が同様に26.0km/L、24.0km/Lとなる。

 この燃費はある一定の走行パターンに従った場合の燃費で、実用燃費は異なってくるのはご存じのとおり。燃費は運転によっても異なり、急発進や急加速などを繰り返した運転を行うと、燃費が悪くなる。

 インサイトは、普段から燃費のよい運転を行えるよう、エコアシスト機能が用意されている。エンジンの出力制御、アイドルストップ領域の拡大、IMAの回生増加、エアコンの風量などを抑え省エネ化を行う「ECON(イーコン)モード」のほか、燃費のよい加速・減速状態を色によって表示する「アンビエントメーター」や、「マルチインフォメーション・ディスプレイ」に表示されるエコドライブバーが用意され、運転終了後にはスコア表示が行われる。

 このスコア表示は、エコドライブが上達するにつれステージが上がる仕組みで、現在のステージはインサイトに記録されている。 

インサイトのマルチプレックスメーター、タコメーターの中央部にマルチインフォメーション・ディスプレイを装備し、上段にはスピードメーター/アンビエントメーターが配置されるインストルメントパネル右下部に設置されたECONスイッチ。スイッチを押すことで、省燃費モードに移行するマルチインフォメーション・ディスプレイにリアルタイム表示されるecoガイド。上部の葉の数でエコドライブ度を表示。葉が増えるほど燃費によい運転をしていることになる。葉の下に表示されているのがエコドライブバーで、加速時は右に伸び、減速時は左に伸びる。網掛けの部分にまで伸びると急加速・急減速と判断され、採点も悪化する
アンビエントメーターの色の変化の様子。左の緑色は燃費のよい運転で、右の青色に近づくほど燃費の悪い運転となる

 メーカーオプションの「Honda HDDインターナビシステム」を取り付ければ、画面により詳細な運転情報が表示され、インターナビ・プレミアムクラブのWebサイトで低燃費運転の上達度の推移を確認できるようになる。

 ホンダでは、アンビエントメーターやエコドライブバーを「コーチング機能」、運転後のスコア表示やインターナビ画面に表示される詳細情報を「ティーチング機能」と位置づけ、ECONモードとあわせて、ドライバーの省燃費運転をサポートする。

 本田技研工業インターナビ推進室の石藤雄一郎氏に話を聞いたところ、インターナビ・プレミアムクラブのエコドライブ上達度表示は、運転後のスコア表示と同期しており、3レベルでそれぞれ10段階、合計30段階で評価されているとのこと。

 1日ごと、3日ごと、1カ月ごとの評価の確認ができ、エコドライブの上達度をグラフで見ることができる。また、プレミアムクラブでは参加者同士のランキング表示が可能で、同じインサイトに乗る人の中で、どの辺りのポジションにいるか理解できる。「東京都など都市圏では渋滞により燃費が悪化しがちなので不利なのでは?」と訪ねたところ、現状では地域情報を用いることなく燃費による評価でランキングされるそうだ。また、インサイトを2台以上所有している場合でも、フレームナンバーを用いて登録する仕組みのため、それぞれのインサイトの数値を管理できると言う。

 評価に用いられる要素や割合は非公開ではあるが、アクセル評価、ブレーキ評価、アイドリング評価から総合評価が導き出される表示になっていることから、これらの要素が大きく関係しているのは間違いないだろう。

インターナビに表示されたECO情報。詳細な情報も表示できるエコアシストの機能図。ECONモードは車の機能で省燃費を実現するが、コーチング機能やティーチング機能はドライバーのアシスト機能。コーチングやティーチングで省燃費となるかどうかはドライバーしだいだ。Webでは詳細な履歴表示も可能で、家でじっくり自分の走りを分析できる
インターナビ・プレミアムクラブのトップ画面。この画面からログオンしてECO情報を確認するECO情報の基本画面。上部にドライブサマリーとして総合評価が葉の数で表示されている。葉の数が2段で、両葉が2本。ステージ2の4ポイントと読み取れる。下にはグラフが表示され、青の線でドライビングスコアの推移が、緑の線で燃費(km/L)の推移が分かる左の画面の下部。評価詳細がアクセル、ブレーキ、アイドリングの3軸のレーダーチャートで表示され、右側にはそれぞれの要素に対するコメントが出る
過去12カ月の評価の履歴。自分の運転の変化が長期にわたって記録されているランキング画面では、同じインサイトユーザーとスコアの比較が可能。横軸がスコアで縦軸は人数の割合とのこと。この場合ステージ1にユーザーが多く、ステージ2からステージ3にかけて減っていくことを示す月ごとのランキング。5km以上走ったユーザーの上位10名を表示

 インサイトは全グレードがオーディオレスのため、購入時はなんらかのオーディオ装備、ナビ装備を付ける場合がほとんどだろう。メーカーオプションのHonda HDDインターナビシステムであれば、オーディオ機能、ナビ機能、リアカメラ機能などが付き、さらにエコアシストがフル仕様でサポートされる。インサイトの魅力の1つはその省燃費性だけに、インターナビシステムのエコアシストサービスを利用して、より省燃費な運転方法を身に着けられるのはうれしいところだ。
 

URL
本田技研工業株式会社
http://www.honda.co.jp/
ニュースリリース
http://www.honda.co.jp/news/2009/4090205-insight.html
製品情報
http://www.honda.co.jp/INSIGHT/
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(編集部:谷川 潔)
2009年2月6日