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スバル、“日本専用”スポーツツアラー「レヴォーグ」を6月20日に正式発売
全車エコカー減税対象。燃費は1.6リッターDITが17.4km/L、2.0リッターDITが13.2km/L
(2014/4/15 11:00)
スバル(富士重工業)は、新型スポーツツアラー「レヴォーグ」を6月20日に発売する。価格は266万7600円~356万4000円。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | エコカー減税 |
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1.6GT | 水平対向4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボ | CVT | 4WD | 2,667,600円 | 免税(100%減税) |
1.6GT EyeSight | 2,775,600円 | ||||
1.6GT-S EyeSight | 3,056,400円 | ||||
2.0GT EyeSight | 水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ | 3,348,000円 | 自動車取得税60%/重量税50%軽減 | ||
2.0GT-S EyeSight | 3,564,000円 |
レヴォーグは「レガシィ ツーリングワゴン」の後継モデルとして登場した新型スポーツツアラー。「日本のお客様のニーズを満たしたクルマとは?」「見て、触れて、乗り込んで、運転して、本当に満足してもらえるクルマとは?」という2つのテーマを掲げ、日本の交通環境で運転しやすく扱いやすいボディーサイズであること、快適な室内空間と利便性の高い荷室空間を両立させること、スポーティな走りが楽しめることなどに主眼を置いて開発に取り組んできたという。
展開グレードは、新開発の水平対向4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載する「1.6GT」「1.6GT EyeSight」、水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する「2.0GT EyeSight」に加え、それぞれに専用18インチアルミホイールやビルシュタイン製ダンパー、専用スポーツシートなどを装備する「Sグレード」(「1.6GT-S EyeSight」「2.0GT-S EyeSight」)を展開。1.6GTをのぞく全車に先進運転支援システム「EyeSight(ver.3)」を採用する。駆動方式は全車4WD。
すべてエコカー減税の対象モデルとなっており、1.6リッター車は自動車取得税と重量税が免税(100%減税)に、2.0リッター車は自動車取得税が60%、重量税が50%軽減される。
現行レガシィ ツーリングワゴンから100mm短く、45mm低いサイズに
ボディーサイズは4690×1780×1490([18インチ車]。全長×全幅×全高)とし、現行レガシィ ツーリングワゴンと比べ100mm短く、45mm低くなった(全高はレヴォーグ18インチ車比)。ホイールベースも全長同様に100mm短いスペックとなっている。
これに伴い、現行レガシィ ツーリングワゴンからショルダールームは21mm、エルボールームは34mm、前席ヒップルームは18mm縮小されたものの、ドアの構造や形状の見直しを図ったことで室内幅を拡大。後席に関しては、前席シートバック形状を工夫することで膝まわりのスペースを確保し、ロングツーリングでも疲れにくいキャビンを実現したという。
また、ラゲッジルームの面積は現行レガシィ ツーリングワゴンと同等の広さを確保。2分割式のフロアボード下にサブトランクスペースを設定し、車両前方側に浅底収納(VDA容量7L)を、車両後方側に深底収納(VDA容量33L)を用意。このサブトランクスペース分を合わせることで、ラゲッジルームのVDA容量は現行レガシィ ツーリングワゴンの520Lを超える522Lを実現した。
加えて視認性能の向上にも努めており、Aピラーまわりではパーテーションガラスの採用などにより見晴しのよい視界を実現。後方視界においては、Cピラー断面を極めて小さく抑えて広い視界を確保するとともに、現行レガシィ ツーリングワゴンよりもリアゲートのガーニッシュ上端を下げることで後方視界を拡大するといった細かな改良が行われている。
車両寸法比較
レヴォーグ | 4代目レガシィツーリングワゴン | 現行レガシィツーリングワゴン | |
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全長(mm) | 4690 | 4680 | 4790 |
全幅(mm) | 1780 | 1730 | 1780 |
全高(mm) | 1490(18インチ車。17インチ車は1485) | 1470 | 1535 |
ホイールベース(mm) | 2650 | 2670 | 2750 |
キャビンスペース比較
レヴォーグ | 4代目レガシィツーリングワゴン | 現行レガシィツーリングワゴン | |
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ショルダールーム(mm) | 1412 | 1377 | 1433 |
エルボールーム(mm) | 1462 | 1439 | 1496 |
前席ヒップルーム(mm) | 1331 | 1307 | 1349 |
荷室積載性比較(5名乗車時)
レヴォーグ | 4代目レガシィツーリングワゴン | 現行レガシィツーリングワゴン | |
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VDA容量(L)[サブトランク含む] | 522 | 520 | 459 |
ゴルフバッグ(9インチ/46インチシャフト) | 4個 | 4個 | 4個 |
大型スーツケース | 4個 | 4個 | 4個 |
エクステリアでは、低く構えたフロントまわり、ボディー幅いっぱいに配置することでワイド感を演出するホークアイヘッドランプなどの採用により、スポーティなワイド&ローフォルムを実現。Aピラーの付け根を前に出すとともにルーフ後端を低く抑えたことで、Bピラーを頂点に後方へ向けて大きく下がる伸びやかなルーフラインを実現した。リアまわりでは、このルーフラインからの連続性を持たせたリアスポイラーを装備するとともに、ヘッドランプと同じく左右両端にリアコンビネーションランプを配置してワイド感を強調させている。
また、アルミ製のフロントフードや、現行レガシィ ツーリングワゴンよりも約2kg軽いリアゲートの採用で軽量化も図られたほか、フロントバンパー下部を空力性能に優れる形状にするなど、機能性を追求した部品・造形を取り入れている。
「FB16」搭載車は同社のターボ車として初のアイドリングストップ機構を採用
パワートレーンは先に触れたとおり、新開発の水平対向4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボ「FB16」エンジンと、水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ「FA20」エンジンをラインアップ。
「FB16」エンジンは、現行インプレッサ(1.6i系)の搭載エンジンと型式こそ同じだが、その中身はクランクシャフトをのぞきほぼすべてのパーツを専用に開発したもの。2.5リッターエンジン並みの最高出力125kW(170PS)、最大トルク250Nm(25.5kgm)を発生させつつ、レギュラーガソリン仕様とすることで高い経済性を提供する。トランスミッションは軽量・コンパクトを特徴とした、同エンジン用にチューニングされたCVT(リニアトロニック)を組み合わせる。ドライブモードを変更可能な「SI-DRIVE」では、燃費重視の「I」とスポーティな走行特性となる「S」の2モードを設定した。
「FB16」エンジン搭載モデルに関しては、同社のターボ車として初めてアイドリングストップ機構を採用しており、JC08モード燃費は1.6GT EyeSightで17.4km/L(車重1540kg以上の1.6GT-S EyeSightは16.0km/L)を達成している。
エンジン主要諸元(1.6リッター)
1.6リッター インテリジェント“DIT” | |
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型式・種類 | 水平対向4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボ「FB16」 |
内径×工程(mm) | 78.8×82.0 |
総排気量(cc) | 1599 |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力【ネット】[kW(PS)/rpm] | 125(170)/4800-5600 |
最大トルク【ネット】[Nm(kgm)/rpm] | 250(25.5)/1800-4800 |
燃料供給装置 | 筒内直接燃料噴射装置 |
燃料種類 | 無鉛レギュラーガソリン |
JC08モード燃費(km/L) | 17.4(国土交通省審査値) |
低排出ガス車認定レベル | 平成17年基準75%低減 |
一方、「FA20」エンジンは最高出力221kW(300PS)、最大トルク400Nm(40.8kgm)という高い動力性能を誇り、強化バルブスプリングの採用によってレブリミットは従来の6100rpmから6500rpmへと高回転化を実現した。
トランスミッションは高出力に対応する、8速マニュアルモード付のスポーツリニアトロニックCVTを採用。「FA20」エンジン搭載車の「SI-DRIVE」は「I」「S」に加え、レスポンスに優れる「S♯」を設定しており、「I」「S」選択時はアクセル低開度は無段変速を、アクセル高開度時はトルコン式ATのようにステップ変速する制御となっている。また、「S♯」選択時については、これまで現行レガシィ(2.0GT系)では一段ごとのギヤ比の差を大きくして燃費を重視したワイドレシオに設定されていたが、レヴォーグではギヤ比の差を小さくして加速性を重視したクロスレシオに設定されている。
「FA20」エンジン搭載車のJC08モード燃費は13.2km/Lとなっている。
エンジン主要諸元(2.0リッター)
2.0リッター ハイパフォーマンス“DIT” | |
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型式・種類 | 水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ「FA20」 |
内径×工程(mm) | 86.0×86.0 |
総排気量(cc) | 1998 |
圧縮比 | 10.6 |
最高出力【ネット】[kW(PS)/rpm] | 221(300)/5600 |
最大トルク【ネット】[Nm(kgm)/rpm] | 400(40.8)/2000-4800 |
燃料供給装置 | 筒内直接燃料噴射装置 |
燃料種類 | 無鉛プレミアムガソリン |
JC08モード燃費(km/L) | 13.2(国土交通省審査値) |
低排出ガス車認定レベル | 平成17年基準75%低減 |
新世代EyeSight(ver.3)を搭載
一方、安全面では1.6GTを除き全モデルに新世代となる「EyeSight(ver.3)」を採用した。
今回のEyeSight(ver.3)では、ステレオカメラと3D画像処理エンジンの性能を向上。ステレオカメラは約40%の望遠化、約40%の広角化によって遠方や左右の対象がさらに認識しやすくなり、全車速域で制御の精度向上・安定化が図られた。さらに処理画像を従来のモノクロからカラーに変更した。
こうしたステレオカメラの認識範囲の拡大により、自車と前方車との衝突回避が可能な相対速度を、EyeSight(ver.2)では約30km/h以下だったところ約50km/h以下へと拡大。加えて先行車のブレーキランプの認識が可能になったことで先行車への衝突回避性能が向上するとともに、横断歩行者や自転車などへの制御も精度が高められたという。
また、EyeSight(ver.3)では65km/h以上で動作し、自動で高速道路などの車線内を走行してくれる「アクティブレーンキープ」機能が追加され、安全性の向上と運転負荷の軽減が図られた。