トヨタ、「G-BOOK」を一新した新テレマティクスサービス「T-Connect」発表

　トヨタ自動車は6月18日、G-BOOKサービスを一新させた新しいテレマティクスサービス「T-Connect（ティーコネクト）」を発表。今夏以降に対応するカーナビゲーション「T-Connectナビ」を発売する。

　新サービスとなるT-Connectでは、車両に装着されたT-Connectナビやスマートフォンなどを、スマートフォンなどの回線やWi-Fi、DCM（車載通信機）などを使ってクラウド上の「トヨタスマートセンター」と接続。ナビ機能の拡張やアプリの追加などさまざまなサービスを提供する。

　通信機能による新しいサービスでは、ドライバー向け音声対話型「エージェント」を新開発。G-BOOKで好評だった有人オペレーターサービスを自動化した「ロボットオペレーターサービス」で、走行履歴情報のビッグデータから車両の目的地を予測。ルート上の事故、渋滞、天候、路面情報などに加え、自車の燃料残量に応じた給油場所などを先読みして音声案内する「先読み情報サービス」を提供する。このほか、口頭によるT-Connectナビの目的地設定、ニュースの検索、車両の取扱いに関する質問などに対応する「音声対話サービス」も利用できる。

　また、各種アプリに対応する「Apps（アップス）」機能では、トヨタスマートセンター内に用意される「T-Connectアプリストア」に「ドライブアシスト（運転支援）」「インフォテイメント（情報＆娯楽）」「コミュニケーション（交流）」「ライフサポート（暮し）」という4分野で多彩なアプリを用意。T-Connectナビの使い勝手をユーザーの好みに応じてアレンジできる。

　これに加え、T-Connectの発表に合わせてアプリストアで提供されるアプリを運用するオープン環境「TOVA（トーバ：Toyota Open Vehicle Architecture）」を公開。一般コンテンツ事業者向けのWebサイト「トヨタアプリデベロッパーサイト（https://developer-toyota.jp/developer/top/）」を開設して、専用のSDK（Software Development Kit）を提供するほか、開発したアプリはトヨタの認証を経てアプリストアにラインアップされ、一般ユーザーに提供。有償アプリ向けの課金システムも用意されている。

スマホのLTE回線やWi-Fiなどでクラウド上の「トヨタスマートセンター」と接続。会話形式で情報を入手できる「エージェント」や、ビッグデータによる「先読み情報サービス」を提供する

「T-Connectアプリストア」で配信するアプリには、一般コンテンツ事業者も参加可能

　従来のG-BOOKで行われていた「緊急通報サービス」「渋滞回避ルート案内」「地図データ更新」といったサービスは継続提供され、プローブ交通情報サービスには2014年秋からトヨタの物流車両の走行データをリアルタイムに反映させ、情報密度を拡充させる。

　スマートフォン向けの「T-Connectスマホアプリ」では、走行データや車両データなどと連動するスマホ専用アプリを多数用意。さらにT-ConnectナビとT-Connectスマホアプリを併用することで、目的地周辺の駐車場にクルマを止めたあと、最終目的地までの徒歩移動の経路を案内する「ラストワンマイル」も利用できる。

「T-Connectナビ」の画面イメージ。カーナビとしての基本機能のほか、家電製品の遠隔操作やグルメ情報の検索などもアプリで行えるようになる

「ロボットオペレーターサービス」であるエージェント。用件がうまく伝わらない場合は有人オペレーターに用件を転送して対応する

カーナビで設定した目的地を「ラストワンマイル」でスマホと連携。目的地までしっかりと案内する

愛車の燃費や走行距離、走行履歴データなどをスマホで管理できる「マイカーログ」