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ヤマハ発動機、4輪オフロード車「VIKING」/3輪バイク「TRICITY」などを一堂に展示した事業説明会
現在の経営状況とともに2輪、マリン、特機など事業別での取り組みについて説明
(2014/9/12 23:00)
ヤマハ発動機は9月12日、現在の経営状況とともに2輪、マリン、特機(4輪オフロード車、電動アシスト自転車など)やその他事業別の取り組みなどについて紹介する説明会を開催。会場には国内未発売のオフロードバギーとその大型版、3輪バイク「TRICITY(トリシティ)」など注目の製品が一堂に展示され、華々しい中で行われた。
早い時期に売上高1兆6000億円、収益1200億円~1300億円を目指す
説明会では、柳弘之代表取締役社長が全体の状況や取り組みを説明した。持続的成長と企業価値向上を掲げ、「早い時期に売上高1兆6000億円、収益1200億円~1300億円を目指す」と述べ、2輪事業では収益を上げる取り組みを最大限行うとともに、コストダウンも推進するとした。
今後の製品では、製品集約をするため“プラットフォーム”と呼ぶ基本形を作成。そこからそれぞれの市場に適合したバリエーションを展開するとし、合わせて重要部品のコストダウンを行う。プレゼンテーションの中ではFI(フューエル・インジェクション)を例に挙げ、従来のキャブレターと同等レベルまでコストダウンを進めていくとした。
2輪事業では次世代小型エンジン“BLUE CORE”を展開
2輪車の事業については三輪邦彦上席執行役員が説明。個性ある新商品の市場投入が進んでいることを紹介するとともに、製品についてはアジアを中心としたグローバルモデルを展開、プラットフォームという形式で機能や外観にバリエーションを持たせていくとした。
一方で「2輪に興味のなかった方を新しい技術で獲得していく」とし、3輪バイクのTRICITYの若年層向け試乗会を開催する取り組みなどを紹介。現在、TRICITYは国内では今年は4000台くらいを想定していたが、すでに5000台を超える受注を受けているという。
技術面では、次世代小型エンジン“BLUE CORE”を展開していく。これは、高効率燃焼、高い冷却性、ロス低減を追求したもので、現在ベトナムで発売しているスクーター「Nozza Grande」に搭載、2008年モデル比で50%の燃費向上を達成しているという。今後“BLUE CORE”エンジンはスポーティなもの、さらに低燃費なものなど3タイプで展開し、2020年までに搭載車500万台の生産を目指すとしている。
マリン事業では50万隻といわれる中国の木造船の買い替え市場に挑む
マリン事業については木村隆昭代表取締役副社長が説明。「世界3兆円市場への挑戦」と題して、売上高3000億円以上を目指し、米国のプレジャーボートや新興国漁業市場に注力していくとした。説明では中国の現在の漁船が紹介され、50万隻といわれる木造船の買い替え市場に現地生産によって挑んでいくことが紹介された。
なお、プレゼンテーションで説明はなかったが、水上バイクのシミュレーターアプリ「WaveRunner How to RiDE」も展示された。iPhoneに対応するアプリで、新しい水上バイクに搭載される操作システムの「RiDE機能」を紹介するもの。RiDE機能の特性の理解を進めるために開発されたという。
4輪オフロード車のバリエーションモデルや無人ヘリも展開
4輪オフロード車、無人ヘリ、電動アシスト自転車などはヤマハの中で特機・他事業として分けられている。
2013年の東京モーターショーで発表されたROV(Recreational Off-Highway Vehicle)の「VIKING(バイキング)」について、横1列に3名乗車のタイプに加え、2列で6名乗車のタイプも会場に展示された。公道を走るものではなく、国内展開も予定されていないとのことだが、2台持ち込むあたりにヤマハの事業にかける意気込みが伝わってくる。説明会では6名乗車タイプの「VIKING VI」に加えて、さらに追加モデルの投入が予告された。
電動自転車では、「実用からスポーツモデルへ」としてMTB仕様を紹介。滝沢正博常務執行役員は「オフロードのヤマハだからこそ作れるモデル」と説明、ヤマハならではの製品として展開していくとした。
無人ヘリについては、国内では主に農業で利用されている。新たな市場として韓国、オーストラリアと展開し、さらにアメリカにも挑む。アメリカでは現在、商業目的の無人ヘリは許可されていないが、ヤマハでは試験運用などを行うほか、正式認可に向けた政府への働きかけを行い、アメリカ市場への参入を狙っているという。