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ヤマハ、三輪バイク「TRICITY(トリシティ) MW125」を国内発売
元AKB48の大島さんは二輪免許取得中。TRICITYのタンデム乗車も体験
(2014/7/2 12:49)
ヤマハ発動機は7月1日、マルチホイールコミューター「TRICITY(トリシティ) MW125」を9月10日より日本で発売すると発表した。“リーニング・マルチ・ホイール(LMW)”と同社が呼称する前輪が二輪となっている三輪バイクで、新たなタイプの都市型コミューターとして若者をはじめ幅広い層へ訴求する。価格は35万6400円。
ボディーカラーは、ブラックメタリックX、ブルーイッシュホワイトカクテル1、マットディープレッドメタリック3の3色。国内の年間販売計画は7000台を見込む。
2017年に10万台出荷を目指す、ヤマハ独自の新コミューター
TRICITY MW125は、2013年の東京モーターショーで市販前提のコンセプトモデルとして発表され、2014年4月にタイ市場でも販売が開始された124ccの三輪バイク。
前輪が左右に平行配置された二輪となっているのが大きな特徴で、左右で独立した片持ちテレスコピックサスペンションと、それを支えるパラレログラムリンクにより、コーナリング時には一般的なモーターサイクルと同様にバンクして曲がる仕組みになっている。車体の前後重量配分を50:50とし、燃料タンクを車体重心近くに配置したことで、自然なハンドリングを実現したとしている。
フューエルインジェクション「YMJET-FI」と冷却効果の高いオールアルミ素材の「DiASil(ダイアジル)シリンダー」を採用した、124ccの水冷 4ストローク SOHCエンジン。最高出力は11PS。リアブレーキはフロントブレーキと連動する「ユニファイドブレーキシステム」となっている。
発表会で登壇した同社代表取締役社長の柳氏は、TRICITY MW125の開発にあたり3つのチャレンジを行ったと述べた。1つ目は、これまで電動自転車やスポーツスクーターなど、数々の新コンセプトの二輪コミューターを他社に先駆けて開発、販売してきたヤマハの製品に、新たに“第3の移動体”を加えるという独創性へのチャレンジ。2つ目のチャレンジは、TRICITY MW125の50:50の前後重量配分やパラレログラムリンク、ユニファイドブレーキシステムといった前述の独自技術となる。
3つ目は、「Smart for All」をテーマに、「一筆書きを連想させるなだらかなボディライン」と、躍動感・軽快感を強調したというデザインへのチャレンジ。「二輪、四輪にはない新しい価値、今までにない走りの驚き、楽しさを提供する乗り物」で、「これまで二輪車経験のなかったお客様も楽しく、手軽に、快適に、豊かな生活を演出する道具として使っていただける」モデルだとして、TRICITY MW125をアピールした。
同氏によると、2017年までに10万台の出荷を目指し、タイ、日本以外のグローバルに向けても販売していく計画。また、担当者の話では、LMWをコンセプトとした新たな車種の開発も進行中で、シティコミューターに位置づけられるTRICITY MW125とは別に、レジャー向け、スポーツ向けのモデルも投入するとしている。
9月以降、プロモーション施策も積極的に展開する。全国で100名のモニターを募りSNSなどで発信してもらう「TRICITY モニターキャンペーン」や、全国9会場で開催する「TRICITY 全国体感試乗会」、取り扱い店舗で試乗した各店先着100名に特製クリアファイルをプレゼントする「TRICITY 店頭試乗キャンペーン」などを開催。さらに、二輪免許取得を支援するキャンペーンも実施するとした。
CMキャラクターの大島さんは二輪免許取得を目指す
発表会では、CMキャラクターに起用された元AKB48の大島優子さんが登場。TRICITY MW125について、「初めて見た形だったので、何これ!? とびっくりした」という率直な第一印象を語った。CM撮影でTRICITY MW125と出会ったのを機に「早く乗りたい」思いが強くなったとし、「二輪免許を取ることにしました」と宣言。実際に二輪免許専門の自動車学校「ヤマハテクニカルセンター」で教習を受ける様子も映像で紹介した。
TRICITY MW125でどこに行きたいかと問われた大島さんは、「スタイリッシュなデザインなので、横浜のようなおしゃれな街に繰り出したい」と話したが、二輪免許取得はまだしばらく先になりそうで、「しっかり勉強して、いい報告ができるように頑張ります」と決意を新たにしていた。なお、大島さんのCMや免許取得の様子は同社TRICITYスペシャルサイトで閲覧できる。
二輪とは微妙に異なるが、ほどよい接地感を味わえるハンドリング
発表会と合わせ、報道陣向けにTRICITY MW125の体験試乗会も開催された。場所は発表会場となった秋葉原UDXの地下駐車場で、単純な周回が可能な走行コースで試すことができた。
TRICITY MW125は三輪とはいえ自立はしないため、二輪車と同様に支えながら乗車する。前輪が二輪となっていることからハンドリングは重くなるように思えるが、走り始めると通常のバイクと比べても違和感のない軽快な操縦性が味わえる。ただし、一般のスクーターのようにハンドルが軽すぎることはなく、ほどよく接地感を捉えられるしっかりしたハンドリングに感じた。
狭路ターンなども試すことができたが、コーナリング時はどちらかというとリーンアウト気味の姿勢になる。フロントが先行してリーンすることによってマシンが向きを変える仕組みで、リアはフロントほど傾かないことから、二輪車とは若干異なる感触になるのだろう。
ただ、マシンとの一体感が損なわれていることはなく、カーブ時の安定感も抜群。塗装が施されたフラットなコンクリート路面で滑りやすいにも関わらず、小回りにも不安はなかった。万が一ふらついた時でも、152kgという軽量さもあって足を付けば軽々と安全な姿勢に戻せる。同じスタイリングの三輪バイクにはPIAGGIOのMP3という車種もあるが、担当者が「乗ってみれば違いが分かる」と力説するとおり、軽快感と安定感がTRICITY MW125の大きな魅力と言えるだろう。