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ANA、国内線の機内販売でSuicaによる支払いサービスを10月1日開始

事前登録しておけばマイルとSuicaポイントが同時に発生

SuicaがANA 国内線の機内販売の支払いに使えるサービスがスタート
2014年10月1日サービス開始

 ANA(全日本空輸)とJR東日本(東日本旅客鉄道)は、10月1日からANAの国内線における機内販売で、JR東日本が発行する電子マネー「Suica」による支払いができるサービスを開始する。また、Suicaは国内の交通系電子マネーと相互利用サービスを行っており、後払い式の「PiTaPa」を除く「PASMO」「Kitaca」「TOICA」「manaca(マナカ)」「ICOCA」「SUGOCA」「nimoca」「はやかけん」の9種類の電子マネーも取り扱い可能になる。

 9月22日に開催された共同記者会見では、冒頭で全日本空輸 取締役執行役員の志岐隆史氏、東日本旅客鉄道 常務取締役の高橋眞氏がそれぞれ挨拶。志岐氏は「私どもとJR東日本さんは、いろいろなところで競合することも部分あり、その部分では一生懸命競争していきたいと思っていますが、今回のようにいっしょに新しい企画に取り組める部分については、もっと連携を強くしていきたいと考えております。10年ほど前にスキー人気が低調になったときに、JR東日本さんといっしょに盛り上げようということで、“Suicaのペンギンさんが空を飛ぶ”という形でいっしょにやらせていただきました。今回も久しぶりにSuicaのペンギンさんが空を飛んでくれるというので、大変期待しております」とコメントした。

 高橋氏は「Suicaは21世紀に入った2001年から、まず鉄道での利用が開始されました。10年前の2004年から駅ナカや市街地の小売店などで使えるようになってきています。現在では加盟店が26万店、1日の決済件数もピークとなった今年7月に464万件という規模まで発展しています。これまでも空港ではお買い物などに利用していただいていましたが、今回のANA様との提携によって空でも使えるようになります。ペンギンは本来なら陸上でしか活動できない生き物ですが、ANA様という強力なパートナーを得ることで、空の上にも進出することになりました」と紹介している。

全日本空輸 取締役執行役員 志岐隆史氏
東日本旅客鉄道 常務取締役 高橋眞氏

「Suicaポイント」と「マイル」が同時に貯まる

全日本空輸 商品戦略部 部長 岡功士氏

 具体的なサービス概要については、全日本空輸 商品戦略部 部長の岡功士氏が解説。10月1日から国内線の全路線で開始されるこのサービスは、ANA 国内線で行われている機内販売サービスで、飲み物・スナック類を販売する「ANA My Choice」、さまざまなこだわりのアイテムを販売する「ANA SKY SHOP」の支払いにSuicaなどの交通系電子マネーが利用できるというもの。JR東日本が運営している「Suicaポイントクラブ」に事前登録(無料)している場合、支払い200円ごとに1ポイントの「Suicaポイント」が貯まり、併せてANAのマイレージカードを提示すると、同時にマイルも貯まる仕組みとなっている。同様のサービスは、2013年7月にサービスを開始した「楽天Edy」に続き2例目。交通系電子マネーを国内線機内での支払いに利用するのは日本初となる。

 同社では現在20億円程度という機内販売での売り上げのうち、1割となる2億円前後を交通系電子マネーによる決済にシフトさせ、利便性の向上によって売り上げの増加を期待したいとしている。また、政府が推し進めている外国人観光客の増加策においても、慣れない日本円を自分で選んで支払う必要がなく、利便性の高い決済手段を提供することで貢献していきたいとして、JR東日本とも協力して海外からの渡航者に向けてPRしていきたいと語っている。

共同運航便を除くANA 国内便全路線で10月1日からスタート
Suicaに加え、国内交通系電子マネー9種類で支払い可能になる
空港までの電車移動に加え、飛行機の機内もカバーし、支払いの利便性を高める
「Suicaポイント」と「マイル」がダブルで貯まるシステム
10月1日〜31日に、「導入記念キャンペーン」として、交通系電子マネーで買い物をした人に「Suicaのペンギンオリジナルしおり」がプレゼントされる
2015年1月(予定)以降に、機内販売限定で「ANA×Suicaオリジナルグッズ」の発売も計画している

 このほか、共同記者会見ではプレゼンテーションの終了後に、実際に機内でSuicaを使ってみるデモンストレーションも実施された。会場の一角には国内線で使うシートのモックアップを設置。ANAの志岐氏、JR東日本の高橋氏の2人に加え、このデモからゲストとして「Suicaのペンギン」も参加。ANAの客室乗務員(CA)とのやりとりによって、飛行機の機内でSuicaを使うシーンを披露した。

SuicaのテレビCMなどに登場している「Suicaのペンギン」もゲスト出演
ANAの志岐氏と握手するSuicaのペンギン
JR東日本の高橋氏は「ANA SKY SHOP」のラインアップから、「フェイラー ANAオリジナルポーチ&タオルハンカチセット」を選んで購入。「日ごろ苦労をかけている妻に」とのこと
高橋氏からCAがSuicaを受け取り、ハンディターミナルで支払い完了。10月1日から始まるキャンペーンでは、購入者に「Suicaのペンギンオリジナルしおり」がプレゼントされる
デモではSuicaのペンギンもSuicaを持参。あまり器用そうには見えないSuicaのペンギンだが、ハンディターミナルの読み取り部にSuicaをタッチ(通常はCAが実施)してスムーズに支払いできた
機内での支払いに利用するハンディターミナル「PRea AT-3700」。2013年7月に「楽天Edy」を導入するにあたり、キヤノンと共同開発を実施。機械自体は楽天Edy導入時から変更はないが、Suicaなどの交通系電子マネーに対応させるためソフトウェアを変更。ハンディターミナルは機内でやりとりしたデータを蓄積し、空港で読み取ってセンターと通信。日本各地にある空港で利用して問題が出ないよう、調整に1年間を要したとのこと
会場の一角に設置されたシートのモックアップ
表皮に本革を使うプレミアムクラスのシート。光の当たり方によって表皮の色合いが変化し、光の強く当たった手前のシートはブルーに、奥側のシートは黒っぽく見える
プレミアムクラスのシートのサイドビュー
市松模様のファブリックを採用する普通席のシート
プレミアムクラスの本革シートは、中央部分に乗員の背中を支えやすいようディンプルを配置している
シート中央のセパレーター後方にコート掛けを設置
セパレーター前方で回転させてメッセージを表示
セパレーター正面にはUSB端子、ユニバーサルタイプのパソコン電源などをレイアウト
シートはオットマンやフットレストなども電動式
JR東日本の駅や電車内の中吊り広告で利用開始をアピールする

(編集部:佐久間 秀)