激しいバトルが繰り広げられた「富士スプリントカップ」
SUPER GT、フォーミュラ・ニッポン特別戦

GT300、GT500、フォーミュラ・ニッポンの3クラス5レースが開催された富士スプリントカップ

2011年11月11日~13日開催



 「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011」(以下、富士スプリントカップ)が11月11日~13日に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンが同時に行われるイベントで、昨年に続き第2回目の開催となった。

 SUPER GTは通常はGT300クラスとGT500クラスが混走し、ドライバー交代を行うレース形式だが、富士スプリントカップはGT300、GT500が別々に走行。レース中のドライバー交代は行わず、各ドライバーは土曜、日曜に行われる第1レース、第2レースを1人で走りきる形式となっている。SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンとも100km(22周)のスプリント形式のレースだ。

 土曜日にGT300クラス、GT500クラスの第1レース、日曜日にフォーミュラ・ニッポン、GT300クラス、GT500クラスの第2レースが行われた。通常SUPER GTはローリングスタートが採用されているが、今回は静止状態からスタートするスタンディングスタートとなっている。

GT300第1レース
 最初の決勝レースはSUPER GTのGT300クラスの第1レース。前日、豪雨の中で行われた予選でポールポジションを獲得したのは平中克幸選手(11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458)。2位はシリーズチャンピオンを獲得した谷口信輝選手(4号車 初音ミク グッドスマイル BMW)、3位は藤井誠暢選手(33号車 HANKOOK PORSCHE)、4位は佐々木孝太選手(62号車 R&D SPORT LEGACY B4)とシリーズポイントの上位4台が実力どおりにグリッド2列目までを占めた。

 慣れないスタンディングスタートで出遅れたのは平中選手と佐々木選手。ポールポジションの平中選手は1コーナーで3位、コカ・コーラコーナー進入で4位に後退、4位の佐々木選手は5位に後退、予選7位の関口雄飛選手(88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3)が好スタートを見せ、3位に浮上した。

GT300第1レースのスタートシーン(Photo:Burner Images)1周目のコカ・コーラコーナー進入。谷口選手、藤井選手と続き平中選手、関口選手がサイド・バイ・サイド

 1周目の最終コーナーで関口選手が藤井選手を抜き2位に浮上、2周目のヘアピン立ち上がりで佐々木選手が平中選手を抜き4位、3周目の1コーナーで藤井選手が関口選手を抜き返し再び2位の座を取り戻した。トップの谷口選手は快走を続け独走状態、2位に上がった藤井選手も後続を引き離し単独2位のポジションを確保した。

2周目のコカ・コーラコーナー。谷口選手が逃げ、関口選手が2位に浮上谷口選手は独走態勢を築いた藤井選手が2位を取り戻した
4位佐々木選手、5位平中選手2位の藤井選手は3位以下を徐々に引き離す
1位、2位は序盤で確定かと思われた

 3位争いは目まぐるしく順位を入れ替え終盤まで激しい争いが続いた。6周目のプリウスコーナーでは関口選手、佐々木選手、平中選手が3台横並びのスリーワイドの争いを見せ、ペースが落ちたところにベルグマイスター選手(15号車 ART TASTE GT3R)も加わり、平中選手を抜き5位に浮上。8周目のヘアピン進入では平中選手が抜き返すなど抜きつ抜かれつの展開となった。

3位を激しく争う佐々木選手、関口選手、平中選手、ベルグマイスター選手

 3位争いから最初に脱落したのが佐々木選手。タイヤに限界が来てレース距離の半分を過ぎた13周目にピットインし最後尾まで順位を下げた。3位集団から抜け出し単独3位にポジションに立ったのはベルグマイスター選手。4位以下に5秒の差を付け表彰台を目指した。

62号車、佐々木選手がペースダウン。ピットインし上位争いから脱落

 後方から怒濤の追い上げを見せたのが松浦孝亮選手(43号車 ARTA Garaiya)。予選13位からスタートし1周目に11位に浮上、4周目に10位、7周目に9位、9周目に8位とポジションアップ。10周目のヘアピンでコースを外れ10位に落ちるも勢いは止まらず13周目には7位まで浮上、上位争いに絡んできた。14周目のプリウスコーナーで坂本祐也選手(86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3)を抜き6位、16周目のストレートで関口選手を抜き5位、4位を走る平中選手に背後に迫った。

松浦選手はスタート直後は11位を走行3位集団に追い付く10位の松浦選手

 3位表彰台は確実と思えたベルグマイスター選手のペースが終盤になった急速に落ちてきた。残り6周となる16周目に5.5秒あった4位平中選手との差が17周目4.5秒、18周目3.2秒、19周目2.5秒、20周目1.7秒と縮まり、0.4秒差でファイナルラップに突入した。

3位集団は各所でバトルが続いた3位~9位の7台
6位に浮上し後続を引き離す松浦選手4位争いに追い付いた松浦選手

 100Rで平中選手がアウトから並びかけサイド・バイ・サイド。立ち上がりでベルグマイスター選手はそのままアウトいっぱいにラインを取ったので平中選手はコースの外に押し出される。併走したまま平中選手がコースに戻ると2台は接触。ガラ空きになったイン側を5位の松浦選手がすり抜け、ヘアピン進入をアウトから一気に駆け抜け漁夫の利で3位に浮上、ヘアピンでイン側となった平中選手がベルグマイスター選手を抜き4位、ベルグマイスター選手は5位に後退した。

100Rの立ち上がりで平中選手はコース外へ(Photo:Burner Images)松浦選手がヘアピン進入で3位へ(Photo:Burner Images)
松浦選手が3位をキープしてダンロップを通過

 優勝確実と思われた谷口選手も急速にペースダウン。16周目に5.8秒だった2位藤井選手との差が17周目に5.1秒、19周目に4.5秒、20周目に3.6秒と縮まり、ファイナルラップのダンロップコーナーで2台はテール・トゥ・ノーズの争いとなった。

ファイナルラップのダンロップでトップ争いは激化

 プリウスコーナーのインをガードした谷口選手の加速が鈍ったところに藤井選手が並びかけ最終コーナーの進入で半車身前に出た。最終コーナーもインをキープした谷口選手に対し藤井選手は立ち上がり重視のラインをとって応戦。最終コーナーからの立ち上がり加速は藤井選手の33号車 HANKOOK PORSCHEが速く、ついにトップに浮上した。

 このままゴールかと思われたが、富士スピードウェイはゴールラインまで距離がある。背後にピッタリついた谷口選手が4号車 初音ミク グッドスマイル BMWの直線スピードを見せつけゴール直前で再逆転、0.092秒差で劇的な勝利となった。3位は予選13位からスタートした松浦選手が10台抜きで表彰台を獲得した。


GT500第1レース
 予選でポールポジションを獲得したのはロニー・クインタレッリ選手(46号車 S Road MOLA GT-R)。シリーズチャンピオンを獲得した実力を見せつけた。2位は大嶋和也選手(6号車 ENEOS SUSTINA SC430)、3位はビヨン・ビルドハイム選手(24号車 ADVAN KONDO GT-R)。

 クインタレッリ選手はスタートを決めトップをキープ。2位は大嶋選手、3位争いは好スタートを見せた予選4位のJ.P・デ・オリベイラ選手(12号車 カルソニック IMPUL GT-R)と予選6位のアンドレ・ロッテラー選手(36号車 PETRONAS TOM'S SC430)、予選9位の小暮卓史選手(1号車 ウイダー HSV-010)がスリーワイドで1コーナーを通過するが、アウトに押し出された小暮卓史選手がハーフスピンしコースに戻ったところでロッテラー選手と接触スピン。早々にレースを終えることとなった。スタートで出遅れたビルドハイム選手は3位争いのアクシデントで空いたインをすり抜け4位に留まった。

GT500第1レースのスタートシーン(Photo:Burner Images)スタート直後の1コーナーで小暮選手がコースアウトトップはクインタレッリ選手。後方で小暮選手がスピン

 オープニングラップを終えた時点の順位はクインタレッリ選手、大嶋選手、オリベイラ選手、ビルドハイム選手、ブノワ・トレルイエ選手(23号車 MOTUL AUTECH GT-R)、ロッテラー選手。

2周目、トップはクインタレッリ選手、2位大嶋選手ロッテラー選手は6位、脇阪選手は9位

 3周目の1コーナーでビルドハイム選手がブレーキングに失敗、トレルイエ選手に抜かれ5位へ後退。ビルドハイム選手は6周目のストレートで塚越広大選手(17号車 KEIHIN HSV-010)と接触しリタイヤとなった。4位に浮上したトレルイエ選手もタイヤを傷め6周目にピットイン、最後尾へ後退した。

3位のオリベイラ選手が追い上げる。脇阪選手は7位浮上6位のロッテラー選手、その後方に脇阪選手

 オリベイラ選手は序盤から果敢に攻め3周目の最終コーナーで大嶋選手を捕らえ2位に浮上。ロッテラー選手は4周目にビルドハイム選手を抜き5位、6周目にトレルイエ選手が後退し4位、8周目の最終コーナーで大嶋選手を抜き3位までポジションアップした。

一時は独走状態だったクインタレッリ選手。後方にオリベイラ選手オリベイラ選手、大嶋選手、トレルイエ選手と続くトレルイエ選手の後方にロッテラー選手
ロッテラー選手の後方に脇阪選手脇阪選手は6位集団の先頭
大嶋選手に迫るロッテラー選手大嶋選手を抜き3位に浮上したロッテラー選手

 後方から猛烈な追い上げを見せたのが脇阪寿一選手(35号車 D'STATION KeePer SC430)だった。予選13位からスタートするとオープニングラップで9位、2周目には7位、5周目には6位、6周目には5位、11周目には4位まで浮上した。

 レース後半はクインタレッリ選手、オリベイラ選手のトップ争いとロッテラー選手、脇阪選手の3位争いが激化した。

 トップ争いは10周目には3秒差だったが、12周目には2秒差、14周目には1秒差となりテール・トゥ・ノーズの争いとなった。一方の3位争いは11周目の3秒差が、12周目に2秒差、14周目には1秒差、15周目には1秒を切りこちらもテール・トゥ・ノーズの争いへと展開した。

ロッテラー選手との差を縮める脇阪選手
トップ争いをするクインタレッリ選手とオリベイラ選手の差も縮まった

 残り5周となる18周目のダンロップコーナーで、脇阪選手がロッテラー選手のインに飛び込む。2台はサイド・バイ・サイドでダンロップを立ち上がり、そのまま併走して13コーナーを抜けプリウスの進入でロッテラー選手が先行し3位をキープした。

 トップ争い、3位争いはコンマ台の差でファイナルラップに突入。3位を狙う脇阪選手がヘアピンでロッテラー選手のインに飛び込み軽く接触しながら併走、立ち上がりで抜き去り土壇場で3位に浮上、トップ争いはクインタレッリ選手がそのまま僅差で逃げ切り優勝した。

最終ラップまで僅差が続いたトップ争いロッテラー選手を攻め立てる脇阪選手
最終ラップのヘアピンで脇阪選手が3位へ(Photo:Burner Images)
そのまま3位キープでダンロップを抜ける脇阪選手

 クインタレッリ選手はシリーズチャンピオンの実力を見せつけ優勝。3位に入った脇阪選手はシーズンの不調のうっぷんを晴らすような3位表彰台獲得となった。


フォーミュラ・ニッポン決勝レース
 フォーミュラ・ニッポンの予選はやや変則的な方法で行われた。ラップタイムの順位と1コーナー手前で計測する最高速の順位をポイント換算し、スターティンググリッドを決定した。

 予選ではラップタイムが1分25秒756で1位、最高速が305.516km/hで3位だったオリベイラ選手(1号車 TEAM IMPUL)がポールポジションを獲得。2位は中嶋一貴選手(37号車 PETRONAS TEAM TOM’S)、3位は石浦宏明選手(8号車 Team KYGNUS SUNOCO)となった。

 スタートでダッシュを決めたのは中嶋一貴選手。ポールポジションのオリベイラ選手に並びかけ1コーナーへ進入するが、オリベイラ選手がブレーキングを遅らせややオーバーラン。併走する中嶋一貴選手はコース外に押し出され失速。ガラ空きになったインサイドを石浦選手がすり抜け2位に浮上した。

フォーミュラ・ニッポンのスタートシーン(Photo:Burner Images)オリベイラ選手が中嶋一貴選手をアウトに寄せたイン側から石浦選手が2位に浮上

 後方では平手晃平選手(2号車 TEAM IMPUL)がスピン、これを避けた小暮卓史選手(32号車 NAKAJIMA RACING)、松田次生選手(18号車 SGC by KCMG)、中嶋大祐選手(31号車 NAKAJIMA RACING)が接触、中嶋大祐選手はリタイヤ、松田選手と小暮選手はピットインし大きく後退した。

集団の中で平手選手がスピン後方で小暮選手、松田選手、中嶋大祐選手が接触オリベイラ選手、石浦選手、中嶋一貴選手の順でコカ・コーラコーナーに進入
小暮選手は破損したフロントウィングを撒き散らしながらピットへ

 上位3台は一定間隔を保ち走行を続けたが、4位以降は接戦が展開された。オープニングラップのダンロップコーナーで伊沢拓也選手(40号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を抜いた大嶋和也選手(7号車 Team LeMans)が4位をキープ。伊沢選手はロッテラー選手(36号車 PETRONAS TEAM TOM'S)の攻撃を凌ぎ5位をキープ。山本尚貴選手(16号車 TEAM 無限)は塚越広大選手(41号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と7位争いを続けていた。

4位以下は大嶋選手、伊沢選手、ロッテラー選手、山本選手、塚越選手と続くオリベイラ選手が後続を引き離しにかかる5位以降は接戦

 均衡を破ったのは塚越選手。5周目の1コーナーで山本選手のインに飛び込み7位に浮上。その後はレース後半までジリジリとした接近戦が続き、16周目の1コーナーでロッテラー選手が伊沢選手をブレーキングで抜くがややオーバーラン。クロスラインをとった伊沢選手がサイド・バイ・サイドでコカ・コーラコーナーまで併走するが、イン側をキープしたロッテラー選手に軍配が上がり5位に浮上した。

5位を争う伊沢選手とロッテラー選手
ロッテラー選手が伊沢選手を抜き5位浮上

 トップ3はそのままゴールまで走りきりオリベイラ選手が優勝、2位に石浦選手、3位に中嶋一貴選手が入った。


GT300第2レース
 第2レースの予選は金曜日に予定されていたが豪雨で中止となり、急遽土曜の早朝、チョイ濡れの路面で行われた。スリックタイヤを選択したマシンは後方に沈み、レインタイヤに切り換えたマシンが上位グリッドを獲得した。

 予選1位は高木真一選手(43号車 ARTA Garaiya)、2位は吉本大樹選手(66号車 triple a Vantage GT2)、3位は田中哲也選手(11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458)となったが、吉本選手はマシントラブルで決勝レースを走ることなくリタイヤとなった。

 スタートで出遅れたのは予選4位の加藤寛規選手(2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電)。エンジンがストールし最後尾から追走となった。ポールポジションの高木選手はスタートダッシュを決めトップをキープ。2位争いは混戦となるが予選3位の田中選手が2位でオープニングラップを周回した。

GT300第2レースのスタートシーン(Photo:Burner Images)予選1位の高木選手がトップをキープ予選で12位に沈んだ番場選手は8位で1コーナーを通過した
予選4位の加藤選手はスタートでエンジンストール。最後尾で1コーナーに進入した高木選手がやや後方を引き離しコカ・コーラコーナーへ

 3位の好位置をキープした岩崎祐貴選手(31号車 ハセプロMA イワサキ aprカローラ)だが3周目の1コーナーでブレーキングが遅れラインが大きく膨らみ順位を落とす。続くコカ・コーラコーナーで井入宏之選手(88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3)と接触しコースアウト最後尾まで順位を落としてしまった。

トップの高木選手に迫る田中選手岩崎選手、織戸選手、影山選手による3位争い6位争いは5台
後方では和田選手と松田秀士選手が接触。最後尾スタートとなった加藤選手はインをすり抜け12位に浮上
3位の岩崎選手が1コーナーでオーバーラン。大きく順位を落とす
岩崎選手と井入選手がコカ・コーラコーナーで接触。井入選手はリタイヤ、岩崎選手は最後尾へ

 トップ争いは4周目の1コーナーで田中選手が高木選手に迫り、コカ・コーラコーナーで逆転した。予選12位からスタートしたチャンピオンマシンに乗る番場琢選手(4号車 初音ミク グッドスマイル BMW)は1周目に9位、2周目に8位、3周目に6位、4周目に5位と着実にポジションアップ。

 圧巻は5周目のストレートで山内英輝選手(27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ)と影山正美選手(33号車 HANKOOK PORSCHE)の間を瞬く間に駆け抜け、桁違いの速さを見せ3位に浮上した。そのままの勢いで6周目のコカ・コーラコーナーで高木選手を抜き2位、7周目のストレートエンドで田中選手も抜きトップに踊り出た。

田中選手が高木選手に1コーナーで迫り、コカ・コーラコーナーでトップに浮上した
ポルシェ、ランボルギーニ、BMWによる4位争い3位から7位まで外国車勢が並ぶ
番場選手が3位浮上トップ争いに追い付いた番場選手
コカ・コーラコーナーで2位に浮上
ついにトップに立った番場選手

 番場選手に抜かれた景山選手だが、7周目に高木選手を抜き3位、10周目には田中選手を攻略し2位に浮上した。トップから5位まで後退した高木選手はレース後半に息を吹き返し山内選手を攻略し4位へ。オープニングラップでスピンし16位まで後退した山野哲也選手(62号車 R&D SPORT LEGACY B4)も後方から追い上げを見せ5位までポジションアップ。レース終盤は高木選手と山野選手による4位争いを展開した。

景山選手が3位に浮上トップに立った番場選手は後続を引き離し独走態勢を築く
景山選手は2位に浮上した山内選手と高木選手の4位争い
4位に浮上した高木選手
山野選手も山内選手を抜き5位に浮上
景山選手は2位をキープ4位争いをする高木選手と山野選手

 レースは番場選手が安定した走りで逃げ切り優勝。2位は景山選手、3位は田中選手。高木選手は山野選手の追撃を振り切り4位にフィニッシュした。

 4号車 初音ミクグッドスマイルBMWは第1レースの谷口選手、第2レースの番場選手と連勝。シリーズチャンピオン獲得の実力を見せつけJAFグランプリも獲得した。


GT500第2レース
 最後のレースはGT500クラスの第2レース。ポールポジションはシリーズチャンピオンを獲得した柳田真孝選手(46号車 S Road MOLA GT-R)。2位は道上龍選手(32号車 EPSON HSV-010)、3位は安田裕信選手(24号車 ADVAN KONDO GT-R)、4位は伊沢拓也選手(100号車 RAYBRIG HSV-010)となりミシュランタイヤ、ダンロップタイヤ、ヨコハマタイヤ、ブリヂストンタイヤが2列目までを分けあった。

 ロケットスタートを決めたのは4番グリッドからスタートした伊沢選手。1コーナーを制しトップに立った。2位は道上選手、ポールポジションの柳田選手は3位へ後退した。好スタートを決めた荒聖治選手(19号車 WedsSport ADVAN SC430)に立川祐路選手(38号車 ZENT CERUMO SC430)が接触。姿勢を乱した荒選手が松田次生選手(12号車 カルソニック IMPUL GT-R)に激しく接触し松田選手はフロントカウルを破損した。荒選手は1コーナーでも本山哲選手(23号車 MOTUL AUTECH GT-R)に追突されスピン、シーズン最後のレースは波乱の幕開けとなった。

GT500第2レースのスタートシーン(Photo:Burner Images)伊沢選手が好スタートでトップに立った2位に道上選手、3位に柳田選手が続いた
荒選手がスピン
スタート直後の接触でカウルを破損した松田選手のマシンからパーツが飛び散った

 3位に後退した柳田選手はヘアピンで道上選手を抜き2位に浮上。3周目のダンロップ進入で伊沢選手に並びかけるが、伊沢選手がかろうじてトップをキープ。トップ交代は時間の問題かに見えた。予選9位からスタートしたロイック・デュバル選手(1号車 ウイダー HSV-010)はスタートダッシュを決め1コーナーで4位。1周目の最終コーナーで道上選手を抜き3位に浮上した。2周目のストレートで松田選手のフロントカウルが吹き飛びスローダウン。コース上にも破片が飛び散った。

トップに立った伊沢選手はそのままコカ・コーラコーナーへ柳田選手が2位浮上デュバル選手が3位、道上選手は4位へ後退
ストレートでフロントカウルを飛ばした松田選手
武藤選手と安田選手が接触。破片を撒き散らした

 12番グリッドからスタートしたアンドレ・クート選手(35号車 D'STATION KeePer SC430)は1周目で5位までジャンプアップ。2周目には4位に浮上、5周目の1コーナーではデュバル選手に競り勝ち3位までポジションアップした。

序盤、アンドレ・クート選手は5位、中嶋一貴選手は9位4位にポジションアップしたクート選手
クート選手はデュバル選手を抜き3位浮上

 予選で13位と沈んだ中嶋一貴選手も序盤から徐々に順位を上げ、3周目に7位、6周目に立川選手を抜き6位。スタートのアクシデントを引き起こした立川選手と本山選手にドライブスルーペナルティが出たこともあり、10周目にはデュバル選手を抜き4位まで浮上した。

6台による6位争い
中嶋一貴選手は集団を抜け4位争いに加わったデュバル選手を抜き4位となった中嶋一貴選手

 トップの伊沢選手は後半になってもペースは落ちず快走。3位争いをするアンドレ・クート選手、中嶋一貴選手はファイナルラップの13コーナーの進入で接触スピン。後続に抜かれ表彰台を逃した。漁夫の利を得た金石年弘選手(17号車 KEIHIN HSV-010)が表彰台を獲得した。

クート選手、中嶋一貴選手の表彰台をかけた争いは最終ラップまで続いた(Photo:Burner Images)

 序盤は柳田選手にトップを奪われると思われた伊沢選手だが、最後までトップの座を守りきり優勝。チーム国光に移籍後の初優勝となった。2位となった柳田選手は第1レースで優勝したクインタレッリ選手と合わせて総合優勝、JAFグランプリを獲得した。



(奥川浩彦/Photo:奥川浩彦/報道専用レースフォトデータベース Burner Images)
2011年 11月 18日