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自工会、11月20日に開幕する「第43回東京モーターショー」の概要を発表

海外メーカーからボルボが6年ぶりに出展。前回を上回る計18ブランドが参加

会見には豊田会長、名尾副会長兼専務理事が出席
2013年5月13日開催

 自工会(日本自動車工業会)は5月13日、会長定例記者会見を開催。平成25年度の事業計画とともに、11月から開催する「第43回東京モーターショー」の開催概要などを発表した。

国内全14社15ブランド、海外18ブランドが東京ビッグサイトに出展

「第43回東京モーターショー(The 43rd Tokyo Motor Show 2013)」は、前回と同じく東京ビッグサイトの全ホールを会場として使用し、11月20日、21日がプレスデー、11月22日が特別招待日およびプレビュー・ナイト、11月23日~12月1日が一般公開日となる。

 22日に行われるプレビュー・ナイトは新規企画として行われるもので、入場時間を17時30分~20時とし、入場者を1万人(予定)に限定した企画。入場料は3000円(小学生以下は保護者同伴で無料)となる。

 今年度のテーマは「世界にまだない未来を競え。」“Compete! And shape a new future.”と定め、入場料は一般1500円、高校生500円、中学生以下は無料。それぞれ、15時以降の入場では1300円、400円、18時以降の入場では500円、200円の割引価格となる。

 出展内容では、国内すべての乗用車、商用車、2輪車メーカー14社15ブランドおよび、海外から18ブランドが出展。今回はボルボが6年ぶりに出展を決め、乗用車と商用車でブースを展開する。また、前回から主催者企画として始まった「SMART MOBILITY CITY」は、名称を「SMART MOBILITY CITY 2013」に変えて継続開催。ITSを中核とした、次世代自動車と周辺を取り巻く社会システムについて展示を実施する。

好調な決算内容は、リーマンショック以降の苦難で力を付けた自動車業界の底力

 冒頭の挨拶で豊田章男会長は、2月の会見でも取り上げた「税制改革大綱における自動車取得税の廃止」を歓迎し、引き続いてユーザー負担の軽減に向けて自動車業界が一丸になって取り組みたいと語ったほか、昨年10月に「若者のクルマファンを増やすこと」を目的に開催した「お台場学園祭2012」が目標集客数を大きく上まわり、若い人からも好評だったことを、最近のうれしかった出来事として紹介した。

「秋に開催する東京モーターショーは世界のお客様が相手になる。さすが東京モーターショーは面白いと喜ばれる内容にしたい」と意気込みを語る豊田会長

 記者との質疑応答では、やはり先日1ドル100円の壁を越えた為替レートと自動車業界の関係性について質問が集中。

 豊田会長はこれまでと同じく、「為替水準自体についてはコメントを控える」としたものの、現在の為替レートについてはデフレ脱却を目指した日銀の金融緩和政策、アメリカ経済の先行きに明るさが見えてきたことなどが要因になっており、市場原理に沿った内容であると分析した。

 また、政府側からは円安の恩恵を受ける輸出企業には、投資などの形で利益を社会還元してほしいという意見もあるという質問には、「これまで自動車業界はリーマンショック以降の非常に厳しい状況下で、原価低減や増販努力などを死にものぐるいで進め、最新の決算は日本のもの作り全体の努力が裏付けとなっている」と説明。第4クォーター以降はたしかにアベノミクス効果の追い風を受けているが、ベースには日本のもの作り全体の努力があったことを理解してほしいとコメントした。社会貢献という面では、自動車業界が短期的な収益に一喜一憂せず、世界2位という自動車生産拠点として多方面で雇用を確保していることを、中長期的な視点で考えてほしいと語った。

 このほか、自動車取得税の廃止に関連して、道路の整備や修理に必要な財源が足りなくなり、再び財源をクルマに求める意見が出ていることについて、名尾良泰副会長兼専務理事は「もともと道路特定財源を一般財源に変えたのは政府であり、予算不足だからといって車体課税で賄おうという姿勢は首尾一貫していない。道路は自動車ユーザー以外にも一般的に利用して国民全体が便益を受けており、財源の問題も国民全体として議論すべきだ」とのスタンスを明らかにした。

名尾副会長兼専務理事
先だって公開した「乗用車の燃費について解説する小冊子」を改めて紹介する名尾氏

(佐久間 秀)