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ホンダ、「フィット ハイブリッド」にリコール。3万6100台が対象

制御プログラムが不適切で発進/後退不能やエンスト、起動に必要な一部データを消去するおそれも

ECUプログラムの基準不適合発生個所
2013年12月20日発表、12月21日リコール開始

 本田技研工業は12月20日、「フィット ハイブリッド」に3種類の不具合に対するリコールを行うと発表した。対象となるのは、7月17日~11月6日に製作された車台番号GP5-1000012~GP5-1010632の1万378台、9月23日~12月3日に製作された車台番号GP5-3000006~GP5-3026418の2万5609台、10月9日~11月29日に製作された車台番号GP5-5000003~GP5-5000102の100台、9月9日~10月8日に製作された車台番号GP5-8000001~GP5-8000013の13台を合計した3万6100台。なお、対象範囲の一部には改修対象ではない車両も含まれている。

 今回のリコールでは、エンジン制御ユニット(ECU)、トランスミッションドライバーユニット(TDU)、ハイドロスタティッククラッチアクチュエーター(HCA)のそれぞれを制御しているプログラムが不適切で、エンジン回転が不安定になってエンストする、駐車状態から起動しなくなる、発進や後退ができなくなるといった不具合が発生するおそれがあるとしている。

 発表された不具合の内容は、まずECUについて「7速DCT型自動変速機を搭載した車両において、エンジン制御ユニット(ECU)のプログラムが不適切なため、低車速でアクセルをオフにした際、エンジンにかかるモーターの充電負荷よりエンジン出力が低いため、エンジン回転数が低下することがあります。そのため、エンジンの回転が不安定になりエンストするおそれがあります。(停止後の再起動及び走行は可能)」とのこと。

 TDUについては「7速DCT型自動変速機を搭載した車両において、トランスミッションドライバーユニット(TDU)のプログラムが不適切なため、(1)車両起動時にギヤチェンジ用アクチュエーターの出力を監視している2種類のIC間でクロック精度に差があり、起動準備が完了しているにもかかわらず未完了と誤判断することがあります。そのため、メーターディスプレイのトランスミッション警告灯が点滅し、“トランスミッション点検”の表示が点灯するとともに、駐車状態から起動しなくなるおそれがあります。(2)車両起動時にプログラムが立ち上がる際、起動に必要な一部データを消去してしまうことがあります。そのため、パワースイッチを押しても駐車状態から起動しなくなるおそれがあります」としている。

 3つめのHCAでは「7速DCT型自動変速機を搭載した車両において、ハイドロスタティッククラッチアクチュエーター(HCA)のプログラムが不適切なため、クラッチの締結力を制御するピストンの移動量を検出するセンサーが移動量を誤検知することがあります。そのため、HCA内部異常と判断し、メーターディスプレイのトランスミッション警告灯が点滅し、“トランスミッション点検”の表示が点灯するとともに、発進や後退ができなくなるおそれがあります」と、状況と原因を説明している。

 不具合に対する改善措置として、ECU、TDU、HCAのそれぞれを制御するプログラムを修正するとのことだ。

TDUプログラムの基準不適合発生個所
HCAプログラムの基準不適合発生個所

(編集部:佐久間 秀)