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火星探査車「キュリオシティ」の実物大モデルが日本初展示

9月23日まで幕張メッセで開催の「宇宙博2014 - NASA・JAXAの挑戦」において

幕張メッセで始まった「宇宙博2014」。ISS(国際宇宙ステーション)の大型模型
2014年7月19日~9月23日開催

幕張メッセ

入場料:当日2500円(一般)、1500円(高校・大学生)、900円(小・中学生)、未就学児は無料

 7月19日から幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)において、「宇宙博2014 - NASA・JAXAの挑戦(SPACE EXPO 2014 - The Great Challenge of NASA/JAXA)」が開催されている。このイベントはNASA(アメリカ航空宇宙局)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力により、宇宙開発に関わる実物や実物大モデルなど約500点を展示するもの。会期は9月23日までとなっており、開催時間は9時30分~17時(入場は閉場の30分前まで)。入場料は当日2500円(一般)、1500円(高校・大学生)、900円(小・中学生)、未就学児は無料。

日本初展示となった火星探査車「キュリオシティ」の実物大モデル
開催前日の7月18日には主催者をはじめJAXA宇宙飛行士の古川聡氏、オフィシャルサポーターの爆笑問題などによるテープカットが行われた
オフィシャルサポーターの爆笑問題
入口を入ってすぐのところに8K映像を体験できるコーナーがある。権利関係で映像を使うことができないので雰囲気だけ。その迫力と美しさは会場で見てほしい

 会場は幕張メッセ北側の10・11ホールを利用しており、大きく分けて「NASAエリア」「JAXAエリア」「FUTUREエリア」「MARSエリア」の各スペースで構成されている。それぞれのコーナーに目玉と言える展示が用意されているが、その中からCar Watch的必見展示を紹介しよう。

 会場を入ってすぐの場所に位置するのがNASAエリア。まずはNASAや宇宙開発の軌跡をパネルなどによりたどる「NASA A HUMAN ADVENTURE」のコーナー。そこを過ぎるといよいよ実物の展示スペースになる。なかでも圧巻と言えるのが「アポロ17号」司令船(実物大モデル)と着水時に使用されたパラシュート(実物)。そのほかスペースシャトル「アトランティス」前部胴体とキャビン(実物大モデル)など、見所満点。

NASAエリアへの通路はボーディングブリッジのような雰囲気
宇宙を夢見た人々をパネルで展示
数々の宇宙グッズやLIFE誌などアメリカの宇宙人気を示す数々のアイテム
アメリカのロケット開発の歩みを見ることができるコーナー。右側に見えるノーズコーンはジュピターロケットのもの
全長111mもあるサターンVロケットの1/10模型
1962年から運用されたタイタンIロケット(大陸間弾道弾/ICBM)のエンジン
ジュピターロケットのノーズコーン内部
アポロ計画の前段となるジェミニ計画で使われた宇宙船の再突入モジュール(レプリカ)
再突入モジュールの搭乗部分
マーキュリー計画で使われたアメリカ初の有人宇宙船(レプリカ)
NASAエリア後半は大型の展示物が目を惹く
スペースシャトル「エンデバー」の1/24模型
スペースシャトル「アトランティス」の機首部分(レプリカ)
フライトデッキ(操縦席)も見ることができる
アポロ計画で使われた司令船の訓練用シミュレーター(のレプリカ)とアポロ17号司令船で実際に使われたパラシュート
司令船内部も見ることができる
アポロ・サターンIで使われたジャイロ。縦横とも1mあまりと巨大
ひっそりと展示されていた「Magic Planet」と呼ばれる360°球体スクリーン。液晶モニター上の各惑星をタッチすると球体スクリーンにそれぞれの惑星が表示される

 その次がJAXAエリア。ここでの目玉は国際宇宙ステーション(ISS)にある日本実験棟「きぼう」の実物大モデル。宇宙飛行士、若田光一さんの中継などでおなじみのあの空間を体験できる。また、ブームとなった小惑星探査機「はやぶさ」の実物大モデルと回収サンプル(こちらは実物)も。

JAXAエリアの目玉はISS(国際宇宙ステーション)にある日本実験棟「きぼう」の実物大モデル
船外実験プラットフォーム側も再現されている
船内実験室内部は見学可能
2010年の帰還が記憶に新しい小惑星探査機「はやぶさ」の実物大モデル
はやぶさに搭載されていた再突入カプセル
再突入カプセルのカットモデル
はやぶさに搭載されたイオンエンジン
2014年度に打ち上げが予定されている小惑星探査機「はやぶさ2」の模型も
はやぶさが目指した小惑星「イトカワ」の模型
月や惑星表面を探査するためのロボット「月・惑星探査ローバ」
日本のロケット開発の歩みを紹介するコーナー。右手にあるのはH-IIロケットの第1段に使われている「LE-7A」エンジン
打ち上げに失敗したH-IIロケット8号機に使われていた「LE-7」エンジンの残骸。原因究明のため水深約3000mから引き上げられた
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」と手前にあるのが陸域観測技術衛星「だいち」の模型
カーナビでも対応機種が増えてきた準天頂衛星の初号機「みちびき」の模型
2008年に打ち上げられた超高速インターネット衛星「きずな」の模型
イベントのマスコット「キュリオくん」。中の人は居ないようだが意外と機敏に動きまわる

 MARSエリアの目玉と言えるのが火星探査車「キュリオシティ」の実物大モデル。さすがに本物ではないもののNASAが製作したモノで、米国外では初の出展となる。サスペンション構造などディテールにもコダわった本格的な一品(当たり前だけど)で、クルマ好きなら動きを想像しつつしばらく眺めていても飽きないハズだ。

MARSエリアに置かれている火星探査車「キュリオシティ」の実物大モデル
カメラ部
サスペンションはリジッドを組み合わせた形状で左右もロッドで繋がっているようだ
地表採取などを行うアーム先端部分
月・惑星探査ローバと違ってこちらはゴムタイヤ。ホイールはハリガネと呼べそうな細さ

 と、駆け足で紹介したが、今回プレス向けに行われた内覧会は時間が短く、チェックしきれなかったアイテムも多数。普通は近づくことさえできないシークレットゾーンにあるモノをじっくりと観察するまたとない機会。宇宙好き、科学好きはもちろん、夏休みに入った子供達にも是非とも出かけていってほしいイベントだ。

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(安田 剛)