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JAL、羽田空港国際線「JALファーストクラスラウンジ」リニューアルオープン

ハンバーグやパンケーキなど「鉄板ダイニング」提供。JAL版「ボーイング 2707」の模型展示も

2014年8月29日リニューアルオープン

 JAL(日本航空)は8月29日、東京国際空港(羽田空港)国際線のJALファーストクラスラウンジをリニューアルオープンする。その前日となる28日、報道陣向けの事前公開が行われた。

JALファーストクラスラウンジからの眺め。羽田空港のスポットに駐機中の機体や滑走路を走行する機体がよく見える

 同ラウンジは3月以前にJALファーストクラスラウンジおよびサクララウンジとして使用していたスペースを拡張したもので面積、座席数ともに従来の約3倍に拡大した。位置は国際線ターミナルビルの中央付近5階で、エントランスは3月30日にオープンした「サクララウンジ」と共用となる。

ファーストクラスラウンジのマップ
ラウンジに続くエントランス。奥に見えるのが挾土秀平氏による佐官壁アート「ひこうき雲 ~ 空と翼の軌跡 ~」
アトリエなどではなくこの場所で製作したという
ラウンジに向かう部分の壁にはサクラをモチーフとしたレリーフ状の演出も
入ってすぐの場所にテレフォンルームが3室ある
中にはACコンセントとLANポート
反対側にはシャワールームへの入口がある
ラウンジは禁煙となっているため、途中には喫煙室がある
ゆったりとした喫煙室
多機能トイレも用意
ラウンジの北側
眺めのよいカウンター。コンセントを装備。ラウンジ内には無線LANも完備
ビジネスマンにはありがたいコピー&FAX
半個室状のシート
北側の壁には書道家、武田双雲氏によるアート。サクララウンジにも同様の作品があるがこちらがオリジナル
壁際のソファー
形状の異なるソファー
ラウンジ南側のソファー。こちらはオットマン付き
ラウンジ南側には大きなオブジェ
カウンターにはシャンパンや日本酒、オードブルなどが並ぶ

 この新しいラウンジは、サクララウンジと同じく「モダンジャパニーズ」がコンセプト。フロアの奥に進むに従って家具やカーペット、シートのデザインが変わっていく「room to room」という考え方も継承している。加えて「red suite(レッドスイート)」と呼ばれるスペースが設置されているのが、新ラウンジの大きな特長となる。ここには「旅立ちの前のひと時をお過ごしいただく、隠れ家のような大人の空間」をテーマに、4つの異なるコンセプトの部屋が用意されている。

ラウンジを使用した際には立ち寄りたい「レッドスイート」

 入口に位置する「ライブラリールーム」には世界各地の旅や文化を題材にした書籍やJALのアーカイブズを用意。さらに「JOHN LOBB(ジョン ロブ)」とのコラボレーションによるシューシャインサービスを実施する。「ギャラリールーム」は旅好きの大人のプライベートルームをイメージした空間で、JALのアーカイブズや空の旅を想起させるアイテムで埋め尽くされている。「プレイルーム」にはチェスとサッカーゲームが用意され、出発時刻まで退屈することなく過ごすことができる。「バールーム」には「ローラン・ペリエ」のシャンパンと厳選された日本酒が揃えられ、オーストリアの名門「リーデル」社製の専用グラスでじっくりと味わえる……、など従来のラウンジとはひと味違う趣向が施されている。

一番南側にレッドスイートがある
入ってすぐが「ライブラリールーム」
「JOHN LOBB」とのコラボレーションによるシューシャインサービス。提供時間は7時~12時、17時30分~23時30分の予定
入口のショーケースに何気なく飾られているボーイングの超音速旅客機、2707の模型。ちゃんとJALカラー
ショーケース内には貴重なアイテムが並ぶ
手前のパイロット用トランクは同社にあるもっとも古いものだとか。奥は実際に使われていた六分儀
右側が「バールーム」
「ローラン・ペリエ」のシャンパンを用意
一番奥が「プレイルーム」。チェスとサッカーゲームを用意
ライトは帽子型のシェード
壁紙は世界各地の航路図
ライブラリールームの左側に「ギャラリールーム」
机の上にはA300(JA8464)に搭載されていた計器パネルがあった。レッドスイートは大人の遊び心があふれていた。展示物などは、適宜入れ替え予定とのこと

パンケーキや黒毛和牛&黒豚のハンバーグが食べられる「鉄板ダイニング」

ラウンジ中央のダイニングに設けられた鉄板焼きカウンター

 もう1つの特長となるのが食事だ。従来のビュッフェスタイルに加え、目の前でシェフが腕を振るう「鉄板ダイニング」を用意。朝(7時~11時30分)に「特製パンケーキ」を、夜(18時30分~23時30分)には「黒毛和牛&黒豚のハンバーグ JALオリジナルソース」が提供される。このライブ感あふれるサービスにより、提供時間内であればいつでもできたての食事を味わうことができるのだ。

ディナータイムに提供される黒毛和牛&黒豚のハンバーグ JALオリジナルソース。合い挽きの混合比は“合い挽きの黄金比(7:3)”とか。熱々で提供されるためジューシーで超美味!
シェフがその場で調理してくれる
こちらはモーニングタイムに提供される特製パンケーキ。こちらの配合は「企業秘密」という
焼き上がりもキレイ
メープルシロップとバターが付く。こちらも高級レストランに引けを取らない美味しさ
普段はCAさんによるサービスはない
ラウンジで食事中というイメージで撮影。美味しそうです
JALのラウンジではおなじみのカレーも
従来は提供時間が限られていたが今後は終日提供になるそうだ
オードブルも充実
シャンパンのほか多彩なお酒を用意
お寿司は羽田ではなく成田空港国際線JALファーストクラスラウンジで8月29日から提供開始。羽田とともに成田ラウンジの充実を図っていく

 このほか、シャワーやマッサージチェア、そして専門スタッフによるリラクゼーションスペースをこれまで同様に用意。また、書道家の武田双雲氏による世界地図をモチーフにした絵画、左官技能士の挾土秀平氏による飛行機雲をモチーフにした左官壁アートを設置するなど、フラグシップラウンジらしい、くつろぎと旅の楽しさを演出する空間に仕上げられている。

 内覧会では、まず日本航空 代表取締役社長、植木義晴氏が挨拶。「JALは世界一お客さまに選ばれ、そして愛される航空会社になるため、お客さまが常に新鮮な感動を得られるような商品、サービスを全社一丸となってチャレンジをしている」と前置き。新ラウンジは「私どもの考えるおもてなしを一人ひとりのお客さまにご提供し、これまでにない最高のサービスを作り上げるべく検討してきた」という。そこでファーストクラスラウンジにふさわしいサービスとして「鉄板を使った食事のライブサービス」「シューシャインサービスが受けられるレッドスイート」「日本が世界に誇る挾土秀平氏による佐官アート」の3点を用意したとコメント。「日本航空はひとクラス上の最高品質を目指して、お客様視点で次々と新しい商品、サービスをお届けしていく。これからも日本航空の新しいチャレンジに期待してください」と締めくくり、ラウンジ各部の概要説明については、日本航空 執行役員 路線統括本部 顧客マーケティング本部長 加藤淳氏が行った。

 次いでアドバイザーとして参加した小山薫堂氏が登壇。ラウンジのプロジェクトはまず、「和とは何だろう」を突き詰めるところからはじめたという。その結果、導き出された答えが「人のぬくもり、人のおもてなしが一番大切」であるとし、「なじみの店に帰ってきたような気持ちでラウンジを利用できる演出」としてシューシャインサービスを、そして「お寿司だけではない」日本料理として鉄板焼きを用意したと解説した。

 エントランスに設置されるシンボルアートを製作した挾土秀平氏は、依頼を受けた際に図面を見て「顔になる場所ということで凄く悩んで考えた」という。飛行機雲をモチーフに決めてからも色使いに悩み「松任谷由実さんの飛行機雲やそれをカバーしている歌手の曲を2週間ぐらい聞き続けた」そうだ。そして、できあがったイメージを元に現地で直接コテを持って製作。スカイブルーの部分はラピスラズリを乳鉢で摺って表面に塗ったほか、白い部分は石膏、銀のラインは仏壇職人に依頼してプラチナ箔を貼るなど、すべて本物の素材でできているという。

日本航空 代表取締役社長 植木義晴氏
日本航空 執行役員 路線統括本部 顧客マーケティング本部長 加藤淳氏
アドバイザーの小山薫堂氏
シンボルアートを製作した左官技能士、挾土秀平氏
小山薫堂氏、植木社長、挾土秀平氏の3名によって、JALファーストクラスラウンジのオープニング飾るテープカットが行われた

【お詫びと訂正】記事初出時、JALファーストクラスラウンジのエントランスはサクララウンジ・スカイビューと供用としておりましたが、正しくはサクララウンジと供用になります。サクララウンジ・スカイビューは羽田空港国際線ターミナル拡張部分側に新設されたエリアに位置します。

(安田 剛)