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キヤノン、3Dマシンビジョン「RV1100」説明会
生産ラインにおけるばら積み部品を正確にピッキング
(2014/12/16 11:39)
- 2014年11月7日開催
キヤノンとキヤノンマーケティングジャパンは11月7日、3Dマシンビジョン「RV1100」に関する説明会を開催した。3Dマシンビジョン RV1100は、組み立てラインにおけるばら積み部品のピッキング工程において、部品の姿勢を正しく認識することでロボットによるハンドリングを容易とするもの。主に自動車や自動車部品の組み立てラインをターゲットとして販売されている。
3Dマシンビジョン RV1100は、単眼カメラと投影プロジェクターが一体になった3Dマシンビジョンヘッドと、カメラで撮影した画像を解析する認識ソフトウェアから構成されている。ソフトウェアによって認識された部品の位置はインターフェイスを介してピッキングロボットへ送信され、正確なピッキングを可能とするわけだ。
3Dマシンビジョン RV1100の開発に携わるキヤノン 総合R&D本部 手塚大樹氏によると、このような部品認識をする場合、あらかじめ部品のデータを教え込むことが必要になるが、その部品登録作業も簡単だという。
作業としては部品のCADデータ入力と、ばら積み部品の撮影のみでプログラミングは一切不要。新規作業の立ち上げ時間に他社は64時間かかるのに対し、キヤノンのマシンビジョン RV1100では13時間と、80%短縮を実現。作業時間=コストとなるため、大幅なコスト低減を実現している。
ランニングコストも同様で、他社の機械だと2D認識しかできないため、ロボットによって1度部品をピッキングしてから認識する借り置き工程が入る。1工程入るということは、タクトタイムが長くなり、結果としてライン在庫も増えていることになる。キヤノンのマシンビジョン RV1100では、1度で部品認識ができるため、この点もメリットだと手塚氏はいう。
このマシンビジョンでは奥行きの計測(測距)にパターン投影法の1つである空間コード化法を採用。計測+認識時間は約2.5秒で、計測周期は約5.0秒となる。計測距離は約1750~2350mm、測定範囲は最大1160×1160×600mmで、3Dマシンビジョン RV1100の製品名もこの測定範囲から名付けられた。
販売の状況については、キヤノンマーケティングジャパン 産業・医療機器新規事業企画室 佐藤雅広氏が説明。現状、産業機器がキヤノンマーケティングジャパングループの売上高に占める割合は4%だが、この3Dマシンビジョン RV1100を成長エンジンと位置づけ、本格的に売り上げを伸ばしていきたいという。
引き合い状況としては、自動車・自動車部品が52%、電気が20%となっており、日本の製造業を支える自動車関連作業が圧倒的な割合を占める。このような産業機器を販売していくためにはサポート体制も必要となるが、営業、販売推進、技術、サービスの各部署が支援しつつ販売していく。