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2015年度グッドデザイン大賞、ベンチャー発のパーソナルモビリティ WHILL「WHILL Model A」に決定

誰もが“乗ってみたい”と思えるパーソナルモビリティ

2015年11月4日発表

 日本デザイン振興会は11月4日、ベンチャー企業のWHILLが開発したパーソナルモビリティ「WHILL Model A」を「グッドデザイン大賞」(内閣総理大臣賞)に決定した。

 グッドデザイン大賞は、2015年度グッドデザイン賞の受賞対象1337点のなかから、2015年度を象徴するデザインとして選ばれる賞。トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」など大賞候補8点の中から、審査委員と2015年度グッドデザイン賞受賞者、10月30日~11月4日の期間に開催された「グッドデザインエキシビション2015(G展)」の来場者による投票により決定した。

 大賞を受賞した「WHILL Model A」は、車いすユーザーの人もそうでない人も乗ることができる“乗ってみたい”と思える、新しいカテゴリーの「パーソナルモビリティ」として開発された電動の車いす。

 製品は、マウスのような操作性を取り入れるなど、障害のある人や高齢の人にも使いやすいユニバーサルデザインを採用。また、前輪に24個の小さなタイヤから成るオムニホイールを採用して半径70cmの小回りを実現するとともに、4輪駆動により最大7.5cmの段差も乗り越える走破性を両立。iPhoneのアプリを使って遠隔操作なども実装した。

 審査委員会からは「あくまで乗り物は“楽しいもの”というメッセージのとおり、操作性も考慮した乗り物ならではのデザインがされており、パーソナルモビリティという新しい製品カテゴリの創出に成功している」などと評価された。

 また、審査委員長の永井一史氏は「本日の大賞候補はどれが大賞になってもおかしくなかったが、蓋を開けてみたらWHILLの評価が高く一発で決まった。自分で車いすの方にこうしたいんだという気持ちから事業を立ち上げて、製品を作り世界に届けるというところまでやられている。デザインが新しい時代に突入したと感じている」とコメントした。

「グッドデザイン大賞」記者発表会場
パーソナルモビリティ「WHILL Model A」
スピードコントロールレバー
操作は座って右手側の「マウスコントロール」を使用する

大賞候補8点の投票結果は以下の通り。

1位:2875票/パーソナルモビリティ「WHILL Model A」(WHILL)
2位:2080票/電動義手「HACKberry」(exiii)
3位:969票/和食給食推進事業「和食給食応援団」(合同会社五穀豊穣)
4位:936票/液晶ディスプレイ「フリーフォームディスプレイ」(シャープ)
5位:839票/乗用車「ミライ」(トヨタ自動車)
6位:647票/道の駅「道の駅FARMUS 木島平」(一級建築士事務所スターパイロッツ+長野県木島平村)
7位:414票/ビッグデータビジュアライザー「地域経済ビッグデータビジュアライゼーションのプロトタイピングシステム」(タクラム・デザイン・エンジニアリング)
8位:407票/道の駅「ソレーネ周南」(周南ツーリズム協議会)

大賞候補8点
電動義手「HACKberry」:exiii
和食給食推進事業「和食給食応援団」:合同会社五穀豊穣
液晶ディスプレイ「フリーフォームディスプレイ」:シャープ
乗用車「ミライ」:トヨタ自動車
道の駅「道の駅FARMUS木島平」:一級建築士事務所スターパイロッツ+長野県木島平村
ビッグデータビジュアライザー「地域経済ビッグデータビジュアライゼーションのプロトタイピングシステム」:タクラム・デザイン・エンジニアリング
道の駅「ソレーネ周南」:周南ツーリズム協議会

(編集部:椿山和雄)