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写真で見る 三菱自動車「アウトランダーPHEV」

 三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」は、アウトランダーをベースにしたプラグインハイブリッドモデル。直列4気筒2.0リッターのMIVECガソリンエンジンに加え、フロントとリアにそれぞれ最大出力60kWの電気モーターを搭載。エンジンとモーターを組み合わせた4WDシステムを採用しているのが特長だ。

 同車は2014年4月にも質感向上を目指した“一部改良”が行われており、今回の改良はそれに続くもので、前回と同じくベースそのものは従来モデルから変わっていない。だが、発表資料などではあえて“新型”と表記している。というのは、フロントデザインを一新するだけにとどまらず、インテリアはもちろんパワートレーンやボディー、さらにはシャシーまで手が入れられているからだ。

 これまでのフロントデザインは、丸みを帯びた“ふわっと”した癖がなく優しい印象を与えるものだった。だが、ユーザーがアウトランダーPHEVに求めていたのはSUVらしい力強さ。前述した一部改良でもバンパーデザインの変更を行っているものの、まだまだ物足りなさが残る内容だった。そこで同社は大規模なデザイン変更に着手、2014年のパリショーにおいてフェイスリフトを行った「アウトランダーPHEV Concept-S」を発表した。その市販バージョンとなるのが、今回の新型というわけだ。

 一新されたフロントフェイスは歴代「パジェロ」のデザインを継承・進化させた「Dynamic Shield」の考え方を元に、スマートさとともに存在感のあるデザインを採用。さらにLEDヘッドライトや専用形状のバンパーエクステンション、フロント&リアにはスキッドプレート状のカバーも装着されるなど、随所にSUVらしいダイナミックさを感じさせるエッセンスが加味されている。

 インテリアにも手が加えられた。特に大きく変わったのがドアトリムやシート表皮といった手が触れて、目に見える部分。ステッチやシートのパイピング、ブラックウッド調の加飾なども追加や変更が行われており、見た目にも相当に上質な印象を感じさせるものとなった。

 そのほかボディー剛性の強化やショックアブソーバーシリンダーの大径化などによる操縦性、乗り心地の向上。吸音材や遮音材、制振材など30点余りのパーツの追加による静粛性の向上、プラグインハイブリッドEV制御の最適化などによる燃費や走行性の向上といった改良も行われている。

 グレード構成は「M」「G Safety Package」「G Navi Package」「G Premium Package」の4タイプ。価格は順に359万6400円、388万2600円、423万3600円、459万円。発売は7月9日から。なお、ガソリン車も同時に変更が加えられており、こちらはひと足早く6月18日から発売される。

G Premium Package

ボディーカラーはルビーブラックパール。インテリアカラーはブラック
ディテールこそ差異があるもののアウトランダーPHEV Concept-Sに近いスタイル。ボディーサイズは4695×1800×1710mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2670mm
ガラッと趣を変えたフロントフェイス。グリル中央のスリーダイヤモンドはかなり大きくなった
ポジションランプもLED化されたLEDヘッドライト
ヘッドライトの点灯パターン。撮影車両のボディーカラーはクォーツブラウンメタリック
フォグランプは「M」グレードをのぞく全車に標準装備
フェンダーにはプラグインハイブリッドを示す大きなバッヂが備わる
サイドミラーにはターンランプを内蔵
ボディーサイドにメッキパーツを追加
アンテナはシャークフィンタイプに
リアバンパー下部もスキッドプレート形状になった
バックランプは従来通りバンパー内蔵タイプだが横型から縦形になった
クリアタイプだったリアコンビネーションランプはLED化され、リアゲート部分まで大型化
リアコンビランプの点灯パターン
リアゲートにバックカメラを内蔵
リアゲートにもPHEVのバッヂが付く
リアゲートは電動開閉機構付
パワートレーンは従来から変わらないが、制御の最適化やエンジンのフリクション低減などによりハイブリッド燃料消費率(JC08モード)は20.2km/L(G Premium Packageは20.0km/L)に向上。充電電力使用時走行距離も60.8km/L(ともに最良値)とアップしている
G系グレードは専用デザインのアルミホイールを装着。タイヤサイズは225/55 R18
ボディー右側の充電リッド
左側に給油口を用意
静粛性を向上させるため、ボンネット裏のサービスホールにはシールが貼られた。遮音材も素材が変更されている
エンジンルームのサイド部にも遮音材を追加
フロントフェンダーにはスポンジ状の遮音材が追加されている
リアゲートの上部にもゴム状の遮音材が付いた
リアフェンダーのインナーカバーの材質も変更
G Premium Packageは本革シートが標準。撮影車両のインテリアカラーはブラック。ステッチやパイピングが追加されるなど表皮デザインが変更され、上質感がアップしている
リアシートにも同様の変更が加えられている

G Premium Package

ボディーカラーはホワイトパール。インテリアカラーはブラウン
新たに追加されたブラウンのインテリア
ステアリングは全車本革巻き。G系グレードにはステアリングヒーターも付く
メーターパネルはほぼ従来通り
回生レベルセレクター表示が大きくなった
木目調パネルやシルバー加飾の追加により大きくイメージを変えたセンターコンソール。高級感のある仕上がりだ
セレクターのパターン表示がベース部分に移りレバー上部は車名ロゴになった
セレクター後方には4WDのロックボタンとシートヒータースイッチ。運転席・助手席シートヒーターは全車標準装備
G Premium Packageにはナビゲーションとロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステムが標準
G系グレードにはマルチアラウンドモニターが標準で装備される。フロント&リア、サイドミラーにカメラが付く
いずれのグレードも左右独立温度コントロール式フルオートエアコンを装備
インパネ下部は小物入れがなくなりスイッチスペースに
ステアリングコラム右側のスイッチ群。新たに誤発進抑制機能がオプション設定された
アームレストを開くと小物トレーが出現
内部にはUSB端子とDC12Vソケットが用意される
センターコンソール前端にあるカップホルダーはフタ付きになった
Aピラーカバーを変更し、ルーフトリムとの一体感を向上させた
サンバイザー裏には照明付きのバニティミラーが備わる
ブラウンカラーのシート。ステッチ&パイピングがオレンジになる
ドアトリムもステッチの追加やブラックウッド調加飾の採用によって高級感がアップ
アームレストにはパワーウインドーなどのスイッチがある
アウトランダーPHEVは5名乗車モデルのみの設定

G Navi Package

ボディーカラーはレッドメタリック。インテリアカラーはブラック
ルーフレールは全車オプション
黒内装のインパネまわり
マップランプ中央に電動ガラスサンルーフのスイッチ
電動ガラスサンルーフはG系グレードにオプション
シート表皮はウレタン合皮と人工皮革スエードのコンビネーションタイプ
ドアトリムはG Premium Package同様の仕上がり
リアシート。横方向のステッチによりワイド感がある
中央に収納式アームレストを装備
リアシートは6:4分割可倒式。リクライニングもそれぞれ独立で調整可能
センターコンソール後端にAC100Vのアウトレット。G Premium Package以外はオプションになる
リアシートはダブルアクションフォールディング機構によりラゲッジと同じ高さになる
ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステム非装着車はウーファーがないためラゲッジルームをフルに使える
リアタイヤハウス部分にもAC100Vのアウトレットが
ラゲッジルームのフロア下にはパンク修理キットなどが収納されている
右パネルにはツール類を収納

G Navi Package(オプション装着車)

ボディーカラーはクォーツブラウンメタリック
ボンネット前端の車名バッヂ
SUVらしさを強調するエアロパーツ
リアスポイラー
サイドシルを保護するアルミ製スカッフプレート
毛足が長めのラゲッジマット
荷物の積み下ろしの際にキズが付くのを防止するバンパーガード

(安田 剛/Photo:安田 剛)