レビュー

【ナビレビュー】音楽ストリーミングが加わった「サイバーナビ AVIC-VH0999S」

「ナビ好き向けの孤高の存在」から裾野を広げようと一歩を踏み出した!?

1DINサイズのインダッシュモニターとメインユニットの組み合わせとなる「サイバーナビ AVIC-VH0999S」

 カロッツェリアのカーナビに初めて「サイバーナビ」の名前が付けられたのは1999年のこと。以来、同シリーズはフラグシップモデルとして、常に新しい機能を取り込みつつ進化を続けてきた。目立つところだけでも地図メディアにHDDを採用したり、プローブ情報を活用した「スマートループ渋滞情報」を搭載したりと、カーナビの進化に影響を与えてきた。

 その最新型、2015年モデルのメインストリームとなるのが“0999系”だ。ラインアップはサイバーナビで初めて8V型モニターを採用した「AVIC-ZH0999L/LS」、200mmワイド2DINサイズの「AVIC-ZH099W/WS」、2DINサイズの「AVIC-ZH0999/S」、1DINサイズのインダッシュモニターと1DINサイズの本体を組み合わせた「AVIC-VH0999/S」。末尾の「S」の有無は「クルーズスカウターユニット」と「通信モジュール」が同梱になるか否かの違い。

 合計4タイプ8機種のなかからレビューに用いたのは、1DIN+1DINメインユニットの組み合わせとなる「AVIC-VH0999S」。ハードウェア的には100GBのHDD、7V型ワイドVGAディスプレイ、CD/DVDプレイヤー、SDメモリーカード対応、USBマスストレージクラス対応、Bluetooth内蔵などなど。それに「S」付モデルなのでクルーズスカウターユニットと通信モジュールも付いてくる。フラグシップにふさわしい、まさに全部入りモデルだ。

メインユニットにはSDカードスロットがある
モニターを収納した状態
入力用としてHDMI端子(ケーブルはオプション)とUSB端子を装備

専用音楽ストリーミング機能を搭載

 2015年モデルの目玉となるのが「ミュージッククルーズチャンネル(MCC)」だ。これは「着うた」などの音楽配信を手がける「レコチョク」との協業により実現した音楽ストリーミング機能で、130万曲以上の楽曲をBluetooth接続したスマートフォン(&専用アプリ)を介して楽しめるもの。

 カロッツェリアのナビにはもともとHDDに音楽を録音して楽しめる「ミュージックサーバー」が搭載されているけれど、音楽CDなりデータなりを持っていることが前提になる。要は手持ちの音楽を車内で楽しむ機能なワケだ。一方、MCCは「ヒッツ」や「特選アーティスト」といったチャンネルを選ぶことで、ラインアップされた曲を聞くことができる。チャンネル数は約50種類用意されており、一定期間で更新。さらに各チャンネルは約30曲で構成されるため、新曲はもちろん、今まで聞いたことがなかったジャンルやアーティストの曲に出会うことができるワケだ。また、パイオニア独自の楽曲解析技術により、配信されるすべての楽曲の「ジャンル」「テンポ」「時間帯」「気持ち」などによってレコメンドチャンネルを自動生成。選んだレコメンドチャンネルに合わせて選曲してくれる機能も用意されている。

 この機能を使うためには、まずスマホ(Android/iPhone)に対応アプリ「ミュージッククルーズチャンネル」をインストールしておくことが必要。次にBluetooth接続を確立させる。ここまでやっておけば、あとは「AVメニュー」にある「MCC」アイコンをタッチするだけで、アプリが自動的に起動して使えるようになる。このあたりは“専用”ならではのお手軽さだ。128kbit AACデータによるストリーミングってことで音質が気になるところだけれど、走行している車内で聞くには十分と思える音質だ。

 それに、街中やTVなどの媒体で音楽に触れる機会が少なくなっている現状もあって、聞いたことのない曲をたくさん聴くことができるのは新鮮な感じ。前述したように1つのチャンネルには約30曲が入っていて、キャッチーな曲が混ざっていると何気に覚えていて、2回目に耳にしてチャンネルがひとまわりしたのに気づいたりする。2時間程度は掛かっているはずなのに、新鮮さもあってか意外と短く感じられてしまう。また、データは3曲分ほどスマホ内にキャッシュされるため、トンネル内で通信が途切れたりしても安心だ。実際、テスト中もずっと流しっぱなしにしていたけれど、曲が途切れてしまうことはなかった。

 MCCはレコチョクの「replay」というサービスを利用しており、年額3000円(税別)が必要となる。しかし、サイバーナビには1年間の使用権が付いているため、その期間は無料で利用できるのが嬉しい。もう1つコストが発生する要因となるのがスマホのデータ通信。データ量は10時間で0.8GB〜1.1GB程度とのことで、ヘビーに使うなら定額プランに加入しておくのが必須となる。

 と、運用には若干のコストが必要にはなるものの、ボーカルをキャンセルする機能に加え、スマホやリアモニター(オプション)に歌詞を表示する機能を用意。カラオケが楽しめるなんてプラスアルファ的な要素も持っている。あらかじめ音楽CDなどを用意しておく必要もないので、帰省のような旅行で長時間ドライブするときに強い味方になってくれそうだ。

AVメニューからMCCアイコンをタッチ
MCCが起動し、スマホと自動的に接続される
MCCのメニュー画面
ヒッツのメニュー。リストは定期的に更新されていく
再生画面
右上のアイコンを押すと右側に表示されているレコメンドチャンネルが切り替わる
レコメンドチャンネルを切り替えたところ。レコメンドチャンネルは各楽曲に最大24種類自動生成される
気分に合わせてレコメンドチャンネルを選ぶことで、あらかじめ用意されているチャンネルとは異なる曲を楽しむことができる

ナビ機能は先代をほぼ踏襲

 カーナビ面ではメニューボタンを押した際などに表示される「セントラルメニュー」を一新。目的の操作が見つけやすくなったのが見た目での大きな変更点。

セントラルメニューが一新された

 機能面では「フリーワード音声検索」時の認識率がアップしたのがポイント。これは辞書と音声認識エンジンの追加によるもので、長い施設名なども確かに一発で入力OK。クラウド型の宿命で、長いときには認識に20秒程度掛かってしまうものの、多少長いワードでもかなりの確率で正しく入力できた。短いワードだとタッチパネルで入力した方が速いこともあるけれど、10文字以上あるようなワードなら逆転して音声の方が速く入力可能! カーナビに音声入力が搭載されるようになって結構経つけれど、これなら入力方法の主役の座をゲットできるパフォーマンスがあるレベルだ。

 地図表示は普通の2D表示「ノーマルビュー」のほかに、3Dタイプの「スカイビュー」、ドライバー目線の「ドライバーズビュー」、左右2画面で異なる縮尺や視点の地図を表示できる「ツインビュー」、音楽や映像と地図を同時に表示する「AVサイドビュー」など豊富なモードが用意されている。加えて施設名などの文字情報を拡大したり、道路を目立つ表示にしたり、100mスケールに一方通行表示を加えたりと、好みに合わせてカスタマイズできる。これらの切替が「ビュー」メニューから簡単に行えるのも便利だ。

 地図画面でサイバーナビらしい機能となるのが、地図にない道路を走行軌跡を元に自動的に作成する「ロードクリエイター」。ただ道路として画面上に表示するだけでなく、ルート探索時にも使えるスグレモノだ。今回はそんなシチュエーションがなかったため実際に試す機会はなかったけれど、あちこちに出かける機会が多いなら嬉しい機能だ。

 加えてサイバーナビには、地図や施設データを最新データに更新できる「マップチャージ」を搭載。高速道路や有料道路、主要道路といったあたりは毎月更新されるため、常に最新の地図が使える。しかも、通信モジュール同梱の本機なら、パソコンでデータをダウンロードしてSDカードにコピーしてうんぬん、なんて面倒な作業も不要。これが2018年までは無料で使えるのだから嬉しい(年に2回の全データ更新の際は、SDカードによるアップデートが必要)。

 検索機能は前述したフリーワード音声検索をはじめ、「名称/マルチ検索」「住所」「電話番号」「ジャンル」「周辺」など多彩。特に周辺検索ではガソリンスタンドやコンビニ、ATM、ファミリーレストランを検索すると、営業時間内と時間外の施設を異なるアイコンで表示してくれる便利な機能も。ガス欠直前でようやく見つけたスタンドにたどり着いたものの、営業時間外で開いてなかった、なんて寂しい状況とは無縁なのだ。ついでに「Smart Loop」メニューからいくつか階層を掘り下げていく必要があるものの、ガソリン価格も調べることができる。

情報メニュー
渋滞情報メニューではVICS情報の確認やスマートループの取得タイミングの変更が可能
設定・編集メニュー
データ編集メニュー
スマートループ設定の編集メニュー。細かい変更はこちらから
燃費推定/車両情報メニュー。ルート探索時などに参照される
調整・補正メニュー
システム設定メニュー
Bluetooth設定メニュー
音声認識設定メニュー
「S」付モデルに標準装備される通信モジュールの設定メニュー
イルミネーションカラーも変更可能。ここで選んだカラーはセントラルメニューにも反映される
その他設定メニュー
音声検索はクラウドタイプ。発話してから認識されるまで10秒ほど(発話時間によって異なる)かかる
認識率は相当に高いレベル。10文字以上ならタッチパネルより早く入力できる
候補から目的のスポットを選べばすぐに目的地として設定できる
100mスケール表示
渋滞を表示した100mスケール表示。点線はスマートループ渋滞情報によるもの
10m〜50mスケールは建物の形状や歩道まで描かれる市街地図表示
200mスケール表示
渋滞を表示した200mスケール表示
500mスケール表示
渋滞を表示した500mスケール表示
1kmスケール表示
渋滞を表示した1kmスケール表示。渋滞表示はこの縮尺まで
2kmスケール表示
5kmスケール表示
10kmスケール表示
20kmスケール表示
50kmスケール表示
100kmスケール表示
200kmスケール表示
もっとも広域となる500kmスケール表示
地図内左下の「ビュー」ボタンを押すことで表示モードの切り替え画面になる
スカイビュー。100mスケール以下では建物をリアルに表示
ドライバーズビュー
異なるスケールの地図を表示できるツインビュー
AVサイドビュー。MCC再生画面ももちろんOKだ
地図はスケール切り替え可能。もう少し地図の面積が広くてもいい気がする
文字拡大表示
道路重視表示
100mスケールでは一方通行の表示も可能。ちょっと見た目にしつこい感じもするが都市部では便利
検索では「名称検索」と「マルチ検索」を切り換えて利用可能。最初の1文字を入力した段階から候補が表示されるのが便利
羽田空港を探してみる。「はねた」でもう候補が表示された
ここから名称検索だけでなくジャンル検索も可能
とりあえず名称検索で候補表示。そのものズバリは出てこない
絞り込みは「一致順」「ヨミ順」など6種類
うまくいかないので、ジャンルでの検索に変更
「羽田空港」というジャンルに空港はなかった。当たり前か
そこで「羽田」を削って「空港」でジャンル検索
さらに「エリア」で絞り込むことで見つけることができた。だいぶ回り道をしてしまったものの、ナビごとのクセを知っておくとスムーズに検索できる
画面右下の「ここへ行く」を押せばルート探索に進むことができる
6ルートリストを選べば細かい条件から最適なルートを選ぶことが可能だ
住所検索の例
番地はリストから選ぶこともできる
インプレスのあるビルもバッチリ
右上にある「情報」ボタンを押すと施設内のスポットを見ることが可能
ジャンル検索の例
駐車場ジャンルのなかも細分化されている
地図上で探すことができるのは便利
ジャンル検索の例、その2。ジャンルは細分化されており探しやすい
コンビニを探してみる
ブランドごとに選択することも可能
各施設のリストでは取扱商品やATMの有無もチェックできる
電話番号検索は約2990万件のデータを収録
通信を使った検索も用意。スマートループメニューから行う
開いている駐車場をチェックできる駐車場満空情報
ガソリンスタンドのクチコミ価格が分かるガススタ価格情報
全国の天気が分かるウェザーライブ。これはスマートループメニューではなく別メニューから
時間帯別の表示も可能だ

プローブ情報が威力を発揮するルート探索&案内

スマートループ渋滞情報はVICS情報が無い道路でもプローブを使って渋滞情報が取得できる

 同社のナビが持つ最大の強みと言えるのが「スマートループ渋滞情報」だ。実際に走行しているクルマから届く情報を元に渋滞情報を配信する同機能は、VICSがカバーする約7万kmの10倍となる約70万km。事実上、細街路を除く日本国内すべての道路を網羅していることになる。サイバーナビでは2006年から蓄積されてきた情報を元にした渋滞予測データと、走行中のクルマから上がってくる「リアルタイムプローブ」情報を元にルートを探索。「6ルート探索」を選ぶと距離や所要時間などを元に「推奨(有料標準)」「推奨2(有料標準)」「推奨(有料回避)」「推奨2(有料回避)」「エコ優先(有料標準)」「幹線優先(有料標準)」をリストアップしてくれる。膨大なデータを元にしたルートは渋滞予測の確度が高く、到着時刻もかなり信頼できる。ただ、通信を伴うため探索にはそれ相応に時間が掛かるのがちょっと残念なところ。急いで出発したいときにはちょっとイライラしてしまうかもしれないが、経験的にはキチンと結果を見てから出かけた方が、結果的に早いなんてことが多い。まさにウサギとカメ的なアレってワケだ。

 探索したルートを実際に走り出してみれば、これはもう快適なドライブが楽しめる。交差点拡大図も一般的なものから、交差点に近づくにつれて交差点周辺から中心へとアングルが変化していく「オートアングルチェンジ」、ドライバー目線で案内してくれる「ドライバーズビュー」、矢印のみでシンプルに案内する「アローガイド」と多彩に用意されている。若干、普通の交差点拡大図が分かりにくい印象だけれども、まぁ、好みの問題といった程度。慣れてしまえば気にならないレベルだろう。

 カメラの実写映像と案内表示を重ね合わせて表示する「ARスカウターモード」もサイバーナビならではの機能。最近のナビで多くなった「実写ベースのイラストで案内」なんて面倒なことはせずに、実写をそのまま使っちゃえというある意味チカラワザ的なもの。この機能はルート案内だけでなく、前車との車間距離や走行中の道路の速度制限、横断歩道警告などもあって安全面にも貢献してくれる。

 先代モデルからカメラが100万画素になったこともあり、夜間やトンネル内でも鮮明な映像を実現。見ていて楽しいだけでなく、実用的な機能と言える。と、フォローをしつつ重箱の隅を突かせてもらうと、現行モデルのワイドVGAディスプレイではさすがにもう力不足。せっかくの高解像度映像が生かし切れていない感が強い。ここらでどーんとフルHDぐらいまで進化してほしいところだ。

 もう1つ、このカメラを使って実現しているのが、特定のポイント画像を共有できるクラウド型情報共有サービス「スマートループ アイ」。撮影&アップロードは自動的に行われ、ナビ画面にも自動的にポップアップ表示される。山間部で霧が出ているなんてことが分かったり、標高が高い場所の路面に積雪がある、なんてシチュエーションで使うことができればかなり有用になりそう。ただし、アップロードされた情報を見る限り、現状では装着車両がまだまだ少なく、情報が提供されているスポットも限定的だ。まだ道半ばなところで、今後の動向に期待したい。

 カロッツェリアナビならではの自車位置精度は健在。高速道路と一般道が上下に並んでいる場所や、GPSの電波を受信することができない地下駐車場、さらには一般道のアンダーパスと側道といった微妙なポイントなど、ほかのナビが苦手とするような場所でも完璧な精度を発揮した。こういった場所で道を間違えてしまっても、リルートはほぼ瞬時に行われるので安心だ。さらに、そんな精度があってこその駐車場マップもありがたい存在。大規模な駐車場や出入口が複数あるなんて場合は本当に便利だと思う。カーナビならではの機能なので、ぜひ収録ポイントを拡大してほしいところだ。

ルート探索の例。横浜から「富岡製糸場」まで探索してみた
推奨ルートのみならそれほど探索時間は掛からない
6ルートの例その1。1番目はエコで早くて距離が短く、さらに安いという文句のないルート
2番目は高速重視。東北道と北関東道を使っている
3番目はひたすら一般道。安上がりだけど所要時間が長くてキツそうだ
4番目も一般道で少し遠まわり
5番目、6番目は1番目と同じルート
リスト表示だと各ルートの違いが分かりやすい
あまり違いが出なかったので2パターン目。山梨県にあるサントリー白州蒸留所を目的地に探索
「ここへ行く」を押すと推奨ルートが表示される
6ルートを選んでみる。1番目は推奨ルートと同じ、王道的な東名〜圏央〜中央を乗り継ぐ高速ルート
2番目は上信越道を使った八ヶ岳高原観光ルート
3番目は一般道のみ
4番目も一般道のみだが、富士山西側にある朝霧高原の周辺を通過するルート
5番目は一般道を併用した高速料金節約ルート
6番目は1番目とほぼ同じルートになった
3パターン目は新宿駅が目的地。混雑をどう避けるかがポイントか
1番目は開通したばかりの首都高速 品川線を利用
2番目は第3京浜と首都高速を使う“お大尽ルート”
3番目は一般道のみ。30分余計に掛かるものの首都高速の料金が節約できる
4番目は3番目のルートよりちょっと遠まわり
5番目、6番目は1番目と同じルート
ルート案内のメインとなる交差点拡大図
ピンク色のルートは道幅が狭い細街路
細街路が続く住宅地などでもキチンと案内してくれるのは心強い
ルート走行中に道路状況が変わるなど、より早いルートを見つけると教えてくれる
目的地に着くと今回の運転を診断
エコステータスとして内容をチェックできる
視点を変化させて曲がる交差点を教えてくれるオートアングルチェンジ
シンプルなアローガイド
都市高速や都市間高速ではハイウェイモードに切り替え
分岐はデフォルメされたイラストでとても分かりやすい
クルーズスカウターユニットを使った表示。右側にはコンビニが3Dランドマークとして描かれている
交差点での案内もカメラ画像に重ねて表示される
暗いトンネル内でも前走車との車間距離が分かるので安心感が高い
クルーズスカウターユニットの設定画面
一部機能は地図画面からも設定の変更が可能
クルーズスカウターユニットを使ったもう1つの機能がスマートループ アイ。スポットは地図上にカメラマークで表示される
スポット画像は走行中に自動表示されるほか、任意のスポットを探すことも可能
大きな画面で画像をチェック。写真と走行時の速度から、この時点(約5時間前)では渋滞もなく空いていたことが分かる
上下に併走する一般道から都市高速へというシチュエーション。本線に合流するタイミングで認識してリルート
逆に都市高速から一般道に。下り坂を走っている段階でリルートを開始。文句の付けようがない精度だ
地下駐車場。スロープを下ると自動的に駐車場マップに切り替え。精度も完璧

さらなる音質アップを実現

AVメニュー。MCCをはじめ豊富なソースに対応する

 AV面でのトピックはバイアンプモードの追加だ。「それってナニよ」って人のためにカンタンに説明すると、通常ナビが持つ4ch出力は前後左右のスピーカーに対して各1chずつを利用する。フロントドアにツイーターとウーハーが設置されている場合、1chを分岐させて使うことになる。

 これがバイアンプ接続では1つのスピーカーに対して1ch使えるようになる。例えばフロントドアのツイーターとウーハーで各1ch、それを左右で計4chって具合。例えばタイムアライメントを利用する場合、通常ではウーハーとツィーターを同じ数値にするしかなかったのが、バイアンプ接続では別々の数値を指定できるようになるので、音圧や距離をより明確に設定できる。この場合、リアスピーカーが使えなくなるのでサラウンド的な包まれ感はなくなってしまうものの、いわゆる前方定位の音場空間が手軽に楽しめるワケだ。

 対応ソースは、冒頭で書いたMCC以外は従来どおり。フルセグ地デジ放送をはじめ、最大1万2500曲の録音が可能なミュージックサーバー、CD/DVD、USB、SDメモリーカード、Bluetooth(A2DP、AVRCP)などなど。もちろんiPhone/iPodも接続可能だ。

新たにバイアンプ接続をサポート
音楽CDをHDDに録音できるミュージックサーバー
AM/FMチューナーも搭載
地デジは4チューナー×4アンテナで好感度
チャンネルごとの番組表
番組表は4チャンネル同時表示が可能
視聴しているチャンネルの番組表もある
番組内容の表示やデータ放送は上にあるサブメニューから選択
データ放送画面
さまざまな情報を表示することが可能

最強の名がふさわしいハイパフォーマンスモデル

 カロッツェリアにはボリュームゾーン向けの「楽ナビ」が用意されており、そちらも年々高機能化が進んでサイバーナビにどんどん迫ってきている状況。そんななかでの差別化のキーとなったのがMCC。これまで「ナビ好き向けの孤高の存在」だったサイバーナビだけれども、より裾野を広げようと一歩を踏み出したと言えるだろう。

 正直なところ、サイバーナビは機能面では検索、ルート探索、ルート案内、渋滞対応、そして精度と文句の付けようがない。今回は紹介していないけれど、ヘッドアップディスプレイを使った「AR HUDビュー」など、サイバーナビでしか楽しめない先進性も持っている。先代モデルからルート探索やスクロールといった面は高速化され、ほぼストレスを感じることがなくなっている点も大きい。機能面を重視するなら間違いなく購入リストの筆頭に挙げられるモデルだ。

【追記】地図更新の個所に、全データ更新について追記しました。

安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。