まるも亜希子の「寄り道日和」

ドライブ先で出会ったロマンティックなスポット

青い空、そびえる富士山、キラキラと湖面が光る芦ノ湖。この3つを独り占めできちゃう「箱根のぶらんこ」を初体験! 娘1人だとかなり余裕がありますが、これは大人2人乗りができるぶらんこだそうです。私の身長だと、ずり落ちそうにならないと地面を蹴ることができなかったので(笑)、誰かに後ろから押してもらうか、長身の男性と一緒ならスムーズにこげるのかなと思います

 全国各地をドライブしていると、よく見つけるのが「恋人の聖地」なるスポットですよね。とくに海辺や山の山頂など、景色のいい場所で見るのが、「幸せの鐘」。

 いちばん最初にドライブで行ったのは西伊豆の恋人岬で、もう30年くらい前になるでしょうか……(遠い目)。恋人と一緒に鳴らせば永遠の愛が約束されるという「ラブコールベル」という鐘があり、1人でも恋人の名前を呼びながら鳴らすと恋が成就するという話で、若い女子たちのグループもたくさん来ていた記憶があります。

 驚いたのは、2019年にグアムへ行った際に同じ「恋人岬」という名前の場所があり、なんと西伊豆の恋人岬と姉妹提携を結んでいたのです。その記念として、グアムから西伊豆の恋人岬に「金の鐘」が贈られ、今ではこちらが別名「幸せの鐘」と呼ばれているそう。グアムの鐘は家族3人で鳴らしてきたので、コロナ禍が落ち着いたあかつきには、あらためて西伊豆にも3人で行きたいなと、楽しみにしていることのひとつです。

 で、私はぜんぜん知らなかったんですが、実は「恋人の聖地」というのはNPO法人地域活性化支援センターが展開している、れっきとしたプロジェクトなんですね。少子化問題のひとつとして「非婚化・未婚化」の進行を食い止め、各地域の活動を通して結婚に対する明るい希望と空気を醸成していくことを目的として、2006年4月から全国のプロポーズにふさわしいロマンティックなスポットを「恋人の聖地」として選定しているんだそうです。いや~、そんな壮大なプロジェクトだったとは!

 今では日本全国に139か所(2019年1月1日現在、法人概要より)の恋人の聖地があるとのことで、まだまだ知らない場所がたくさんあるんだな~とビックリ。プロポーズにふさわしいとプロに認められた場所ということは、どこもかなり素敵な場所だと思うので、そのうちまた自由な旅行ができる世の中になったら、あちこちドライブで巡ってみたいなと思ったのでした。

 そして先日、仕事で久々に訪れた箱根で、ここも絶対プロポーズによさそう! という場所を発見。コロナ以前は多ければ週に3回くらいは仕事で来ていた箱根ですが、コロナ後はパッタリと行く機会がなくなり、約1年ぶりにアネスト岩田ターンパイクの終点・大観山を訪れたら、駐車場わきの芝生に「箱根のぶらんこ」なる絶景ぶらんこが出現していたのです。

 まだ真新しい、すべすべのヒノキでできた木製ぶらんこで、1人ではかなり大きいなーと思ったら、これは2人乗りぶらんこなんですね。脇に小さな立て看板があり、「大切な人と一緒にこの大観山で素敵な思い出を作って欲しい」という願いを込めて作られたのだとか。

 ちょうどお天気がよくて富士山がきれいに見える日で、娘と一緒に座ってみると、ぶらんこはその富士山に向かって突進していくように揺れるんです。芦ノ湖もチラリと見えて、娘は大興奮。ぶらんこが大きく揺れていくと、もう視界には空と富士山と芦ノ湖しか入らず、雄大な景色の中に浮遊しているような感覚。これはここでしかできない体験だと思いました。

 しかもこの箱根のぶらんこでは、箱根とバイクを愛するカップル1組に、ターンパイクでの結婚式をプレゼントする「結婚の絆プロジェクト」として、多数の応募から選ばれたライダーカップルが毎年1組、結婚式を挙げるというではないですか。2020年は残念ながらコロナ禍により中止となってしまったようですが、これはツーリングの名所でもある箱根・大観山にぴったりのプロジェクトですよね。

 富士山を独り占めできるような絶景ぶらんこは、たぶん日本で唯一。コロナ禍でちょっと疲れた心にも、すごくパワーがもらえました!

最近は千葉方面でのロケも多いのですが、あまりに頻繁に行くので素通りしてしまうことの多い、東京湾アクアラインの「海ほたるPA」にも、ラブパワースポットと呼ばれている「幸せの鐘」があります。確かに、360度ぐるりと海に囲まれているこの景色を、初めて見た時は大感動したものでした。もう24年も前になりますか……(再び遠い目)。初心を思い出すためにも、今回あらためて鳴らし、パワーをいただいてきました
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。