まるも亜希子の「寄り道日和」
ありがとう! メルセデス・ベンツ「Vクラス」
2021年3月11日 00:00
春は旅立ちの季節ですね。娘はこの春、ついに幼稚園を卒園し、4月からは小学生。と言うと、娘が生まれたころから知っている人たちはみんな「え~っ、もう?」と驚きますが、ええ、いちばん驚いているのは母親であるこの私。もう絶対、私のお腹には戻れない大きさなんですから……。
そしてわが家にとってはもう1つ、大きな別れがやってきました。なんとこの春、わが家は「ミニバンを卒業します!」
思えば娘が生まれる4か月前に、夫が乗っていたNCロードスターをいきなり売ってしまい、それを元手にエルグランドを買ってきたのがミニバンライフのスタートでした。
それまでスポーツカーしか乗ってこなかった夫と、2ドアクーペを愛していた私なので、どうなることやらと周囲から案じられましたが(とくに夫が)、意外やミニバンでのドライブも楽しく、娘が生まれてからはもう、「ミニバンでよかった~~」と思うことの連続。オムツ替えや授乳、着替えに大荷物の積み込みと、ミニバンに助けられながらの子育てだったと言ってもいいほどです。
ただ、当時は夫が86レースで全国を転戦していて、あっという間に走行距離が5万kmを超えてしまったため、値がつくうちにとエルグランドを里子に出し、次にやってきたのがメルセデス・ベンツのVクラス。2017年の春でした。
Vクラスにした決め手は、当時はまだアルファード/ヴェルファイアにも装備されていなかった全車速追従機能付きACCをはじめ、先進の運転支援技術が盛りだくさんだったこと。そして、高速道路を長時間走ることが多いわが家にとって、その快適性がズバ抜けてよかったことでした。
国産ミニバンよりかなり長い3200mmのロングホイールベースに、今では希少なFRレイアウト。走行状況に応じて減衰力を調整してくれるセレクティブダンピングシステム「アジリティコントロール」や、突然の横風でも「クロスウインドアシスト」が車体を制御してくれて、微塵も動じない頼もしさ。東京湾アクアラインの強風の中だって、安心して走れたのはさすがVクラスだなと、いつも感心していましたね。
ただ、エルグランドの至れり尽くせりな装備に慣れてしまった身には、スマートキーがないのでいちいち鍵をバッグから出すのが面倒だし、スライドドアもエルグランドは指1本で開閉できたのに、外からはグリップを握らないと開けられないのが不便で不便で。
あげくに、夫は脱着式の3列目シートを外そうとしてギックリ腰をやりそうになり、外したら今度はなかなか装着できなくなり、徹夜してようやく元に戻す始末。「もう2度とシートなんか外さないからなっ!」と激オコだったのでした(笑)。シートにはオットマンも中折れ機能もないし、テーブルもドリンクホルダーもついてないし、やっぱり、こうした室内のおもてなし装備は国産ミニバンが世界一だなぁと、身をもって実感させられました。
そんなわが家の中で、Vクラスを誰より気に入っていたのは娘ですね。車高が高く、窓も大きいので景色がよく見えるし、夫がオートバックスでオーダーメイドした真っ赤なシートカバーも好みだったみたい。何より、Vクラスでいろんなところに行った思い出や、ジィジ&バァバと一緒にワイワイと旅行に行ったのも楽しかったんだと思います。
でも昨年の春に今の家に引越しをしてから、周辺の道が極端に狭くなってしまい、めっきりと出番が少なくなってしまったVクラス。娘の成長とともにスライドドアや天井の高い室内があんまり必要がなくなったのも、出番が減った一因でしょうね。しかも、昨年11月には新型レヴォーグがやってきて、さらにVクラスはじーっと車庫に眠っていることが多くなってしまいました。
それでもたま~に乗ると、ホッと癒されるVクラスは「やっぱりいいな~」と思う存在。手放すのは寂しいし、娘が「絶対売っちゃダメ!」と反対していたんですが、乗らないクルマをずっと持っているほどの余裕もなく、ついに別れの時がやってきてしまったのです。
しんみりと別れを惜しもうと思っていたのに、「明日引き取ってもらうことになったよ」と夫に言われて、えっそうなの、なんて思っているうちに行ってしまったVクラス。今まで本当にありがとう。新しい家族と出会って、またたくさんの笑顔を作ってあげてほしいなと願っています。