まるも亜希子の「寄り道日和」
わが家にやってきたスカイラインクーペ
2021年4月22日 00:00
火種となってしまたのは、私の何気ないひと言でした。物忘れがどんどんひどくなり、愛車のキーを探しまわったり、約束の時間をすっぽかしたりする夫に心配半分、怒り半分だったもので、冗談まじりに「左ハンドルのマニュアル車でも乗ったら、頭の老化防止にもいいんじゃない」と言ったのです。ちょっとイヤミも入ってたかもしれません(笑)
すると夫はそんなイヤミには気付かず、すぐさま「確かに!」と食いつき、左ハンドル/MTの中古車を検索し始めたんですね。アバルト595がいいかな~、TTロードスターもあるじゃん、なんて最初は輸入車を物色してたので、私も久しぶりにちょっと元気なマニュアルの輸入車に乗りたくなり、静観することにしたのです。
数日経って、「なんかいいのあった?」と聞いてみると、なにやら夫はモゴモゴと言いにくそうにしています。「実はコレにしようかと思ってるんだけどさ」と見せられた写真に、私はア然。
スカイラインクーペ?? は? どこが左ハンドルなんでしょうか??
すると夫は「いや~、頭の体操ならドリフトやる方がいいと思ってさ。今、スカイラインクーペのMT車でドリフトやるのが流行り始めてるらしいんだ」とケロリ。実はもうお目当の個体を見つけていて、何度かその中古車屋さんにも足を運んでいるとのこと。
なるほど、私が原稿の締め切りに追われている時、娘とドライブに行くなんてルンルンと出かけて行った目的は、それだったのか、まったく。
というわけで、私が思い描いていた元気な輸入車との生活とはかなり違った方向へ行きましたが(笑)、わが家にやってきたニューフェイスは、CKV36型と呼ばれるスカイラインクーペの6速マニュアル。でももともとは、私も2+2シーターのクーペを5台も乗り継いだ、クーペ大好き人間なわけですから、反対する理由もなかったのであります。
ただ、納車後の最初の休日。いつもはお昼まで寝ている夫が珍しく早起きし、どこかへ出ていったなぁとは思っていたんです。でもなんか様子がヘンだぞ~と玄関を開けてビックリ。玄関ポーチにスカイラインクーペの運転席は転がってるわ、ハンドルも置いてあるわ、足の踏み場もない修羅場と化しているではないですか。
ということは? と慌ててスカイラインクーペの室内を見たら、ゲーッ、すっかりがらんどう! ハンドルもシートも付いてない運転席って、初めて見たんですけど。しかも私、1時間後にあなたと出かける約束してましたよね? 「あ、ごめんごめん、すっかり忘れてた。じゃあ急いでBRIDEのバケットシート取り付けるから、ちょっと手伝ってくれる?」と夫。その場で即席のアシスタントにさせられ、ボルトを締めたりシートレールを押さえたりと、いいようにコキ使われた私でした。
っていうか、当初の目的だった物忘れのひどさ、ちゃんと改善させてくださいよっ。
これからしばらくは、こんな休日が続くような予感でいっぱいですが、ひとまず久々に聴いた3.7リッター V6エンジンのフォンッというサウンドは、いい時代を思い出させてくれる哀愁がありました。ドリフトが頭の老化防止に効果があるのかどうかは、またあらためてレポートしたいと思います。