イベントレポート

【ジュネーブショー 2018】米グッドイヤー、サイドウォール内に苔を生息させるコンセプトタイヤ「Oxygene」公開

トレッドから水分とCO2を吸収して苔が光合成で発生した酸素を放出。発電やLiFi機能も搭載

2018年3月6日(現地時間)発表

サイドウォール内に苔が生息するコンセプトタイヤ「Oxygene」

 米グッドイヤーは、スイス ジュネーブで開催されている「第88回 ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:3月6日~7日、一般公開日:3月8日~18日)で、コンセプトタイヤ「Oxygene(オキシジェン)」を発表した。

 オキシジェンは、サイドウォール内に苔が生息するユニークな構造。独自のトレッドを通して路面から水分を吸収するととともに、空気中のCO2を取り込み、サイドウォールに生息させた苔の光合成を促すことで酸素を放出。約250万台の車両が保有されるパリと同規模の都市では、これにより年間約3000tの酸素を生成し、年間4000t以上のCO2を吸収することになるという。

 また、オキシジェンは、リサイクルタイヤのゴムパウダーを3D印刷した軽量かつ衝撃吸収性のある非空気圧構造を採用し、高い耐久性、寿命を延ばすためのパンクフリーソリューション、最小限のメンテナンスを実現。トレッドから水分を吸収することでウェットグリップ性能を向上させている。

独特なデザインのトレッドから路面の水分を吸収してウェットグリップ性能を向上。空気中のCO2を取り込んでサイドウォール内の苔の光合成を促すとともに、酸素を放出する機能も備えている

 さらに、光合成で発生するエネルギーを取り込み、オンボードセンサー、人工知能処理装置、サイドウォールにあるカスタマイズ可能なストリップライトなどの内蔵電子機器に自家発電により電力を供給。ストリップライトは、車線変更やブレーキングの際に、色の変化によって道路利用者や歩行者に注意を促すことができる。

 加えて、可視光通信システム(LiFi)を使用して、光速で大容量のモバイル接続を実現。LiFiを使用することでタイヤがインターネットに接続(IoT)できるようになり、モビリティ管理システムにとって重要な車両間(V2V)および車両とインフラ間(V2I)でのデータ交換が可能になるとした。

編集部:北村友里恵