イベントレポート

【ジュネーブショー 2018】米グッドイヤー、EVの性能を向上する新技術「Electric Drive Technology」搭載の試作タイヤ「EfficientGrip Performance」

2019年までに導入を目指す

2018年3月6日(現地時間)発表

新技術「Electric Drive Technology」(電気駆動技術)搭載の試作タイヤ「EfficientGrip Performance」。2019年までに市場導入することが予告されている

 米グッドイヤーは、スイス ジュネーブで開催されている「第88回 ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:3月6日~7日、一般公開日:3月8日~18日)で、新技術「Electric Drive Technology」(電気駆動技術)搭載の試作タイヤ「EfficientGrip Performance」(エフィシェントグリップ パフォーマンス)を披露した。

 EfficientGrip Performanceは、トルクフルで重いEV(電気自動車)におけるタイヤの耐久性と転がり抵抗の低減、静粛性と乗り心地の向上という課題に対処するため、新技術となるElectric Drive Technologyを採用。

 トレッドの細いサイプで従来よりも路面に対して横方向に広い面積でトレッドゴムの接触を可能にし、濡れた路面での高いグリップ性能を維持しながら高いレベルのトルクを実現。音波がトレッドの溝に入るのを防ぐ設計とすることで、タイヤの車内音および通過ノイズを低減する。

 また、タイヤの空洞形状は、高性能を実現するために最適なトレッド接地形状を維持しながら、バッテリーによる車両への付加重量に対応できるように最適化。

 トレッドコンパウンドの材料特性を超低転がり抵抗実現のために調整し、高レベルのトルクに対応しつつ、車両の走行可能距離の延長に寄与。さらに、サイドウォールは空気力学的抵抗を低減するように設計されており、プロファイルは回転質量を低減し、結果としてエネルギー消費を低減するという。

トレッドの細いサイプがこれまでのタイヤよりも広い面積でトレッドゴムの接触を可能にし、ウェット性能や静音性などを高めている

 なお、グッドイヤーは、センサーを搭載して継続的な接続とリアルタイムのデータ共有を可能にする、インテリジェントタイヤのプロトタイプも展示。

 このインテリジェントタイヤのプロトタイプは、車両およびサードパーティの情報とともに、グッドイヤーの独自アルゴリズムにリアルタイムデータを提供。このアルゴリズムにより、摩耗、温度、圧力を含むタイヤのIDと状態に関する情報が継続的に更新され、モバイルアプリを通じてフリート・オペレーターと共有されるという。

タイヤにセンサーを搭載して、摩耗、温度、圧力といったデータの共有を可能にするインテリジェントタイヤのプロトタイプ

編集部:北村友里恵