東京オートサロン 2019

【東京オートサロン 2019】無限はサーキット向けとストリート向けの「シビック TYPE R」カスタムモデル展示

スーパーフォーミュラ2018年シーズンのチャンピオンカーも

2019年1月11日~13日 開催(最終日は18時まで)

入場料:特別入場券3500円、大人一般入場券2500円、中・高校生一般入場券1800円(全日とも保護者同伴に限り小学生以下無料)

東京オートサロン 2019の無限ブースで展示された「CIVIC TYPE R MUGEN RC20GT Package Pre Production MODEL」

 無限(M-TEC)は、1月11日~13日まで幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催されている「東京オートサロン 2019」に出展し、2台の「シビック TYPE R」に加えて、山本尚貴選手を擁して昨シーズンのスーパーフォーミュラを征したTEAM MUGEN 16号車やSUPER GTマシンなどを展示している。

 無限ブースで最大の注目を集めていたのが、内外装や機関系共に同社の最新技術を取り入れてカスタマイズとチューニングを施した「CIVIC TYPE R MUGEN RC20GT Package Pre Production MODEL」になる。

 フロントリップスポイラーやサイドスポイラー、リアバンパー、リアウイングなどの外装パーツはすべてドライカーボン製で、CFDによる流体解析によって徹底的に空力特性を高めている。エンジンはクリアランス調整やバランス取りが施されていて、排気ラインにはセンター1本出しとなるマフラーを装備。このマフラーはチタン製となっていて、純正に対して約15kgの軽量化を図っているそうだ。

MUGEN RC20GTは専用のエアロパーツを装着し、純正状態のシビック TYPE Rから大きな意匠チェンジを行なっている。どのアイテムも空力特性を意識した作りで、実際の走行テストでも効果を確認している。機関系もエンジンはバランス取りやクリアランス調整が施され、徹底したフリクションロスを実現

 サスペンションは減衰力の伸縮別調整となるZF製で、フロントキャンバーの調整も可能となっている。ブレーキは、GT3マシンにも使われているブレンボ製の6ピストン鍛造キャリパーをMUGEN RC20GT用に専用でセットアップ。ホイールは鍛造の20インチを装着している。

 インテリアに目を移すと、専用デザインを施したフルバケットシートやドライカーボンを使用した専用ステアリングホイール、シリコン製のシフトノブなどがオリジナルのアイテムとなる。MUGEN RC20GTは、コンプリートカーではなく専用パーツをパッケージとして販売することを検討しているそうだ。2019年夏には市販化が予定されているそうで、究極のシビック TYPE Rの登場と言える。

足まわりのセットアップはサーキット走行を想定したもので、GT3マシンのノウハウが取り入れられている。MUGEN RC20GTは、パーツをパッケージングで販売することを検討しているそうだ
筑波サーキットでのタイムアタックでは、純正に対して1.412秒のタイムアップを実現している
「MUGEN CIVIC TYPE R Prototype」

 そして、もう1台のシビック TYPE Rが「MUGEN CIVIC TYPE R Prototype」になる。サーキットでのタイムアタックやスポーツ走行がメインとなるMUGEN RC20GTに対して、こちらはストリートも想定した仕上がりとなっている。

 エクステリアは、ドライカーボン製のカーボングリルガーニッシュとFRP製のフロントバンパーガーニッシュ、ボンネットエアインレット、リアウイングなどを装着。フロントリップスポイラーとサイドガーニッシュ、リアアンダースポイラーは真空成型のPPE製となる。MUGEN RC20GTに比べると落ち着いた出で立ちだが、こちらも空力特性を重視したデザインとなっている。

MUGEN CIVIC TYPE R Prototypeは、ストリートでの使用も想定したライトチューンが施されている。純正状態のシビック TYPE Rをより楽しむための多彩なアイテムが装着されていて、オーナーの参考になるモデルと言える

 排気系にはチタンとステンレスを融合させたデュアルフィニッシュのマフラーを装備。ブレーキはローターがフローティング構造の2ピースに交換され、ブレーキパッドも専用品がセットされる。ホイールは20インチの鍛造モデルとなる。

 インテリアでは、新デザインを採用したフルバケットシートにレザーのシフトノブ、ショートストローク化したクイックシフターなどを採用している。サーキットスペックのMUGEN RC20GTと比較すれば落ち着いた印象を受けるが、それでも無限のノウハウが惜しみなく投入されていて、カスタマイズ意欲が沸く1台となっている。

レッド塗装のブレンボ製ブレーキキャリパーを装着
MUGEN CIVIC TYPE R Prototypeのインテリア
「MUGEN CR-V」も内外装や機能系パーツに手を入れている。外装は、フロント、サイド、リアの各スポイラーとウイングがMUGENのオリジナルアイテムで、スポーツエキゾーストシステムも装着。こちらは2019年4月下旬の発売を予定しているパーツとなる。ホイールは19インチの専用品で、インテリアはスポーツマットや無限のロゴが入ったスタータースイッチなどでカスタマイズしている
「MUGEN INSIGHT」は、真空成型ABS製のフロントグリルガーニッシュ、フロントアンダースポイラー、サイドガーニッシュ、リアアンダースポイラー、FRP製のエアスポイラー、ドライカーボン製のドアミラーカバーなどで外装をコーディネート。機能系ではスポーツエキゾーストシステムを装備する。ホイールは18インチで、カラーはブラッククリアミラーフェイスとなる
シビック TYPE Rなどの市販モデルのほかに、2018年シーズンのスーパーフォーミュラのチャンピオンカーとなる16号車をはじめ、レッドブルカラーをまとった15号車、SUPER GTマシン、マン島TTレースで活躍した電動バイクなども飾られている

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。