人とくるまのテクノロジー展 2023

三菱自動車、新中期経営計画「Challenge 2025」に基づく“三菱自動車らしさ”を構成する技術紹介

2023年5月24日~26日 開催

入場無料(登録制)

2022年のアジアクロスカントリーラリーで優勝した「トライトン」(レプリカ)を展示する三菱自動車工業ブース

 神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」が5月24日~26日の会期で行なわれている。入場料は無料(登録制)。

 三菱自動車工業ブースでは、2022年のアジアクロスカントリーラリーで優勝した「トライトン」(レプリカ)を展示するとともに、「電動化技術」「四輪制御技術」「耐久信頼性技術」「快適性技術」「安全技術」という5項目の技術開発の方向性を技術ポスターで紹介している。

トライトン

 同社は3月に2023年~2025年にかけての新中期経営計画「Challenge 2025」を発表。Challenge 2025における主要な3つの挑戦として「絶対的安定収益基盤の確立・強化」「カーボンニュートラル対応促進」「デジタル化推進・新ビジネス領域への進出」の3点を掲げている。

 安定収益基盤確立に向けた挑戦としては世界市場を3つに分類し、各地域の役割を明確化した上で収益基盤の確立強化を図る。カーボンニュートラル対応の促進では、新中期経営計画以降の電動化加速フェーズに向けた電動車開発とアライアンスとの連携力強化に取り組む。デジタル化推進と新事業への取り組みについては社内ITインフラの刷新、デジタル人材育成など社内基盤整備を進めつつ、エネルギーマネジメントや廃バッテリの利活用、車両データ外販といった自動車メーカーならではの新ビジネス基盤を整備するという。

 また、ユーザーに三菱自動車の商品を選んでもらうためには「三菱自動車らしさ」を磨きあげ、マーケットに適切な形で訴求し、ユーザーに理解と共感をしてもらう必要があるとしており、そこで三菱自動車らしさを「『環境×安全・安心・快適』を実現する技術に裏付けられた信頼感により『冒険心』を呼び覚ます心豊かなモビリティライフをお客さまに提供すること」と定義。今後の導入する商品はこの「三菱自動車らしさ」を具現化し、ユーザーの期待に応えるべく開発を進めていくと説明している。

 この「三菱自動車らしさ」の構成技術として「電動化技術」「四輪制御技術」「耐久信頼性技術」「快適性技術」を掲げており、人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMAの会場ではこれに「安全技術」も加えて紹介を行なっている。

ブランドメッセージや「三菱自動車らしさ」について

「三菱自動車らしさ」を支える5つの技術ポイントについては以下のとおりだが、詳細は技術説明員が解説してくれるので、三菱自動車の“今”と“これから”を知りたい方はブースに立ち寄ってみてほしい。

電動化技術

 2050年のカーボンニュートラル実現を見据え、走行中に加えて、燃料/電力の製造、クルマの製造、廃却まで含めたLCA(Life cycle Assessment)の考え方で、CO2排出量低減に有効なPHEV(プラグインハイブリッドEV)を電動化のコア技術とし、世界各地の地域事情や顧客ニーズに応じてPHEV技術を活用したHEVやBEVを提供。環境性能、EV性能に加えて、三菱自動車らしい操縦安定性と走破性にこだわったPHEV技術を強化していくことを紹介している。

四輪制御技術

 三菱自動車独自の四輪制御技術は、四輪のタイヤの能力をバランス良く最大限に引き出し、どんな場面でも”意のままの操縦性”と”卓越した安定性”を実現する技術で、Response「人の感覚に遅れない応答」、Linearity「人のイメージに合う動き」、Resilience「レスポンスとリニアリティを損なうことなくドライバーの要求操作に粘り強く応答する」の3点に注目して開発していることを紹介。

耐久信頼性技術

 新型車開発やモータースポーツ活動を通して世界のあらゆる路面と環境で培った設計思想で、三菱自動車が遭遇するどんな環境においても無事に帰ることができる頑丈なクルマを目指して開発。三菱自動車は愛知県岡崎市の技術センターや北海道東部の音更町にある十勝研究所に、世界の厳しい自然環境や路面を再現したコースや試験設備を有しており、こうした環境下で過酷な試験を行ない、そのフィードバックを設計に活かしていることを紹介する。

快適性技術

 家族や仲間と共に、刺激的で愉しい時間を過ごしたくなる車内空間となるよう、日々進化するIT技術を活用した運転サポートや、音響、おもてなし機能をはじめ、空調や日射コントロールなどにより、心地よい車内環境を提供していることを紹介している。

安全技術

 三菱自動車の製品開発においては、事故ゼロのクルマ社会を目指す安全理念のもと、安全技術の考え方として交通事故を未然に防止する技術(予防安全)、交通事故による被害を軽減する技術(衝突安全)、工業製品としてハードウェア、ソフトウェア両面から想定される危険の回避(製品基本安全)の3つの自動車安全フレームワークを策定して取り組んでいることを紹介。

編集部:小林 隆