イベントレポート

【ジュネーブショー 2019】電動化を進めるアウディは「Q4 e-tron concept」など2020年までに市販化予定のEVを公開

2019年3月5日~17日(現地時間)開催

Palexpo

Q4 e-tron コンセプト

 独アウディ AGは3月5日(現地時間)、2020年下半期に生産が開始されるという「Q4 e-tron コンセプト」「e-tron GT コンセプト」など、電動化に向けたEV(電気自動車)を「ジュネーブモーターショー 2019」で公開した。

「the change next」のテーマを用いたアウディブースに展示された車両は、すべてがEVかプラグインハイブリッドとなっていて、ブランドマネージメントを統括するブラム・スコット氏は、「アウディはプレミアムブランドの中でEモビリティにおけるナンバーワンを目指していく」と語っていた。

 Q4 e-tron コンセプトのボディサイズは、4590×1900×1610mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2770mm。将来“フォルクスワーゲングループが製造する数多くのEVに採用される予定”という「モジュラーエレクトリフィケーションプラットフォーム(MEB)」をベースに、82kWhの大容量バッテリーを前後アクスル間のフロア下のほぼすべてのスペースに搭載。最大125kWで充電可能で、80%までの充電にかかる時間は30分以下となる。

 車両前後に2基の電気モーターを搭載し、フロントの電気モーターは75kWの出力と、150Nmのトルクを、リヤの電気モーターは150kWの出力と310Nmのトルクをそれぞれ発生させ、システム出力は225kW。4WDの“quattro”システムを採用し、0-100km/h加速は6.3秒、最高速は180km/h(電子リミッター作動)、WLTPサイクルでの航続距離は450kmを超えるという。

 エクステリアではアウディ初のEV「e-tron」と同じ、幅広く、ほぼ垂直に設置された八角形のシングルフレームグリルを装着。有機的で流れるようなデザインを備えたワイドなフェンダーは4つのホイールを強調し、未来のアウディモデルに採用されるデザイン言語を表現した。

 インテリアでは、上部を暖色系の明るい色を基調にする一方で、フロアには暗色系のカーペットを採用し、広々とした感覚を演出。センターコンソール上の中央部分には、インフォテインメントや車両の機能を表示・操作するための、12.3インチ タッチスクリーンを設置するほか、ターンインジケーターなどの重要なグラフィック情報を、車両前方の道路上に浮かんでいるように投影できるAR(拡張現実)機能を備えた大型ヘッドアップディスプレイを新しく採用した。

Q4 e-tron コンセプト
Q4 e-tron コンセプト
Q4 e-tron コンセプト

 このほかにもブースでは、2019年後半に発表されるという「e-tron Sportback」や、2020年下半期に市販版の発表を予定しているAudi Sport GmbHが開発中の4ドア ハイパフォーマンスクーペ「e-tron GT」のコンセプトモデル、プラグインハイブリッドモデルなどが展示されている。

行なわれたプレスカンファレンスで「e-tron Sportback」「e-tron GT コンセプト」がアンベールされた
e-tron Sportback
e-tron Sportback
e-tron GT コンセプト
プラグインハイブリッドモデルも公開
A7 55 TFSIe quattro
Q5 55 TFSIe quattro
A6L 55 TFSIe quattro

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。