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独アウディ、4ドアクーペEV「e-tron GT concept」をLAオートショー 2018で初公開

量産モデルの初回デリバリーは2021年初頭を予定

2018年11月28日(現地時間)発表

アウディの4ドアクーペEV(電気自動車)コンセプトカー「e-tron GT concept」

 独アウディは11月28日(現地時間)、「LAオートショー 2018(LOS ANGELES AUTO SHOW)」の会場で4ドアクーペEV(電気自動車)のコンセプトカー「e-tron GT concept」を初公開した。このコンセプトカーをベースとした量産モデルは2020年末までに登場し、初回デリバリーは2021年初頭に行なわれる予定とのこと。

 すでに生産を開始しているSUVの「e-tron」、2019年に登場予定の「e-tron Sportback」に続く3番目のモデルに位置付けられるe-tron GT conceptは、フラットなフロアアーキテクチャーにより、エキサイティングなプロポーションと低い重心を特徴とするEVの4ドアグランツーリスモ。4960×1960×1380mm(全長×全幅×全高)というフラットでワイドなボディは、カーボン製ルーフや数多くのアルミニウム製コンポーネント、高強度鋼で製造されたサポートエレメントなどによって構成し、軽量化を追求。なお、このテクノロジーはポルシェと密接な協力によって開発されたものとのこと。

e-tron GT concept。ボディカラーは暖色系のダークカラーである「キネティックダスト」
ドライバーを出迎える「アニメーション機能」を組み込み、「レーザーハイビーム」も備えた「マトリクスLEDヘッドライト」を採用
ボディサイズは4960×1960×1380mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2900mm

 パワートレーンとしては前後アクスルに個別のPMモーター(永久磁石式同期電動機)を搭載し、システム出力として最高出力434kW(590HP)を発生。駆動トルクはトルクベクタリング付きの“クワトロ”フルタイム4WDシステムを介して4輪に伝達され、5本ツインスポークデザインのホイールに組み合わせる285/30サイズの22インチタイヤから路面に伝えられる。

 最高速は航続距離を最大化するため240km/hに制限されるが、将来的に0-100km/h加速を約3.5秒、0-200km/h加速を12秒で実現するという。また、通常のEVが熱の問題で出力が制限されるような状況でも、e-tron GT conceptは洗練された冷却システムによってモーターとバッテリーのポテンシャルをフルに発揮させることが可能となっており、フル加速を連続して繰り返し行なえるポテンシャルを秘めている点が多くのライバルと一線を画すアピールポイントになるという。

フロア下にレイアウトしたリチウムイオンバッテリーから電力供給され、前後に搭載したPMモーターでシステム合計434kW(590HP)を発生。トルクベクタリング付きの4WDシステムも活用して高いコーナーリング性能を実現する

 90kWh以上の容量を備えるリチウムイオンバッテリーは、フロントアクスル~リアアクスル間のフロア下全体にフラットに設置され、航続距離は新しいWLTPモードで400km以上。さらにこのデザインによってミッドシップスポーツカーの「R8」に匹敵する低い重心位置が実現され、4輪操舵システムと組み合わせることによって非常に優れたコーナーリング性能、スポーツカーのような俊敏性などを可能にする。

 充電は左フロントフェンダーに設定する充電ポートに加え、非接触充電の「アウディワイヤレスチャージング」に対応。駐車フロアに1次コイルを備えた充電パッドを施設し、11kWの充電出力で非接触充電を行う場合、e-tron GT conceptをひと晩でフル充電することが可能になっている。また、ケーブル接続による充電では800Vの充電システムまで対応しており、800Vでの80%充電に必要な時間は約20分としている。

メーターパネルやセンターコンソールなどにさまざまな表示に対応するディスプレイを設定。表示やレイアウトの変更は触感フィードバックを備えたタッチスクリーンで行なう
インテリア素材はすべて植物由来の材料で構成。リサイクル繊維のファブリック、使用済みの漁網を利用した再生ナイロンなど、持続可能な素材を積極的に採用している
e-tron GT conceptのイメージスケッチ