イベントレポート
コペン開発のキーマンに「ビジョン コペン」について聞く 軽さにこだわりトランスミッション、エンジンはどうなる?
2023年10月25日 14:16
- 一般公開日:2023年10月28日~11月5日
- 入場料:1500円~4000円
10月25日、「ジャパンモビリティショー2023」(一般公開日:10月28日~11月5日、場所:東京ビッグサイト)が開幕した。本稿では東展示場棟1階 1~3ホールにあるダイハツ工業ブースに展示された「ビジョン コペン(VISION COPEN)」を紹介する。
ダイハツブースの中心に置かれたビジョン コペンはひと際目立つ存在だ。ただ、展示車のまわりはスペックを記載したボードなどはない。そこでクルマのまわりを見てみると、コペンのキーマンとも言えるダイハツの相原泰祐氏と殿村裕一氏がいたので、ビジョン コペンについて聞いた。
まず第一にビジョン コペンはその名前から分かるようコンセプトカーである。現状で発売するかは決まっていないというクルマだ。ただ、ビジョン コペンを眺めてみると雰囲気はコンセプトカーというより開発車両という感じがあったし、ビジョン コペンのまわりだけに相原氏、殿村氏のほか、車両開発に携わるダイハツ社員がいたことから、このクルマが今回の展示車の中でも特別なモデルというのが伝わってきた。
では、現状で聞けた情報を紹介していこう。開発テーマは「走る喜びを追求する」ということ。そしてダイハツが現在取り組んでいる「モータースポーツを起点とした、もっと良いクルマ作り」の知見を生かすことを使命としているとのこと。
エクステリアデザインは初代コペンをイメージさせるものだが、時代の変化もあるので各部は現代風にアレンジされている。形状的に分かりやすいのがリアまわりのデザイン。初代コペンはリアまわりが丸く処理されていたので空力的な弱さもあったそうだが、今回のモデルはリアのデザインでダウンフォースが得られる形状としている。
また、駆動方式をFRとしているのと、サイズ的な規制があった軽自動車ではないことから、前後ともにフェンダーをワイド化するとともに、フロントは横から見た際にクルマが薄く見えるようにデザイン。リアは張り出しを大きくしてFRスポーツカーらしい意匠とした。
サスペンションの形式も聞いてみたところ、具体的な名称は出なかったが「フロントはちょっとぶつけてもアライメントが取りやすいもの。対してリアは路面に追従するということを狙った作りを求めていく」という。その結果、どの形状のサスペンションになるかが決まってくるそうだ。
アルミホイールについても聞いてみた。ダイハツ車では4穴のホイールを使用しているが、ビジョン コペンではどうなるか? という問いに対して「まだ決まってはいませんが」と前置きしたあと「バネ下を重くしたくないので現状は4穴で考えている」とのことだった。
次に多くの人が気になっているであろうトランスミッションの話。事前に公開された写真ではATらしいシフトレバーが映っていた。そして展示車を見ると2ペダルだった。それだけにMTは設定されないのかとも思ったが、「MTも含めて検討しています」という答えだった。
また、事前資料では搭載するエンジンはCN(カーボンニュートラル)燃料の使用も見据えた1.3リッターのガソリンエンジンであったが、こちらも仮に積んだものだという。つまり展示車はほぼ暫定仕様ということだ。
ただ、1つはっきり言ったことがある。それが「軽量であることにこだわる」であった。この目標があるゆえにハイブリッドやEV(電気自動車)ではないとのことだ。
最後に開発陣から言われたのが「ビジョン コペンの市販化については皆さまからの応援の声をいただくことがとても大事です。実は初代コペンもコンセプトカーとしてお披露目させていただいたあと、皆さまから発売を期待するお声をとてもたくさんいただきました。そしてその声により実際に発売することができたのです。今回のクルマも皆さまに見ていただくだけでなく、感想を投票できるように投票用のタブレットを置く予定です。来場される方はダイハツブースにお立ち寄りいただき、こちらの投票もぜひよろしくお願いします」とのことだった。