イベントレポート

横浜ゴム、カーボンニュートラル技術によって開発・製造された各種タイヤを展示

2025年10月29日~11月9日 開催
「持続可能な社会に向けたヨコハマの挑戦」をテーマにした横浜ゴムのブース

 横浜ゴムはジャパンモビリティショー2025(東京ビッグサイト、プレスデー:10月29日~30日/一般公開日:10月31日~11月9日)に出展し、「持続可能な社会に向けたヨコハマの挑戦」をテーマにした展示を行なっている。

 展示されている製品は、いずれもこれまでの石油由来の原料に依存せず、CO2削減に貢献するカーボンニュートラル技術によって開発・製造されたもの。

 9月に発売されたばかりの乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD 8(アイスガード エイト)」には天然由来の吸水素材「水膜バスター」を配合した新開発のコンパウンド使用されており、タイヤはもちろんシャーレに入った「水膜バスター」そのものも展示されている。

 また、横浜ゴムが取り組んでいる自然由来の原料からゴムを生成する研究開発を展示。ゴムの原料として利用できるブタジエンをバイオマスから生成する世界初の新技術を紹介している。ブースではブタジエンを原料とするブタジエンゴムも合わせて展示されている。

天然由来の吸水素材「水膜バスター」を配合した新開発のコンパウンド使用されているスタッドレスタイヤ「iceGUARD8」
吸水素材「水膜バスター」
横浜ゴムが世界初の新技術で生成した原料から生まれた自然由来のゴム「ブタジエンゴム」

 モータースポーツの世界からは全日本スーパーフォーミュラ選手権に供給されているADVANのレーシングタイヤを展示。国内最高峰のフォーミュラマシンの足下を支えるこのタイヤは再生可能原料・リサイクル原料比率が46%と高く、展示ブースでは乗車体験もできる実際のフォーミュラカーSF23も展示している。

横浜ゴムがタイヤの供給を行う全日本スーパーフォーミュラ選手権のマシンSF23

 オフロードタイヤは、世界初の水素燃料によるモータースポーツ「FIA Extreme H World Cup」に供給された「GEOLANDER X-AT」プロトタイプ仕様を展示。こちらは再生可能原料・リサイクル原料比率38%を実現しながら、オフロードレースで求められる耐久力を高めているとのこと。

全日本スーパーフォーミュラ選手権に供給されるタイヤ(左)とFIA Extreme H World Cupに供給されたGEOLANDER X-AT(プロトタイプ)(右)

 ウインタータイヤの「iceGUARD」、ヨコハマのモータースポーツを支えてきた「ADVAN」、オフロードタイヤの「GEOLANDER」。それぞれのシーンに向けたサステナブルな取り組みによる製品のほか、現在開発中の製品として高い走行性能を誇るプレミアムタイヤ「ADVAN Sport V107」のコンセプトタイヤも展示している。こちらの再生可能原料・リサイクル原料比率は80%と高く、軽量化、ウエットグリップ性能の向上、転がり抵抗の低減を実現したもので、初披露となる。

「ADVAN Sport V107」のコンセプトタイヤ

 横浜ゴムのブースでは年々アップデートされるものの見た目にその進化がわかりにくいタイヤに込められた最新テクノロジーがブース全体で丁寧に解説されている。

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員