イベントレポート
ヴァレオと市光、次世代ステアリング「ヴァレオ・ステアUX」や「車載XRゲーム」、小型モビリティ向け「48Vシステム」、「ライティング技術」など展示
2025年11月3日 15:51
- 2025年10月31日~11月9日 一般公開
ジャパンモビリティショー2025(一般公開日:10月31日~11月9日)が東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されている。ヴァレオと市光工業は共同出展し、ヴァレオはソフトウェアとAI、電動化ソリューション、市光工業は次世代のライティング・ソリューションを展示している。
ソフトウェア自体をサービスとして提供するバレオアンサー
10月30日に行なわれたプレスカンファレンスでは、ヴァレオジャパン代表取締役社長 アレクサンドル・ギアー氏が、今年は日本進出40周年であり、「市光工業とともに、スマートなテクノロジにより、スマートなモビリティを目指している」として、今回のソフトウェアや電動化の最新技術を展示した内容を説明した。
ソフトウェア自体をサービスとして提供する「Valeo anSWer(ヴァレオ・アンサー)」ではSDV(ソフトウェアディファインドビークル)時代の鍵として、ユーザー機能からヴァレオのOSである「vOS」、ミドルウェア、デジタルテスト、クラウドネイティブ開発環境まで、完全なソフトウェアソリューションとエコシステム統合を含んでいるという。
そのうち、自動車向けのクロス・リアリティ(XR)を活用したビデオゲームとして初の試みとなるヴァレオ・レーサーで、車両のWi-Fiに接続されたスマートフォンやタブレット上で実際の道路をゲームのシーンに取り込んでプレイできる。搭載車両はアジアの自動車メーカーから2026年第1四半期に発表される予定だという。
リモートアシスタントのためのソリューションは「ヴァレオ・アシストXR」で、緊急時の通報において平常心で伝えにくい場合に、AIとクラウドを活用してリアルタイムのデータを収集し、オペレーターが効率的にサービスサポートできるようアシストする。
さらに、次世代のステアリングホイールである「ヴァレオ・ステアUX」は、ステア・バイ・ワイヤ技術によってステアリングホイール全体をインタラクティブな操作エリアへと変化させるという。各種センサーの付いたスイッチと必要時だけ表示するアイコンで、ドライバーは注意をそらすことなく操作できるもの。自動運転時にはゲームのコントローラになったり、仮想キーボードを使ってメール作成もできる。
小型モビリティの48Vシステム
電動化ソリューションでは48Vシステムを展示。小型モビリティ向けで、統合型パワートレーンは3~4輪向けの新型「eAccess」と、2輪向けの「iSMMG」があり、2輪向けiSMMGはシステム効率が90%超の2in1となる。
ブースに展示しているゴルフカートには新型「eAccess」を搭載していて、後ろからボディ下部をのぞき込むと搭載位置が分かる。
市光は2万ピクセル分割の「HDライティング」を展示
ライティングについては市光工業 代表取締役副社長CTOの宮下和之氏が説明を行なった。今回展示している2万ピクセルに分割にして個別制御するヘッドライト「HDライティング」は、「モビリティの安全性向上のため、時代に合わせたランプの技術を進化させてきた」と、自動車ライトを手掛けてきた市光の最新技術として紹介した。
自動車の電動化・自動化に伴い変化していくフロントパネルの性能を高める「e-Grille」については、「ライティングとセンサーの両立を統合したフロントパネルで、フロントフェイス全体に拡大する信号灯と、ADASに必要なフロントレーダーやカメラを統合することによる効率的な構造」と説明。
自動運転車から周囲の交通利用者へのコミュニケーションの支援で安心・安全を提供する外向けHMI(ヒューマンマシンインターフェース)の「e-Face」は、「自動運転のクルマからドライバーにかわり周囲の道路の周囲の道路利用者への円滑なコミュニケーションを支援することで安全性と利便性を提供」とし、災害時には表示装置を情報発信源とする可能性にも言及した。
また、ブースにはリサイクル材やバイオマス由来材を使ったヘッドライトの展示や、これまで市光が手掛けてきたライトの歴史を展示、R31型スカイラインに搭載した日本初のプロジェクターヘッドライトや、Y34型グロリアの日本初LEDリアランプ、初代リーフの世界初リフレクター式LEDロービーム、ランドクルーザー250に搭載のADB機能付きヘッドランプなども展示している。





























