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ヴァレオ、BMW新型「iX3」に搭載されるSDVプラットフォームに技術提供

2025年9月8日(現地時間) 発表
SDV車両として登場した新型「iX3」

 ヴァレオは9月8日(現地時間)、「IAAモビリティ2025」で行なった記者会見で、ヴァレオCEOのクリストフ・ペリヤ氏が、BMWが世界初公開した新型「iX3」へ技術提供していることを明かした。

 ペリヤ氏は、「ヨーロッパのOEMから最初のSDVが登場し、今回のIAAで展示されています。BMWのノイエ・クラッセは、間違いなくIAAの主役です。そして、私たちはこのSDVプラットフォームのすべてのレベル、すなわち処理、ソフトウェア、センサーにおいて欠かせない重要な技術プロバイダーです」と述べた。

 続けて、「私たちは数多くのECUに替わり、すべての運転支援機能をホストし処理するADASドメインコントローラーを提供します。私たちのドメインコントローラーは、カメラ、レーダー、超音波センサーなど、様々なセンサーからのデータの処理を一元化します。私たちはまた、さまざまなセンサーも提供しています。同時に、私たちはBMWと共同で、レベル4までの完全自動駐車の技術を共同開発しています」とBMWとの取り組みについて紹介した。

BMWの新型「iX3」
SDV車両として登場した新型「iX3」

 同日ヴァレオは、クアルコム(Qualcomm Technologies)との新たなる協業として世界中の自動車メーカーに向けて、ADAS(先進運転支援システム)とAD(自動運転)ソリューションを提供することも発表した。

 この技術提携では、BMWの新型「iX3」に採用されたクアルコムの「Snapdragon Ride Pilot(スナップドラゴン・ライド・パイロット)」ソリューションと、ヴァレオの自動駐車ソフトウェアアルゴリズム、センサー、ECUシステム、その統合・検証を含むハードウェアとソフトウェアの専門知識を統合し、統合型AD/ADASソリューションの提供を目指す。

 具体的には「Snapdragon Ride Flex SoC(スナップドラゴン・ライド・フレックス・システムオンチップ)」1基を搭載する単一ユニットに、ADASと車載インフォテインメント(IVI)機能をシームレスに統合するという。

 そのほかにも、SDV領域でのOEMパートナーシップとして、ヴァレオはフォルクスワーゲンとモービルアイと協力し、MQBプラットフォームの車両のADASシステムをアップグレードしたことや、SDVやソフトウェア製品で90億ユーロ以上の受注を記録していることを報告。ヨーロッパ、北米、中国の主要なグローバルOEMと進行中のプロジェクトがあることを示した。

 ヴァレオはまた、中国の自動運転大手である Momentaとの提携、AWS(Amazon Web Services)とのパートナーシップでは、ヴァレオは仮想化ハードウェアラボを採用して組み込みソフトウェアの開発とテストに使用。さらに、Google Cloudと協力し、ソフトウェアエンジニアに自動コーディングツールを提供してソフトウェア開発を加速させるという。

SDV車両に向けたソリューションを提案するヴァレオブース
ヴァレオのADAS製品群
ヴァレオのADAS製品群
同会場で世界初公開された自動運転時代のステアリングの提案