イベントレポート 東京オートサロン 2020
TRD、ダカールラリー参戦車を彷彿とさせる「ハイラックス GRG Concept」発表
全国15のGRガレージでパーツを販売。20台限定のコンプリートカーも
2020年1月11日 07:32
- 2020年1月10日~12日 開催
- 入場料:特別入場券3500円、大人一般入場券2500円、中・高校生一般入場券1800円(全日とも保護者同伴に限り小学生以下無料)
幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン 2020」(1月10日~12日)。モータースポーツ活動やカスタマイズパーツの取り扱いなどを行なっているTRD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)のブースでは、開幕初日の1月10日にプレスカンファレンスを実施。本格的な4WDを備えるトヨタ自動車のピックアップトラック「ハイラックス」に、ダカールラリーの参戦車両を彷彿とさせるパーツを装着した「ハイラックス GRG Concept」を発表した。
ハイラックスの日本発売に合わせてTRDブランドのパーツを販売する企画で、トヨタの販売店を運営する12社が参加し、15の「GRガレージ」から取り扱いをスタートしていくという。パーツの販売だけでなく、トヨタモビリティ東京から20台限定となるコンプリートカーを販売することも発表され、白と黒のボディカラーで各10台を用意。車両価格はオープンプライスとなる。
会場に展示されたハイラックス GRG Conceptでは海外仕様の車両をベース車に使用。そのため、フロントグリルに入るロゴが「TOYOTA」となっていたが、国内仕様の車両では「Toyota Safety Sense」のセンサーが入る関係から「Tマーク」が採用されている。フロントバンパーのフォグランプベゼルはブラックとレッドに変更され、通常の販売モデルではボディ同色となっているボンネットは、ブラック塗装するオプションをチョイス可能。ボディ側面にはブラックとレッドを基調にした「TOYOTA GAZOO Racing」カラーのデカールとロゴが入り、強靭なサイドステップを装着している。車体後方の荷台には、ラリーカーのロールバーを彷彿とさせるデッキバーを備え、テールゲートの「TOYOTA」「HILUX」のエンブレムが専用カラーに変更されている。インテリアではスタートボタンとスマートキーに「GR」のマークが入る。
プレスカンファレンスの司会は世界52か国でラリーに参戦してきたラリードライバーの寺田昌弘選手が務め、「昨年、ダカールラリーでこのハイラックスが初めて総合優勝しました。今年も1月5日からラリーがスタートしていまして、すでに5ステージが終わって、トップ10の中に5台のハイラックスが入っております。そしてすごく活躍しております、このハイラックス GRG Conceptですが、F1で2度のチャンピオンを獲得し、FIA世界耐久選手権でもチャンピオンとなっているフェルナンド・アロンソ選手がダカールラリーに初挑戦することを記念して企画されました。このハイラックスは、2018年には南米で、2019年には南アフリカですでに『GRスポーツ』というグレードとして発売されています。今回、日本でも発売するということになりまして、ここに飾ってあるのは南米使用の車両になり、実際の国内仕様とは一部異なる部分があります」と説明。ダカールラリーでのハイラックスの活躍とハイラックス GRG Conceptについて紹介した。
ハイラックス GRG Conceptに先駆けて、2019年に独自のコンセプトカーを出展したことのある群馬トヨタ自動車 代表取締役社長 横田衛氏は「皆さんもご承知のとおり、今はネットの社会でして、GAZOO Racingさんが活躍すると検索されるわけですが、その中で、昨年にハイラックスがちょうど50歳という記念の年でもあったわけなんです。そこで『何かネタがないかな?』と思って探しておりましたら、南半球に大変よろしいハイラックスがいらっしゃるじゃありませんか。これは国内でそのまま販売するというのはなかなか難しい車両でしたが、何とか日本国内で走らせたいなぁという思いで、まずは自分のところで手配できる部品、あと日本国内で架装できる部品を作りまして、一応コンセプトカーとして展示した、と。これを刺激として国内販売になればいいなぁと思っていたので、ちょっとうれしい感じでおります」と感想を語った。
今回の企画を手がけたトヨタモビリティ東京 GRマネージング 室長の塚越富夫氏は「これはアルゼンチンでトヨタさんが販売している部品を日本に輸入しようということで、それをコンプリートカーにもできるし、後からまとめて売るという形にしたいと思ったのですが、僕らは販売店なので、輸入するノウハウはまったくないんですね。それで皆さんに協力をいただいて、部品の輸入をしていただこうと。それを販売店で使って、売り方はそれぞれ自由にしてやろうという企画だったら実現できるかなということです。そうしてやり始めたのですが、アルゼンチンと日本は時差がまったく逆なんです。なかなか交渉が進まずどうしようかなと思って、GRで当時統括部長だった大塚部長に相談してみました。彼女の方からなんとかアルゼンチンに話してもらいまして、それを受けて輸入できるようになって、みんなで使えるようになったと、そういうことでございます」と、企画進行での苦労を語った。
「このハイラックスは(群馬トヨタ自動車の)横田さんが夢を作ってくださった。それを販売店の有志連合で実現しよう、お客さまに届けようという思いで12社が集まりました。1社ではなかなかできないことを、お客さまと一番近いところのディーラー12社が組んで、お客さまに横田さんの夢を届けようということで実現いたしました。トヨタモビリティ東京は全車種取り扱いしておりますので、4つのGRガレージでご相談いただけますし、200店舗で購入のご相談をいただけます。そして、12社の各販売店でもこのハイラックスのご相談が可能ですので、関心がありましたらせひお運びいただきたいと思います。こういったクルマで、少しモヤモヤっとしている今の自動車マーケットを元気にしたいなぁと思うところでございます」と、トヨタモビリティ東京の片山守社長は期待をこめて語った。
「TRD ハイラックス」
荷台を活用してテントを装着。テーブルや薪などのキャンプに必要なアイテムは荷台に積載可能。重い荷物や大きなボックスも余裕で積載可能なスペースを確保するハイラックスならではのカスタマイズカーとなっている。