イベントレポート 東京オートサロン 2020

スバル、新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport。「スバルの“走り”の未来」と五島賢PGM

ドライブモードセレクトを紹介

2020年1月10日~12日 開催

入場料:特別入場券3500円、大人一般入場券2500円、中・高校生一般入場券1800円(全日とも保護者同伴に限り小学生以下無料)

「東京オートサロン 2020」でお披露目された新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport

 幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン 2020」。スバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)が共同で出展するSUBARU/STIブースでは、1月10日11時にプレスカンファレンスが行なわれ、新型レヴォーグプロトタイプSTI Sportが世界初公開された。

 ベールを脱いだ白いボディの新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport。開発責任者である五島賢PGMが登壇し、東京モーターショー 2019で発表した新型レヴォーグプロトタイプは2014年に革新スポーツツアラーとして誕生したレヴォーグを超え、超革新を遂げたモデルであり、その革新性はスバルの未来を表明する1台だと説明。そして今回発表された新型レヴォーグプロトタイプSTI Sportはスバルの“走り”の未来の象徴だと語った。

新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport 開発責任者 五島賢PGM
アンベールされる新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport

 レガシイの10万km世界速度記録からニュルブルクリンク24時間レースまで、市販車をベースに数々の挑戦の中で走りをともに極めてきたスバルとSTI。新型レヴォーグプロトタイプSTI Sportの開発に携わってきたSTIの若手エンジニア2名を含む4名のエンジニアをステージ上で紹介し、その決意を語った。

スバル、STI各々から2名、若手開発者が紹介された

 新型レヴォーグプロトタイプは、豊かなトルクによるストレスのない加速性能とリーン燃焼技術による環境性能を高次元で実現した1.8リッター水平対向直噴ターボエンジンを搭載。フルインナーフレーム構造により、さらなる高剛性ボディを実現したSGP(スバルグローバルプラットフォーム)との組み合わせで、意のままに操れる時代性と質感の高い走りを実現したとのこと。

 新型レヴォーグプロトタイプSTI Sportに搭載されるスバル初の新機能「ドライブモードセレクト」について、五島賢PGMはその走りを「スイッチ1つでパワーユニットだけではなく、ステアリングやダンパーに至るさまざまな制御を変更し、スポーティ走りから上質な乗り心地まで、まったく違うキャラクターにクルマを変えてしまう、まさにドライバーの気持ちに応じてクルマのキャラクターを変えてしまう、しかもそれぞれのキャラクターを高い次元に作り込んだ超革新の走り」と表現し、より遠くまで走りたくなるような仕上がりになっていると語った。

新型レヴォーグプロトタイプSTI Sport

 プレスカンファレンスでは開発中の車両を運転したSTIの辰己英治氏が登壇。五島賢PGMが語る「超革新」という言葉は決して大げさなものではなく乗った感想としては、その言葉は実にマッチしていると語った。

「私もほぼ半世紀(開発の仕事を)やってきましたが、コンフォートとスポーティ、この2つを切り分けることが実に違和感なくできていて、ステアリングの舵力であったり乗り心地であったり、エンジンフィールであったりいろんなことを五島さんが仕込んでくれていて、それが実に絶妙なバランスをとっている。ここまでできるって凄いなと思いました」(辰己氏)と、その仕上がりを高く評価した。

 また、「今までスバルは(そのよさが)走れば分かると言ってきた。でもこのクルマは走らなくても分かる、今までのスバル車の中ではじめてのクルマ」とも語り、その座って感じるシートの心地よさや包み込まれ感、一体感は内装、シート設計の経験もある五島氏ならではと紹介した。

STI 辰己英治氏
STI 辰己英治氏と開発責任者 五島賢PGM

2020年モータースポーツ活動計画

2020年のスバル/STI モータースポーツ活動

 新型レヴォーグプロトタイプSTI Sportの解説に続いて、STIの今季におけるモータースポーツ活動計画をSTI代表取締役社長 平岡泰雄氏が発表した。

STI代表取締役社長 平岡泰雄氏

 2020年シーズンの活動は2019年同様で、SUPER GTシリーズ、ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦。全日本ラリー選手権へ出場しているドライバーへのサポート、GAZOO Racing 86/BRZレースではテクニカルサービスサポートが行なわれる。

 SUPER GTシリーズは総監督にSTIの渋谷真氏、ドライバーは井口卓人選手、山内英輝選手の2名。チーム運営はR&D SPORTが担当と昨シーズンと同じ布陣。パワーユニットの信頼性向上やシャシー性能のさらなる向上により、大切なレースでリタイアを喫した反省を元にSUBARU BRZ GT300を進化させ、シーズン優勝を狙っていくとのことだ。

SUBARU BRZ GT300 2019

 ニュルブルクリンク24時間耐久レースも昨年と同じ布陣。総監督はSTIの辰己英治氏が務める。ドライバーはカルロ・ヴァンダム選手、ティム・シュリック選手、井口卓人選手、山内英輝選手の4名で臨む。

WRX STI Challenge 2019 と井口卓人選手(左)、山内英輝選手(右)

 全日本ラリー選手権でのドライバーサポートは昨年同様の新井敏弘選手、勝田範彦選手、鎌田卓麻選手のほか、今年は新井大輝選手が加わり4名となった。

WRX STI 2019全日本ラリー参戦車両

 なお、プレスカンファレンスでの発表はなかったものの今期のSUBARU BRZ GALS BREEZEのメンバーも来場し、ステージイベントを行なった。

今期のSUBARU BRZ GALS BREEZEは現在決定している3名が登場。左から平野杏梨さん、あやき いくさん、津田知美さん。もう一人は今春発表予定とのことだ

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員