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浜松市、SBドライブ、スズキ、遠州鉄道、「浜松 自動運転やらまいか プロジェクト」で連携協定
スマートモビリティーサービスの企画、開発、事業化に向けた環境整備で連携
2016年9月5日 21:16
- 2016年9月5日 発表
浜松市、SBドライブ、スズキ、遠州鉄道は9月5日、浜松市において自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化を目的とした「浜松 自動運転やらまいか プロジェクト」への連携協定の締結を発表した。
連携協定では、4者が相互に連携することにより、利用可能な資源を有効に活用した協働による活動を推進するとし、地域住民の移動の利便性の向上など地域公共交通の課題を解決し、地域や産業の振興とともに次世代モビリティーサービスの創出につなげようというもの。
同日、浜松市役所で行なわれた調印式に、浜松市長 鈴木康友氏、SBドライブ 代表取締役社長/CEO 佐治友基氏、スズキ 代表取締役社長 鈴木俊宏氏、遠州鉄道 代表取締役社長 斉藤薫氏が出席した。
調印後の会見で、浜松市長の鈴木氏は「浜松の将来を考えたときに産業力の強化が必要。自動運転は、これからの次世代の輸送機器を左右する重要な技術。浜松市にとっても、自動運転やドローンを含めたロボット技術が今後の浜松の産業に貢献してくれるではないかと、市としても取り組みを始めたところ」と今回のプロジェクトに関する背景を話すとともに、「すばらしいチームで自動運転の実証実験ができるのは浜松市にとってもうれしいところ。浜松は国土縮図型都市で、あらゆる自然環境を兼ね備えた地域となり、あらゆる自動運転の実証実験ができると期待している」との期待感を示した。
SBドライブの佐治氏は「ソフトバンクは”情報革命で人々を幸せに”という大きな理念を掲げており、最新のテクノロジーを分かりやすいカタチ、使いやすいカタチで、しかも値段を安く手ごろに皆様にお届けする技術のプロデューサーとしてこれまでやってきました。自動運転も安全に誰にでも分かりやすくプロデュースする、自動運転の産業に参入するため4月にSBドライブを立ち上げた」と話すとともに、「自動運転は動くIoTだと思っている。技術の発達でクルマが安全に走れるようになるが、それを誰かが見守っている時代になると思っている。その時に通信技術やインターネットの技術が必要になると思う」と、同社の自動運転に対する考えを示した。
今回のプロジェクトに関して、佐治氏は「協定を結ぶにあたり鈴木市長に相談したところ、“やらまいか精神”で市長の一声で役所の方からも協力的にご尽力いただき、大企業であるスズキ様、遠州鉄道様を巻き込んでいただき、こうして4者でこれから全く新しい事業について話し合っていく機会を得ました」と話した。
また、スズキとの取り組みについて、佐治氏は「自動運転は高級車の付加価値として特定の人に供給されるのでなく、どんな人にも使いやすい必要な機能として広めるべき必需品としての自動運転を目指しており、必要なクルマを作るというスズキさんの哲学に非常に合うと思い、これからどんなことができるのかゼロから一緒に話し合っていきたい」と話し、遠州鉄道との取り組みについては「クルマが安全に運行されるための、安全運行管理のノウハウを遠州鉄道様に教えていただき、自動運転の新しいスタンダードとなる基準を浜松で生み出していきたい」と話した。
佐治氏は「この4者で浜松市の中でどんなことができるのか、話し合っていくとともに、その先に浜松市の抱えている交通の課題や問題点に少しでも貢献していきたい」と今後の展望を示した。
スズキの鈴木社長は「浜松における地域交通の課題解決や地域住民の利便性の向上の実現に向けて、今回4者の枠組みが生み出す工夫やアイデアは、広く日本中に展開できると考えている。先ほど市長から国土縮図型都市という話があったが、自動車の使われ方は多種多様で、自動運転技術が発展すればさらに多様化すると思う」と話し、続けて「しかし、どのような素晴らしい技術も人々の生活の中で使われなければ価値がないと考えている。今回のプロジェクトの取り組みを活用して、スズキは小さなクルマに求められる、新しい技術の開発に積極的に取り組んでいきたい。現在、自動運転に関しては国や地方自治体レベルで様々な取り組みがされているが、“やらまいかスピリッツ”の浜松市から、この連携プロジェクトならではの新たな価値を創出できるように、スズキも取り組んでいきたい」と話した。
遠州鉄道の斎藤氏は「浜松市様、SBドライブ様、スズキ様から、お声をかけていただき、まったく新しい分野に参画できることに大変うれしく思う。地域の公共交通事業者としての経験を少しでもこの事業に生かせればと思っている。いい機会を与えていただきありがとうございます」と挨拶した。