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【SUPER GT最終戦もてぎ】GTA記者会見レポート、坂東代表「2レース制を導入するのもあり」

来年以降のJAF-GT300個別性能調整も検討

2016年11月12日 開催

株式会社GTアソシエイション代表取締役 坂東正明氏

 SUPER GTのプロモーターとなるGTアソシエイションは、SUPER GTの期間中に定例となる記者会見を開催し、SUPER GTの現況についての説明を行なった。この中で、GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏は「今回行なったダブルヘッダーのお客様の評判が良ければ来年以降に検討していきたい」と述べ、第3戦のオートポリス戦の代替として土曜日に予選/決勝、元々の第8戦を日曜日に予選/決勝で行なうという変則的なダブルヘッダーになっている今回の最終戦の方式が、観客からのフィードバックで好評であれば、来年以降シリーズ戦でそうした方式も検討してみる可能性を示唆した。

 また、GT300の性能調整について「来年以降はマザーシャシーも含めたJAF-GT300に関しては、個別性能調整も検討してみる必要があるかもしれない」と述べ、現在SRO(ヨーロッパのブランパンシリーズのプロモーター)と協力して行なっているFIA-GT3車両の個別性能調整と同じように、JAF-GT300(マザーシャシーやプリウス、BRZなど)に関しても全体ではなく個別に性能調整を行なう可能性を検討していくと述べた。

ダブルヘッダーが観客に好評であれば、来年以降のシリーズ戦での導入を示唆

司会:坂東代表から冒頭の挨拶を……

坂東代表:朝の予選はウェットだったが、お客様の出足も今週に入ってから伸びてきているし、いいレースになると思うので、ぜひよろしくお願いしたい。

──今回のレースは、オートポリスの代替もあって、1ラウンドで2レースとなっている。準備までの苦労などを説明して欲しい。

坂東代表:タイ戦が終わってからの移動で、機材などは11月2日~3日に通関を通して、チーム側には約1週間で準備をしてここに持ってきてもらっている状況。従来通りの流れの中で、台風などに遭うこともなく運ぶこともできた。大変なのはタイヤで、ここでは2レースになりので、タイヤの手配、さらには生産体制が大変。また、持ってきたタイヤを置いておくコンテナの場所などでモビリティランド(筆者注:ツインリンクもてぎの運営会社、鈴鹿サーキットも運営している)にも協力を頂いている。モビリティランドさんには、他にも金曜日のオフィシャルの確保などでもご尽力頂いた。

 今日は予選も8時半から開始と早くて大変だったなど、今日は苦しいタイムスケジュールになっている。さらに昨日は雨ということで、なんとかドライでセットアップできればと午後のセッションを40分増やしたのだが、あいにく途中で雨が降ってきてしまい残念だった。それでもCR-Zレースのタイムスケジュールを動かしたりして、タイトなスケジュールの中でモビリティランドさん、チーム側には協力していただき感謝したい。

──今日明日と2レース分残っている(筆者注:GTA会見は、土曜日の予選終了後、決勝レース開始前におこなわれた)が、今シーズンの感想を

坂東代表:今回は現行GT500車両の最後のレース。既に発表会でもお見せしたように、2017年仕様のレース車両が、レクサス、ホンダ、日産と足踏み揃ってテストに入っている。今シーズンは、熊本の震災の影響があったが、なんとか乗り越えてシーズンを締めくくることができている。今回初めてのダブルヘッダーをやって、予選を開始する時間はちょっと早いかなと感じたが、ポイントが両方ともポールを獲って勝つと42点獲れるという仕組みで、チームとしても元々予定されていた仕掛けではないので、作戦面などはあらかじめ予定していたものとは違ってきており、大どんでん返しもあり得る状況。この2レース制がお客様にとってよい形であれば、来期においては2レース制を導入するのもありで考える余地はあるなと思っている。ただし、ポイントは倍ではなく1.5倍程度にする方がいいだろう。

 GT300に関しては、JAF-GT300のマザーシャシーが育ってきて、重量が1100、パワーウェイトレシオの部分が多少なりとも有利に働いている部分がある。また、いち早くこれを導入して25号車のチームが非常にやり手なので、戦略がずば抜けている。ただ、これに関しては技術力なので、技術力をルールで止めることはしない。ただ、BOPの考え方に関しては引き続きSROと連携してやっていかなければならない。来季にその部分をどうするか、GT3に関してはSROの方で個別車両まで調整しているので、JAF-GTに関しても来季は個別性能調整も考えていかなければならないなと思っている。

──来季から導入される新型GT500車両の感想を

坂東代表:ダウンフォースを25%ダウンさせることで、サーキットによるが1秒~2秒程度タイムが落ちている。ダウンフォースが減った分ストレートのスピードはでるが、コーナリングスピードについては落ちている。来年のGT500車両は、早めにブレーキを踏んでスピードを落とさないと曲がれない、それはうまくいっている。これを技術力でどのようにカバーするのかが課題で、空力なのか、バランスなのか各メーカーとも努力している。その意味で、今年より安全なクルマ。鈴鹿などだとストレートからのブレーキングであまり変わらないが、それ以外のサーキットではコーナーリングスピードが落ち、ストレートがでるという狙い通りになっている。GT300が多少速くなっても、ストレートが速くなっているので、ラップダウンするときもこれまでよりも安全かと思う。

──タイでは先月に国王が崩御されて様々なイベントなどが自粛されていると聞く。長い場合は1年にもおよぶと聞くが、来年のSUPER GTタイ戦への影響は?

坂東代表:タイで喪に服すのは1年間だったり、100日間だったりと様々。イベントに関してはプロモーターに任せられるところがあり、11月から一部でコンサートが始まっていたり、ブリーラムでも2輪のレースが行なわれると聞いている。プロモーションなども来年の2月にやる予定になっている。来年のブリーラムのレースに関しては予定通りできると、先方からはお話を伺っている。

11月12日の決勝スタートの様子