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メルセデス・ベンツ、究極のオフローダー新型「Gクラス」発表会。新設計のラダーフレーム採用など

独ダイムラー ベルンハルト氏「この先39年をこのGクラスで行く」

2018年6月6日 受注開始

1562万円~2035万円

新型「Gクラス」と独ダイムラー Gクラス商品企画責任者 ミヒャエル・ベルンハルト氏(左)、メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼最高経営役員(CEO)の上野金太郎氏(右)

 メルセデス・ベンツ日本は6月6日、新型「Gクラス」の発表会を開催。発表会で登壇した同社代表取締役社長の上野金太郎氏は「Gクラスの変わらない価値やたたずまいはそのまま維持しながら、走行性能や快適性能などが飛躍的な向上を果たした」と新型Gクラスの特長を紹介した。

 同日より注文受付が開始されたのは「G 550」「メルセデスAMG G 63」。価格は、G 550が1562万円、メルセデスAMG G 63が2035万円。

 新型Gクラスのボディサイズは4817×1931×1969mm(全長×全幅×全高。メルセデスAMG G 63は4873×1984×1966mm)と従来モデルと比べて全長が53mm、全幅が64mm拡大。主な性能として、登坂能力は適切な路面で最大100%、前後アクスル間最低地上高が24.1cm(従来比+6mm)、最大渡河水深は水中・泥中走行時70cm(従来比+10cm以上)、安定傾斜角度35度(従来比+7度)、デパーチャーアングル30度(従来比+1度)アプローチアングル:31度(従来比+1度)、ランプブレークオーバーアングル:26度(従来比+1度)とした。

G 550

 G 550にはV型8気筒4.0リッター直噴ツインターボエンジンをベースに開発された「M176型」エンジンを搭載。最高出力310kW(422PS)、最大トルク610N・mを発生するとともに、今回の改良で気筒休止システムを採用。エンジン負荷に応じて気筒を休止して燃費効率を向上させた。トランスミッションは9速ATの新型「9G-TRONIC」、駆動方式は4WD。

G 550
G 550に搭載されるV型8気筒4.0リッター直噴ツインターボ「M176」エンジン

メルセデスAMG G 63

 メルセデスAMG G 63は、メルセデスAMGが完全自社開発した、最高出力430kW(585PS)、最大トルク850N・mを発生するAMG V型8気筒 4.0リッター直噴ツインターボエンジン「M177」型を搭載。トランスミッションは9速ATの新型「9G-TRONIC」で、駆動方式は4WD。

メルセデスAMG G 63
メルセデスAMG G 63
メルセデスAMG G 63に搭載されるAMG V型8気筒 4.0リッター直噴ツインターボ「M177」型エンジン
メルセデスAMG G 63のインテリア
メルセデスAMG G 63
メルセデスAMG G 63

日本はGクラスのファンの多い市場

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼最高経営役員(CEO)の上野金太郎氏

 1979年の誕生以来、“究極のオフローダー”という理念のもと進化を続けてきたGクラスにその長い歴史の中で最も大幅な改良が施された。記者発表会で、上野氏は「Gクラスは1979年の発売以来、特徴的なスクエアな形と高いオフロード性能を維持しながら、時代の要求に合わせて絶え間ない改良を施しながら、全世界で30万台以上を販売することができました。もともと国境警備に使われていた『ゲレンデヴァーゲン』を乗用車に改良したルーツを持ち、1980年にはローマ法王専用車に採用され、また2014年には6輪モデル『G 63 AMG 6×6』が販売されるなど、たいへんユニークな歴史を持つモデル」とGクラスの歴史を紹介するとともに、「日本においても非常に多くのお客さまにご愛顧され、Gクラスのファンの多い市場となっています」と述べた。

独ダイムラー Gクラス商品企画責任者 ミヒャエル・ベルンハルト(Michael Bernhardt)氏

 続けて、同記者発表会には独ダイムラー Gクラス 商品企画責任者 ミヒャエル・ベルンハルト氏が来日して、新型Gクラスについてプレゼンテーションを行なった。

 新型Gクラスでは、オフロード走行に適した「新設計ラダーフレーム」、Gクラス開発チームとメルセデスAMGが協業して新開発した「専用サスペンション」、約170kg軽量化したボディといった基本性能の向上に加えて、「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システム、テレマティクスサービス「Mercedes me connect」を装備するなど、現代のモデルに求められる安全性や快適性を追加。

 インテリアでは、従来モデルよりレッグルームは前席で38mm、後席で150mm、ショルダールームは前席で38mm、後席で27mm、前席エルボールームで68mmそれぞれ拡大。また、新デザインのインストルメントパネルには、12.3インチの高精細ワイドディスプレイ2枚を使用したワイドスクリーンコクピットを採用している。

新型Gクラスの商品特徴を紹介するベルンハルト氏

 これら新型Gクラスの商品特徴を紹介したベルンハルト氏は「新しいGクラスは、すでに強力だった先祖の遺伝子をもとにさらに強く、より現代に順応させたモデル。オンロードとオフロードのパフォーマンスを見直し、内装はよりスペースがあり快適で高級感があります。メルセデス・ベンツのクラシックなクルマの中で唯一生産終了となっていないモデル。この先39年をこのGクラスで行こうと考えています」と話した。

新型「Gクラス」とメルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼最高経営役員(CEO)の上野金太郎氏

 ベルンハルト氏による商品説明のあと再びステージに登壇した上野氏は、販売面では従来モデルも併売することを紹介。上野氏は「今回、ユニークな試みとして日本においては新型Gクラスの発表後も、しばらく従来型も併売させていただきます。新型と39年前に誕生したゲレンデヴァーゲンの面影を残す従来型。いいとかわるいとかでなくテイストの違いだと私どもは考えています。お客さまがGクラスに求めるイメージに沿うモデルを実際に選んでもらえるようにしたい」とその狙いを話した。