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【ル・マン24時間 2018】6時間経過、トヨタの2台は3位以下に1周の差をつけて、7号車と8号車のマッチレースに

LMGTE-PROはポルシェがトップだが、BMWも追い上げ

2018年6月16日~17日(現地時間)決勝開催

スタートから6時間が経過。トップを走る8号車 トヨタ TS050-HYBRID(セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴組、MI)

 世界三大レースの1つ、ル・マン24時間レースは6月16日15時(現地時間、日本時間22時)に決勝レースのスタートを切り、21時(現地時間、日本時間6月17日4時)にはスタートから6時間を迎えた。

 悲願の初優勝を目指すトヨタは、8号車 トヨタ TS050-HYBRID(セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴組、MI)がトップを走り、僚車の7号車 トヨタ TS050-HYBRID(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、MI)も数秒差で2位を走っており、ここまでノントラブルで確実にピットストップなどをこなして順調に走行を続けている。トヨタ2台は3位以下に1周以上の差をつけており、すでに2台だけのマッチレースになっている状況で、このままいくと、トヨタ2台のうちどちらが勝つのかが焦点になっていきそうだ。

トヨタの2台は3位以下に1周以上の差をつけて順調に走行中、ル・マンは日暮れに

順調にピットストップをこなしていくトヨタチーム

 レースはスタートからフロントローを独占したトヨタの2台が飛び出す展開となった。スタートでは、2番グリッドからスタートした7号車 トヨタ TS050-HYBRID(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、MI)をドライブするマイク・コンウェイ選手は、ポールポジションからスタートしたセバスチャン・ブエミ選手が操るの8号車 トヨタ TS050-HYBRID(セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴組、MI)をオーバーテイクして1コーナーへとなだれ込んでいった。

 ところが、3位以下のスタートは大混乱に。予選3位からスタートした1号車 レベリオン R13-ギブソン(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ブルーノ・セナ組、MI)をドライブしていたアンドレ・ロッテラー選手は行き場を失い、コース外に飛び出し、そのままコースを直進する形になり、コーナーを曲がろうとしていたドラゴンスピードの10号車 BR エンジニアリング BR1-ギブソン(ヘンリック・ヘドマン/ベン・ヘンリー/レンガー・バン・デル・ザンデ組、MI)と接触し、1号車レベリオンはフロントカウルを失い、そのままピットストップして修復せざるを得ない事態になってしまった。1号車レベリオンは、トヨタ2台の強力なライバルになると考えられていただけに、これによりトヨタにとっては序盤からかなり楽な戦いになってしまったことは否定できない。

ピットストップの準備運動中か?

 これにより3位、4位に上がったのはSMPレーシングの17号車 BR エンジニアリング BR1-ギブソン(ステファン・サラザン/エゴール・オルドゼフ/マテボス・イサキャーン組、MI)と1号車の僚車となる3号車 レベリオン R13 - ギブソン(マシアス・ベシェ/トーマス・ローラン/グスターボ・メネーゼス組、MI)だが、1ラップにつき3秒程度トヨタ2台よりも遅く、3時間を経過した段階で既に1周差をつけられており、その差は広がる一方だ。最後まで性能を隠しているのではないかと言われてきてLMP1のプライベートチームだが、序盤の状況を見る限り、これからもトヨタ2台について行くのは難しく、トヨタ2台に何かが起きるのを期待するだけというレースになってしまっている。

 ジェンソン・バトン選手が参加しているSMPレーシングの11号車 BR エンジニアリング BR1-ギブソン(ミカエル・アレシン/ヴィタリー・ペトロフ/ジェンソン・バトン組、MI)は電気系のトラブルで長時間止まってしまったため、一度は全体の最後尾となってしまったが、バトン選手に交代して走行を続けている。

 レースは、スタートから4時間15分を経過したところで、バイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01 - ニスモ(オリバー・ウェッブ/ドミニク・クライハマー/トム・ディルマン組、MI)がLMGTE-AMクラスの車両と接触して大クラッシュして止まってしまうアクシデントが発生。それにより車両を排除するためなどにセーフティカーが出され、トヨタの2台の差はなくなり、7号車と8号車という順序でタンデム走行をする状況に。レース再開後には8号車を操るフェルナンド・アロンソ選手が7号車をオーバーテイクし、再びトップに返り咲いた。8号車は中嶋一貴選手に交代して、トップ走行を続けている。2位は6時間経過直前に小林可夢偉選手に替わった7号車 トヨタ、3位はSMPレーシングの17号車、4位は3号車 レベリオン、5位はオープニングラップのクラッシュから追い上げている1号車 レベリオンとなっている。

LMP2はG-DRIVE、LMGTE-PROは引き続きポルシェがトップだが、BMWも追い上げている

92号車 ポルシェ 911 RSR(ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストレ/ローレンス・ヴァンソール組、MI)

 LMP2はピットストップのタイミングなどで順位を入れ替える状況だが、トラブルが続いているLMP1のプライベーターチームを徐々に食っている状況で、現在LMP2クラスのトップは総合6位になっているG-DRIVEの26号車 オレカ 07-ギブソン(ロマン・ルシノフ/アンドレア・ピッツトーラ/ジャン・エリック・ベルニュ組、DL)。

 LMGTE-PROは激しいレースが繰り広げられており、予選で1-2を独占したポルシェに、BMW、フォード、フェラーリ、コルベットなどのワークスチームが順位を入れ替えながら毎ラップ熱い戦いが繰り広げられている。6時間経過時点でトップに立っているのは予選2位からスタートしたポルシェGTチームの92号車 ポルシェ 911 RSR(ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストレ/ローレンス・ヴァンソール組、MI)で、2位に2分近い差をつけてトップを走っている。2位は予選はあまり振るわなかったBMW・チーム・ミュッケの81号車 BMW M8 GTE(マーティン・トムチェク/ニッキー・キャッツバーグ/フィリップ・エンゲ組、MI)、3位はポルシェGTチームの93号車 ポルシェ911 RSR(パトリック・ピレ/ニック・タンディ/アール・バンバー組、MI)となっている。LMGTE-AMはデンプシー・プロトン・レーシングの77号車 ポルシェ911RSR(991)(マット・キャンペル/クリスチアン・リード/ジュリアン・アンドラウラ組、MI)がトップとなっている。

81号車 BMW M8 GTE(マーティン・トムチェク/ニッキー・キャッツバーグ/フィリップ・エンゲ組、MI)

 サルト・サーキットではこれから日暮れを迎え、まもなくナイトセッションへと突入していく。毎年ナイトセッションでは思いもよらないトラブルがでてということも多く、2017年は夜中の2時頃にトヨタ勢がトラブルでリタイヤないしは大きく後退というドラマティックな展開を迎えただけに、トップを走るトヨタ勢は、これからも緊張する時間が続くことになりそうだ。