【ル・マン24時間 2018】12時間経過、トヨタは1-2体制。8号車トヨタに60秒のストップ＆ゴーペナルティで、7号車トヨタがリードを拡大

12時間を過ぎてトップを走行する7号車 トヨタ TS050-HYBRID（マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、MI）。同じトヨタの8号車との差を広げ、トップを確実なものとしている

　世界三大レースの1つ、ル・マン24時間レースは6月16日15時（現地時間、日本時間22時）に決勝レースのスタートを切り、日付が改まった6月17日3時（現地時間、日本時間6月17日10時）にはスタートから12時間を迎えた。

　悲願の初優勝を目指すトヨタは、7号車 トヨタ TS050-HYBRID（マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、MI）がそれまでトップを走っていた8号車 トヨタ TS050-HYBRID（セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴組、MI）を逆転。約1分30秒差をつけてトップを走っている。

　8号車には、現地時間0時15分に、スローゾーン（インディカーなどで採用されているフルコースイエローをコースの一部だけで導入する制度）での速度違反をとられ60秒のストップ＆ゴーペナルティを科せらた。2位に後退したが、現在はフェルナンド・アロンソ選手が追い上げている。

トヨタ2台は3位以下に4周の差をつけて1-2体制を構成、8号車はペナルティでやや遅れる

　レーススタートから12時間を過ぎた現地時間3時、サーキットは漆黒の闇に包まれており、ピットストレートなどを除けば車両のライトだけがコースを照らしている状態だ。そうした中、トップを快調に周回しているのはTOYOTA GAZOO Racingの2台だ。すでにトヨタの2台は3位以下に5周の差をつけており、計算上は仮にトラブルがでてピットストップしても、16分～17分程度は止まっていても大丈夫という差になり、安全圏に入りつつあるということができる。

　こうなってくるのは怖いのはトラブルやミスによる自滅だ。8号車 トヨタ TS050-HYBRID（セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴組、MI）は、スローゾーンの巡り合わせなどがわるく、トップを7号車 トヨタ TS050-HYBRID（マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、MI）に明け渡してしまっており、7号車を追い上げていた。しかし、そのスローゾーンで速度違反をしてしまうというミスを犯し、ピットでの60秒のストップ＆ゴーペナルティを科されてしまった。

ピットイン作業中の8号車 トヨタ TS050-HYBRID（セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ/中嶋一貴組、MI）

　これにより、30秒程度だった7号車との差は一挙に2分（1分のストップに、ピットイン時のロスタイムの30秒が追加された結果）に広がってしまった。その後、ブエミ選手からアロンソ選手に替わってから猛烈な勢いで追いかけており、12時間の時点で1分30秒差まで縮めている。

　すでに述べたとおり、レースは3位の3号車 レベリオン R13 - ギブソン（マシアス・ベシェ/トーマス・ローラン/グスターボ・メネーゼス組、MI）が4周遅れ、4位の1号車 レベリオン R13-ギブソン（ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ブルーノ・セナ組、MI）が5周遅れとなっており、トヨタ勢に何もなければトヨタ2台の戦いという形になっている。従って、これからのレース展開は、トヨタの中でもどちらが勝つのか、それが焦点になると言える。今のところ全くミスをしていない7号車がリードし、それを8号車が追いかけるというのが今の状況だ。

LMP2はG-DRIVE、LMGTE-PROはワークスポルシェがトップ、夜明けには2人の日本人ドライバーが登場

　LMP2のトップは引き続きG-DRIVEの26号車 オレカ 07-ギブソン（ロマン・ルシノフ/アンドレア・ピッツトーラ/ジャン・エリック・ベルニュ組、DL）がリードしており、2位になっているIDECスポーツの48号車 オレカ07-ギブソン（ポール・ラファルーグ/ポール-ロウプ・チャティン/ジルエルモ・ロハスJr組、MI）に1周の差をつけており、独走と言って良い状況だ。3位はTDSレーシングの28号車 オレカ 07-ギブソン（フランソワ・ペロード/マテュー・ヴァクシヴィエール/ロイク・デュバル組、DL）。

　LMGTE-PROは引き続き激戦が続いているが、ポルシェGTチームの92号車 ポルシェ 911 RSR（ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストレ/ローレンス・ヴァンソール組、MI）、91号車 ポルシェ 911 RSR（リヒャルト・リエツ/ジャンマリア・ブルーニ/フレデリック・マコヴィッキー組、MI）が1-2体制を構築している。しかし同一ラップに3位のチップ・ガナッシ・レーシング・チーム・USAの68号車 フォードGT（ジョエイ・ハンド/ダーク・ミューラー/セバスチャン・ブルデー組、MI）、4位のAFコルセの52号車 フェラーリ 488 GTE Evo（トニー・ヴァイランダー/アントニオ・ジョビナッツィ/ルイス・フィリペ・デラーニ組、MI）がつけており、引き続き予断を許さない状況だ。

夜のピットイン作業中の92号車 ポルシェ 911 RSR（ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストレ/ローレンス・ヴァンソール組、MI）

　LMGTE-AMは引き続きデンプシー・プロトン・レーシングの77号車 ポルシェ911RSR（991）（マット・キャンペル/クリスチアン・リード/ジュリアン・アンドラウラ組、MI）がトップとなっている。

　今後サルテサーキットでは日本時間の12時ごろに夜明けを迎える。夜明けにはトヨタの2人のドライバーである小林可夢偉選手（7号車）、中嶋一貴選手（8号車）が登場する予定であるため、日本のファンにとっても注目の時間帯になるだろう。