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アウディ、4ドアクーペ「A7 スポーツバック」フルモデルチェンジ。48Vのマイルドハイブリッド仕様に

4輪操舵システム搭載。ドライバーアシスタンスシステムも進化

2018年9月6日 発売

標準車:988万円~1066万円

限定車:1058万円~1161万円

4ドアクーペ「A7 スポーツバック」がフルモデルチェンジ(写真はA7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ S-line)

 アウディ ジャパンは、4ドアクーペ「A7 スポーツバック」をフルモデルチェンジして9月6日に発売する。価格は「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ debut package」が988万円、「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ S-line」が1066万円。

 また、新型A7 スポーツバックの導入を記念して、エクステンデッドレザーのインテリア、バング&オルフセンサウンドシステム、ダイナミックオールホイールステアリング(4輪操舵システム)、ダンピングコントロールサスペンションなどを装備した限定車「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ 1st edition」と「A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ S-line 1st edition」も発売。価格は前者が1058万円、後者が1161万円。計250台を用意する。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ debut packageV型6気筒DOHC 3.0リッターターボ+マイルドハイブリッドドライブシステム7速Sトロニック4WD9,880,000円
A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ S-line10,660,000円
A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ 1st edition
A7 スポーツバック 55 TFSI クワトロ S-line 1st edition

 2代目になったA7 スポーツバックでは、パワートレーンにV型6気筒DOHC 3.0リッターターボのTFSIエンジンとデュアルクラッチAT「7速Sトロニック」、4輪駆動システムを組み合わせ、さらに48Vの主電源システムを持つマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載。

 同システムはリチウムイオンバッテリーとベルト駆動式のオルタネータースターターの働きで、ブレーキング時に最大12kWという高いエネルギー回生を可能にしており、Audi ドライブセレクトで「efficiency mode」を選択している際は、55~160km/hで走行中にアクセルをOFFにするとエンジンが頻繁に停止し、惰性走行により燃費改善を図る。また、スタート/ストップ機能の範囲も広がって22km/h以下での作動が可能になるなど、MHEVシステムの採用で100km走行あたり最大0.7Lの燃料消費が削減(欧州仕様の場合)できるようになったという。

 V型6気筒3.0リッターTFSIエンジンでは直噴、Bサイクル、ツインスクロールターボ過給といった最新のエンジンテクノロジーを採用し、最高出力250kW(340PS)/5200-6400rpm、最大トルク500Nm(51.0kgfm)/1370-4500rpmを発生。0-100km/h加速は5.3秒とした。

新型A7 スポーツバックのボディサイズは4970×1910×1415mm(全長×全幅×全高。S line仕様の全長は4975mm、スポーツサスペンション装着車の全高は1405mm)、ホイールベースは2925mm

 シャシーまわりでは、ステアリングの切り角が大きくなるにつれてステアリングレシオが変化する「プログレッシブステアリング」を全モデルに設定し、ステアリングレシオは速度に応じて9.5:1~16.5:1まで可変制御される。サスペンションはスチール製スプリングを備えた標準的なサスペンションまたは車高を10mm下げたスポーツサスペンションが設定され、さらに減衰力を調整できるダンピングコントロールサスペンションと「ダイナミックオールホイールステアリング(AWS)」がセットオプションとして選択できる。

 AWSは、60km/h以下で走行している際に後輪が前輪と反対の方向に操舵され、市街地を走行している場合などにクルマの取り回し性を改善。60km/h以上で走行している場合には、後輪は前輪と同じ方向に操舵され、直進性や車線変更時の操縦安定性を向上させる。

 ボディサイズは4970×1910×1415mm(全長×全幅×全高。S line仕様の全長は4975mm、スポーツサスペンション装着車の全高は1405mm)、ホイールベースは2925mm。エクステリアでは張りのある大きな面とシャープなエッジ、シンプルで力強いラインなどによってダイナミックなスタリングに仕上げており、同日に発表された新型「A8」よりも低く幅広いシングルフレームグリル、細いヘッドライト、大胆な縁取りが特徴のエアインレット、低く伸びたボンネットなどを採用。LEDヘッドライトの上部には、縦に12個並んだLEDのライトデイライトランニングライト&ポジションライトを装着した。

 リアエンドは先代モデルと同様にヨットのように両側が細くなっており、長いハッチゲートの後端はリップ状に少し突き出した形状を採用。この部分にはスポイラーが内蔵され、120km/h以上で走行する際には自動的に伸長してリアのダウンフォースを高める。

 インテリアでは、先代モデルから室内長を21mm伸ばして主に後席ニ―ルームを拡大。後席ではヘッドルームが5mm広がったほか、ラゲッジスペースの幅も拡大。ラゲッジ容量は通常時で535Lとなるが、後席を折り畳むことで最大1390Lまで拡大できる。

新型A7 スポーツバックでは12.3インチの大型ディスプレイを備えた「アウディバーチャルコクピット」とともに、センターコンソール上側に10.1インチスクリーン、下側に8.6インチスクリーンと、計3つのデジタルディスプレイが標準装着される

 また、機能面では「Audi connect」により音声による目的地のオンライン検索(クラウドベース)、ニュースや天気情報、最寄りのガソリンスタンドや駐車場検索、地図のオンライン更新(当初3年間無料)などを可能にした。このAudi connectの機能は新しい「myAudiアプリ」に集約され、アプリを介してスマートフォンを新型A7 スポーツバックとネットワークで接続し、ナビゲーションに目的地情報を送ったり、スマホの予定表を転送したりできるようになった。

インテリア

 そのほか安全装備についても強化されており、新型A7 スポーツバックでは5つのレーダーセンサー、5つのカメラ、12の超音波センサー、1つのレーザースキャナーと、最大で合計23個のセンサーを搭載。

 新たに追加された機能としては、見通しのわるい交差点での「フロントクロストラフィックアシスト」や、万が一の車両の側面からの衝突にも備える「プレセンス360」、従来のアダプティブクルーズコントロール(ACC)、アクティブレーンアシスト(ALA)、トラフィックジャムアシストの3つの機能を統合した「アダプティブドライブアシスト(ADA)」などが挙げられる。また、145度の視野と高解像度を持つレーザースキャナーの搭載により、多くのドライバーアシスタンスシステムで制御メカニズムが改善されており、より自然でスムーズな加減速やステアリングアシストを実現したという。

 この他にも以下のシステムが搭載されている。

新型A7 スポーツバックに搭載される主なドライバーアシスタンスシステム

・アウディ プレセンスフロント
0-250km/hにおいて車両に対して衝突事故が発生する前に車両がドライバーに警告を与え、必要な場合には衝突軽減ブレーキを作動させる。

・アウディ プレセンスシティ
85km/h以下で走行中、システムが車載カメラからの情報をもとに先行車や歩行者に衝突する恐れがあると判断すると、警告や衝突軽減ブレーキを作動。40km/h未満で走行中の場合はフルブレーキにより衝突の回避、または衝撃の軽減をアシストする。

・アウディ アダプティブドライブアシスト
従来のACC、ALA、トラフィックジャムアシストを統合させたシステムで、0-250km/hで連続的にシステムが作動する。

・フロントクロストラフィックアシスト
交差点等の視界のわるい状況において、車両前方を横切る車両を監視。必要に応じてドライバーに段階的に警告を与える。

・サイドアシスト
追い抜かれる際の死角を監視し、車線変更時の危険をドライバーに警告。停止状態からの車線変更時や合流時にもサイドアシストが起動し、停車状態からのドライバーをアシストする。

・ターンアシスト
サイドアシストへの機能の追加として、右左折時における自転車やバイクとの衝突を防ぐことを主な目的としたアシストシステム。車両が危険と判断した場合にはドライバーに警告を与える。

・リヤクロストラフィックアシスト
必要に応じて後退時に車両後方を横断する車両などをドライバーに警告。

・エグジットワーニング
従来の警告だけでなく、後方から近づいてくる車両との衝突リスクをシステムが検出した場合は、少し時間が経たないとドアを開けられないようにする機能を追加。

・カーブストーンアシスト
サラウンドビューカメラに前後のホイールの状況を確認する機能と、3D画像で車両を写し出す機能を追加。3D画像では確認しやすい角度を選択し、車両の状況を確認することが可能。