ニュース

独アウディ、48V マイルドハイブリッド+V8ツインターボで600PS/800Nm発生の新型「RS 7 スポーツバック」初公開

2019年末からドイツなど欧州諸国で販売開始

2019年9月10日(現地時間) 発表

新型「RS 7 スポーツバック」を「フランクフルトモーターショー(IAA)2019」で初公開

 独アウディは9月10日(現地時間)、ワイドボディを備える新型4ドアクーペ「RS 7 スポーツバック」をドイツ フランクフルトで行なわれる「フランクフルトモーターショー(IAA)2019」で初公開する。RS 7 スポーツバックは2019年末からドイツ、およびその他の欧州諸国で発売予定。

 2017年10月にデビューした2代目の「A7 スポーツバック」をベースとするこのモデルでは、パワートレーンにV型8気筒4.0リッターツインターボ「4.0 TFSI」エンジンと、48Vの主電源システムを持つMHEV(マイルドハイブリッドシステム)を採用。最高出力441kw(600PS)/6000-6200rpm、最大トルク800Nm/2050-4500rpmを発生し、8速ATとフルタイム4WDのクワトロシステムで路面に伝達。0-100km/h加速は3.6秒を実現し、最高速は電子的な制限による250km/hのほか、ダイナミックパッケージ車では280km/h、ダイナミックプラスパッケージ車では305km/hに変更される。

 一方で燃料消費量については、8気筒エンジンの2番、3番、5番、8番のシリンダーを走行状況に応じて休止させる「COD(シリンダーオンデマンド)システム」を搭載。ベルト駆動式オルタネータースターターを用いるMHEVは22km/h未満の速度でアイドリングストップを利用可能。55km/h~160km/hでの走行中にアクセルOFFすると、運転状況と「アウディドライブセレクト」の設定に応じ、オルタネータースターターで最大12kWを回生発電し、搭載するリチウムイオンバッテリーに充電するか、エンジンを停止させたままコースティング(惰性走行)するかを車両が自動的に選択。これらにより、RS 7 スポーツバックでは100km走行あたりの燃料消費量を最大0.8L削減可能としている。

新型RS 7 スポーツバック
RS 7 スポーツバックのパワートレーン。V型8気筒4.0リッターツインターボエンジンと48VのMHEV(マイルドハイブリッドシステム)で600HP/800Nmを発生し、8速AT&クワトロシステムで4輪から路面に伝える
「COD(シリンダーオンデマンド)システム」も搭載するV型8気筒4.0リッターツインターボ「4.0 TFSI」エンジン。最高出力441kw(600PS)/6000-6200rpm、最大トルク800Nm/2050-4500rpmを発生する

 前後5リンク式の足まわりでは、新型RS 7 スポーツバック専用チューニングが施されたダンパーコントロール付きの「RSアダプティブエアサスペンション」を標準装備。305km/hの最高速を可能にするためスプリングレートを50%高めた新エアスプリングモジュールを使い、スポーツエアサスペンションは自動車高調整機能を備えるほか、3つのモードで車高を設定可能。ノーマル車高がA7 スポーツバックより20mm低く設定され、車速が120km/hを超えるとさらに10mm車高を低下。また、リフトモードでは必要に応じて車高を20mm上昇させることができる。

「コンフォート」「オート」「ダイナミック」「エフィシエンシー」「RS1」「RS2」の6種類のモードからドライバーが選択し、エンジンやトランスミッション、ステアリングアシスト、サスペンション、ダイナミックオールホイールステアリング、クワトロスポーツディファレンシャル、エキゾーストフラップ、オートエアコンディショナーなどの設定を変化させて走行特性を変える「アウディドライブセレクト ダイナミックハンドリングシステム」も採用。RSモデル専用でカスタマイズ可能なRS1とRS2モードは、ステアリングホイールに設置された「RS MODE」ボタンを押して直接呼び出すことができる。

 また、グリップレベルとハンドリングがさらに向上するDRC(ダイナミックライドコントロール)付き「RSスポーツサスペンションプラス」のオプション装着も可能。アグレッシブな走りで発生するピッチングとロールも大きく抑制。制御バルブが組み込まれた新世代のダンパーを採用しており、アウディドライブセレクトのさまざまなモードで設定の幅が明確に広がるという。

 このほか、新しいRS 7 スポーツバックではスポーティでダイレクトなギヤレシオを備える「プログレッシブステアリング」を標準装備。低速では後輪を前輪と逆向きに最大5度まで操舵して回転直径を1mも縮小し、中速~高速走行時には後輪を前輪と同一方向に最大2度まで操舵して走行安定性を高める4輪操舵システム「ダイナミックオールホイールステアリング」もオプション装着できる。

 タイヤでスリップが発生する前にコーナー内側のタイヤに軽くブレーキ効かせ、ハンドリングを最適化する「ホイールセレクティブトルクコントロール」も採用。オプションのダイナミックパッケージ、ダイナミックプラスパッケージに追加装着できる「クワトロスポーツディファレンシャル」は、必要に応じて左右のリアタイヤにエンジントルクを配分し、トラクションやスタビリティ、ダイナミズムを向上させる装備となる。

新型RS 7 スポーツバックの足まわり解説

 車内では大型の「RSアルミニウムシフトパドル」を備えるフラットボトムタイプの「RSスポーツレザーステアリングホイール」を装着し、ランバス(菱形)パターンのブラックパールナッパレザーを表皮に使用する「RSスポーツシート」を標準装備。シートではハニカムパターンとRSエンボス加工が施されたヴァルコナレザー表皮にフルパフォレーテッド加工を施し、シートベンチレーション機能を初採用する「RSスポーツシート」をさらにスポーティなオプションとして用意する。

 また、ドライバーアシスタンスシステムは幅広い状況でドライバーをサポート。「アダプティブクルーズアシスト」「交差点アシスト」「車線変更警告」「縁石警告」「360°カメラ」など30種類以上のアシスタンスシステムが利用可能となっている。

新型RS 7 スポーツバックのインテリア。フルデジタルメーターの「アウディバーチャルコックピット」を専用RSディスプレイとして装着し、ブラックパールナッパレザーを表皮に使用する「RSスポーツシート」を標準装備