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アウディ、レーザースキャナーなど最大23個のセンサー搭載で安全性を高めた新型「A7」「A8」発表会

ノアック新社長「現代社会が直面する変化に対応」

2018年9月5日 開催

アウディの新型「A7 スポーツバック」「A8」発表会が開催された

 アウディ ジャパンは9月5日、7年ぶりのフルモデルチェンジを行ない9月6日に発売する新型「A7 スポーツバック」と、10月15日に発売するフラグシップセダン新型「A8」の発表会を開催した。

 両モデルともに48Vの主電源システムを持つマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載するほか、5つのカメラ、5つのレーダーセンサー、12個の超音波センサーに加え、レーザースキャナーを量産車として初めて採用。最大23個のセンサーにより安全性を向上させた。

 車両の詳細については、「アウディ、4ドアクーペ『A7 スポーツバック』フルモデルチェンジ。48Vのマイルドハイブリッド仕様に」「アウディ、量産車で世界初のレーザースキャナーを使う『zFAS』搭載の新型『A8』」をそれぞれ参照いただきたい。

A8のボディサイズは5170×1945×1470mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3000mm。写真はロングホイールベースモデルとなるA8 Lで、全長とホイールベース共に130mmアップ。タイヤサイズは265/40 R20
写真はA8 60 TFSI quattro/A8 L 60 TFSI quattroに搭載されるV型8気筒DOHC 4.0リッター直噴ツインターボ「CXY」型エンジンで、最高出力338kW(460PS)/5500rpm、最大トルク660Nm(67.3kgfm)/1800-4500rpmを発生。A8 55 TFSI quattroには最高出力250kW(340PS)/5000-6400rpm、最大トルク500Nm(51.0kgfm)/1370-4500rpmを発生するV型6気筒DOHC 3.0リッターターボ「CZS」型エンジンが搭載される
A8 Lのインテリアは、水平基調で広々としたスペースと幅を強調し、豪華なラウンジのような雰囲気を創出
A8 L専用オプションの「コンフォートコンツアーシート」のインテリア
A8 Lのトランク。中央部分がトランクスルーとなる
オプションの「HDマトリクスLEDヘッドライト アウディレーザーライトパッケージ」を選択すると、リアのライトはOLED(有機ELテクノロジー)となる
A7 スポーツバックのボディサイズは4970×1910×1415mm(全長×全幅×全高。S line仕様の全長は4975mm、スポーツサスペンション装着車の全高は1405mm)、ホイールベースは2925mm。タイヤサイズは255/40 R20
A7 スポーツバックには、最高出力250kW(340PS)/5200-6400rpm、最大トルク500Nm(51.0kgfm)/1370-4500rpmを発生するV型6気筒3.0リッターターボ「DLZ」型エンジンを搭載
A7 スポーツバックのインテリア。センターコンソールのディスプレイはドライバーに向けて角度が付けられ、操作に最適な場所に配置されている
東京モーターショー 2017でも展示された「MMIタッチレスポンス付き MMIナビゲーション」
A7 スポーツバック/A8に搭載されるものとほぼ同じ機能となり、日本語の手書き入力にも対応。入力はかなり速いスピードでも認識されるほか、文字の上に文字を重ねて書いても間違うことなく識別した
A7 スポーツバック/A8に採用されたレーザースキャナーの実物。読み取ったものはセントラルドライバーズアシスタンス「zFAS」で処理される

 発表会では、9月1日付けで新しくアウディ ジャパンの代表取締役社長に就任したフィリップ・ノアック氏が登壇し、「今回、家族とともに日本に住んでアウディの仕事ができる機会に恵まれ、とても嬉しく思っております。これまで築かれてきたものを大切にしながら、アウディブランドを日本でさらに輝かせ、アウディの事業を発展させることを目指してまいります」と挨拶。

アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏

 A7 スポーツバックとA8について、「お客さまには未来を感じていただけるような体験をご提供すると同時に、この2つのクルマは都市化、デジタル化、持続可能性という現代社会が直面する変化に対応いたしました。アウディが数年前に打ち出した“先進によってプレミアムモビリティプロバイダになるという2025年に向けたビジョン”の実現のベースとなるのが、私たちのプレミアムなクルマであり、とりわけこの新型A8とA7はビジョンの実現に向けて私たちが辿る道のりを示していると言えるでしょう」と述べた。

 今回で4世代目となるA8については、「世界で初めてレベル3の条件付き自動運転システムを可能にするべく開発されました。このクルマは合計23個ものセンサーやカメラを搭載して、生産車としては世界初となるレーザースキャナーといった高度なセンサーも含まれております。レベル3の機能となります『アウディ AI トラフィックジャムパイロット』は、国際的な技術認証や道路交通法の改正の関係でまだいずれの市場でも導入されておりません」と話すとともに、最新の企業戦略「Audi. Vorsprung 2025」を象徴するフラグシップモデルと紹介した。

 A7 スポーツバックについては、「私は個人的に、このA7はアウディがこれまで世に送り出した中でも最も素晴らしいクルマの1つだと思っています」と話し、「今回、スタイリングをよりスポーティかつダイナミックにいたしました。そして、A8と同様の先進技術を数多く搭載して、安全性、快適性、スポーティな走り、そして効率性もさらに磨きをかけています。初代A7を選んでくださった日本のセンスのよいお客さまは、その進化したモダンデザインと磨きのかかった走りの性能にきっとご満足いただけることでしょう」と日本のユーザーに呼びかけた。

アウディ AG エクステリア デザイナー アマール・ファヤ氏

 続けて、今回の発表会のためにドイツから来日したアウディ AG エクステリア デザイナーのアマール・ファヤ氏が登壇。A8のデザインを開発するにあたり、「アウディ クワトロ」のデザインDNAを新しいデザイン言語に用いたことに触れ、「伝統的な角張ったホイールアーチを現代流に解釈し、これをデザインの基礎として各ホイール上のブリスターという形で表現しました。また、クルマの中央部でキャビン全体のバランスを取ることで、アイデンティティをさらに強調しています」と説明。

 A8のデザインについては、「洗練・エレガンス・先進性、そしてスポーティさを表現することを目指しました。最も特徴的なデザインとなるシングルフレームデザインについては、プロポーションを変更することによって幅広さを強調し、力強さを表現しました。A8のプロポーションはフロントから見ると自信に溢れ、リアから見るとヨットを連想させるようなテールデザインによって今にも走り出しそうな印象を与えます。さらに、リアのヘッドスペースを損なうことなく滑らかなルーフラインを描き、クーペのような印象を与えています。ホイール上のブリスターがパワーと力強さを追加し、彫りの深いショルダーラインが重心を大幅に引き下げることによって路面をしっかりと掴む視覚的印象を生み出しています」と特徴を述べた。

 A7 スポーツバックのデザインについては、「サイドから見ると、ウィンドウエリアが上部の3分の1を、ボディが下部の3分の2を占めています。これは、アスリートのようにダイナミックな美しさを生み出すために、私たちが理想とするプロポーションです。使い勝手のよいリアシートと、大きな開口部を備えたハッチバックを組み合わせることによって、実用性は一切損なわれておりません。A7 スポーツバックは、自信に溢れたフロントヘッドラインと、ワイドで洗練されたライトストリップを備えるリアデザインにより、セグメントの中でも最もモダンな印象を与え、スポーツ性、利便性、豪華さをモダンな形で1つのパッケージにまとめました」と紹介した。

エクステリアデザインのスケッチ
A8のインテリアデザインスケッチ
A7 スポーツバックのインテリアデザインスケッチ
A8のヘッドライトのデザインスケッチ
A8のリアランプのデザインスケッチ
A8のリアランプは車幅いっぱいに配置され、光をアニメーションで表現するカミングホーム/リービングホーム機能を備える

 最後に、アウディ ジャパン マーケティング本部 部長の石田英明氏が登場し、A7とA8の歴史とともに、各モデルの特徴や搭載される先進技術についてプレゼンテーションを実施。

アウディ ジャパン株式会社 マーケティング本部 部長 石田英明氏

 加えて、今後について、マイルドハイブリッドはV型6気筒以上のエンジンに搭載される予定と述べたほか、レーザースキャナーとカメラの組み合わせによって、事前に路面の凹凸を検知してサスペンションのストロークを制御する「アウディ AI アクティブサスペンション」を2019年以降に導入を予定していると紹介した。このアウディ AI アクティブサスペンションは、凹凸の上を走行しても車体はフラットな状態を維持することができるほか、側面衝突を検知すると車体の衝突した側を約8cm持ち上げることによって被害の軽減を可能にしたという。

ドライバーアシスタンスシステムについて。5つのカメラ、5つのレーダーセンサー、12個の超音波センサーに加え、量産車として初めてレーザースキャナーを採用して最大23個のセンサーを搭載する
レーザースキャナーについて
48Vマイルドハイブリッドシステムについて
2019年以降に導入を予定している「アウディ AI アクティブサスペンション」について

 石田氏は「新型A8/A7 スポーツバックは、共に新たな時代の幕開けを迎えると信じております。社長のノアックからも説明がありましたが、アウディは2025年の戦略に向かった商品作りがA8/A7から始まっていると思います」と力強く話し、プレゼンテーションを終えた。