ニュース
ブリヂストン、代表執行役 COO兼社長 江藤彰洋氏の就任に向けた新体制発表記者会見
「経営改革促進」「世代交代」「東京2020」を目的にした新体制
2018年12月14日 00:00
- 2018年12月13日 開催
ブリヂストンは12月13日、これまで代表執行役 COOを務めた西海和久氏が代表執行役を退任して、2019年1月1日付けで同社代表執行役 COO兼社長に江藤彰洋氏(現職:執行役副社長)が就任する人事を取締役会で決定した。
同日、西海氏と江藤氏に加えて、同社代表執行役 CEO兼取締役会長 津谷正明氏、代表執行役副会長に就任する石橋秀一氏、執行役副社長に就任するクリスティーン・カーボウィアック氏が出席する記者会見が開かれた。
今回の新体制発表について、津谷氏は「今年はブリヂストンにとって特別な年。1968年に社是『最高の品質で社会に貢献』を制定し、経営の近代化に着手して50年になります。また、1988年にファイアストンを買収してグローバル化に一歩を踏み出して30周年、今年の年初には当社がオリンピックのトップパートナーとなり、先日はパラリンピックについてワールドパートナーになることを発表しました。この節目の年をもって“執行の職を辞したい”とかねてより西海さんからお話があり、今年の春より集中的に指名委員会の皆さんに新しい体制について検討いただき、われわれ執行部との対話を続けていただき、本日の午前中の取締役会において正式に機関承認しました」と説明した。
新体制について、津谷氏は「経営改革促進」「世代交代」「東京2020」といった狙いを示して「今回の改定で3つの点を強く意識しました。1つめは経営改革をさらに推進すること、特にグローバル化、ソリューションビジネスの展開、この2つの点で経営改革を推進する。2つめは世代交代で若い世代にさらに活躍してもらう。3つめは東京2020オリンピック・パラリンピックの準備体制をさらに強化する」との狙いを示した。
記者会見で、これまで代表執行役 COOを務めた西海氏は「今月末を持ちまして代表執行役 COOを退任することにいたしました。皆さまにはCOO就任以来、7年間に渡って大変お世話になり、心から感謝いたします。ありがとうございました」とあいさつした。
新たに社長に就任する江藤氏は「今後の執行におきましては、ブリヂストンの企業理念、これまでに設定しております中期の課題を踏まえ、それからブリヂストングループの歴史に敬意を払ってこれからの戦略を課題を設定して実行していく所存です。ブリヂストン自身が作り上げてきた歴史をみてこれをしっかりと継続して、ここ数年特に強化してきたグローバル化、ここにおいては永遠の課題であると認識して、よりいっそう強化していく。一方では、この後いろいろ変わっていくであろう社会やお客さまのご要望を敏感に受け止めて、これを私どもの戦略に落とし込める、そういう変革の姿勢を表現していきながら執行をしてまいりたい」との抱負を述べた。
また、執行役副社長に就任するカーボウィアック氏は「新しいマネージメント体制が、われわれの経営改革をさらに推進することを期待しております。新しい体制が新たな若い世代を惹きつけ、常に才能に満ちた社員が集まる組織になることを期待します。当社グループは、オリンピックトップスポンサー 東京2020のパートナーとして、また新しい体制のもとで真のグローバル企業として、業界においてすべてに『断トツ』の実現に向け事業展開を進めるとともに、その進捗成果を皆さまにお伝えしていきたい。この当社グループにとって重要なときに、新しいマネージメントチームが、コミュニケーション、ガバメント、サスティナビリティの観点からサポートできることを嬉しく思っています」などと述べた。
代表執行役副会長に就任する石橋氏は「今年は節目の年で、特にファイアストンの買収から30年については、当初からプロジェクトに関わってきて、グローバル化について感慨ひとしおです。グローバルマネージメントチームとして、グローバル化を進めるとともに、急務の課題は断トツの商品を中核とする、ソリューション事業の拡大と考えています。特に従来の売り切りという発想から、お客さまと一緒に価値を作っていく意識改革が大きなチャレンジになると考えています。これにより、新たなお客さま価値、社会価値を創造して競争優位を獲得できると信じております。加えて、直接担当する技術・品質経営、グローバル直需・マーケティング、オリンピック・パラリンピックなどを通じて、イノベーション、継続的カイゼン、ブランド強化を進めてまいります。これの活動を通じてあらゆるステークスホルダの皆さまに期待に添えるよう努力する所存です」との抱負を述べた。
会見では、西海氏に対して記者から「COOに就任して楽しかったことや辛かったことは?」という質問に、西海氏は「楽しかったことはたくさんありますね。津谷さんと2人でオペレーションサイドに立つと、課題を乗り越えていくパワーが決め手になるんですね。経営にはいろいろなチームがありますが、課題の標準化、実行力、結束力、これに尽きるとこれまでやってきました。グローバルでまわると国や地域によって表現は違いますが現場にパワーがあって、パワーを引き出すリーダーシップというのは逆に学ぶ部分があって、私たちの経営の進め方も変わってくる部分もありまして、それはよかった思い出ですね。辛かったことというか、ツートップ体制でスタートしてからグローバルを目指そうと、業界においてすべてに『断トツ』という経営の最終目標を決めて進んでいくんですが、前例がない中でいろいろ試行錯誤しながら前に転がって世の中に出てくるものもあり、苦労はしたけど前進してこれたので、私はいいタイミングで次の若手にバトンタッチできる」との感想を話した。