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北村友里恵の「e-BOXER」搭載スバル「XV Advance」でおやきとおそばのグルメ雪旅
「ブリザック VRX2」で雪道ロングドライブ
2019年2月9日 00:00
スバルがスキー場で開催しているイベント「ゲレンデタクシー」の取材で冬の長野県に行ってきた。この記事は「『e-BOXER』搭載の新型『フォレスター』も走った! 『SUBARU ゲレンデタクシー』がスタート」で紹介しているので、そちらをご覧いただきたい。本稿では、道中を共にしたスバル「XV」についてお伝えする。
今回の相棒は、XVで唯一水平対向エンジンと電動化技術を組み合わせた「e-BOXER」を搭載する「Advance」。搭載するエンジンは最高出力107kW(145PS)/6000rpm、最大トルク188Nm(19.2kgfm)/4000rpmを発生する水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴「FB20」型エンジン。これに最高出力10kW(13.6PS)、最大トルク65Nm(6.6kgfm)を発生する「MA1」型モーターを組み合わせている。トランスミッションはCVTの「リニアトロニック」を採用して、駆動方式は“シンメトリカルAWD”とも呼ばれる4輪駆動だ。
車両重量は1550kgとなり、ほぼ同じ装備内容でFB20型エンジンを搭載する「XV 2.0i-S EyeSight」と比べると110kg重くなる。JC08燃費は19.2km/L、WLTCモード燃費は15.0km/Lというスペックではあるが、実際にどのような数値が出るのか気になるところ。とはいえ、今回足下はブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX2」(タイヤサイズ:225/55 R18)を装着して、かつ雪道の走行がメイン。果たしてどのような結果になるのだろうか。
「e-BOXER」で雪の山道を快適ドライブ
今回走行したのは完全な圧雪路やところどころ路面が見えるような雪道のワインディング、ドライ&ウェットの高速道路などなど、完全なミラーバーンとシャーベット状のぐずぐずな路面以外はほぼ走ったように思う。
そして、「雪道=スバル」のイメージはさすがというか、2017年にXVがフルモデルチェンジをした際、新たに採用されたスバルの次世代プラットフォーム「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」の効果もあって、先に述べたような状況の路面であっても、しっかりと前に進んで行く力強さと安心感がとても印象的だった。
SGPの採用によりボディがしっかりとしたように感じられ、直進安定性が向上しただけでなくロールも最小限に抑えられるようになり、山道のぐねぐねしたカーブでもしっかりとクルマの進む方向を見ながら運転できたのは、慣れない雪道を走る上での疲労軽減にも繋がったと思う。また、ドライビングポジションが高いことによる見切りのよさ、大きな窓やピラー形状、ドアミラー位置などの工夫に助けられ、クルマの周囲を把握しやすかったこともストレスを感じずに運転できた要因の1つではないだろうか。これはスバル車の根本にある安心・安全のためのパッケージングのなせる技だ。
さらに、発進時や加速時に気を遣うことが多い雪道で、e-BOXERのパワートレーンはとても扱いやすかったことに少し驚いた。低速トルクが細い印象のある水平対向エンジンとCVTの組み合わせだと、ともすればアクセルを踏みすぎてしまって力をうまく伝えられないことがあるのだが、今回はそのような場面がなかったのだ。足の指先でほんのわずかに力を込めるような繊細なアクセル操作であっても、モーターがアシストをして無駄のない力を発生させ、それをシンメトリカルAWDとVRX2がきちんと路面に伝えてくれるため、雪道の走行経験はあまり多くない記者でも、ヒヤッとする場面もなく快適にドライブすることができた。
信州名物に舌鼓
実は今回、食いしん坊の記者はゲレンデタクシーの取材翌日に長野のご当地グルメであるおやきとおそばを味わおうと考えていた。そこで、XVなら行けるのではないかと思い、長野市鬼無里と戸隠に向かった。普段であればわざわざ雪の多いであろう場所に好んで行くことはほとんどないのだが、物は試し。除雪はされているが車線は分からず、クルマがすれ違える分だけの車線しかない山道でも、コンパクトなサイズのXVは取りまわしがしやすく、対向車線に巨大な除雪車が現われたときも難なくすれ違うことができた。
鬼無里では雪のない季節には多くの人が訪れるというおやき屋さん「いろは堂」で「ねぎみそ」「あざみ」「じゃがいも」のおやきを食べ、戸隠では家族のような温かい笑顔で迎えてくれるおそば屋さん「よつかど」で山菜がたっぷり入った「西岳そば」を味わった。
道中、変わりゆく景色を楽しみながら刻一刻と状況が変わる雪道をひた走り、目的のお店が見えたときには「もう着けた!?」という感覚になったのは、それほど神経をすり減らさずに運転できたからのようにも思える。目的地に向かうまでに疲れてしまうことなく、着いた先でまた楽しむ余裕を残していられたのは、e-BOXERとシンメトリカルAWD、見切りのよさなどのXV Advanceの性能に加え、どんな路面状況なのかをドライバーに間違いなく伝えてくれるVRX2のおかげでもあったと思う。
帰りは信濃町IC(インターチェンジ)から上信越自動車道に入り、運転支援システム「EyeSight」の「全車速追従機能付クルーズコントロール」に加え、クルーズコントロールと同時に設定すると車線中央維持をしてくれる「アクティブレーンキープ」をON。足下のVRX2はスタッドレスでありながらも高速走行時のロードノイズや、段差を乗り越えた際の衝撃、カーブの際の“ぐにゃっ”とする感覚が少なく、楽しかった雪道ドライブを思い出しながら非常に快適に帰京することができた。
なお、冒頭でJC08燃費は19.2km/L、WLTCモード燃費は15.0km/Lというスペックをお伝えしたが、今回撮影をしながらスタッドレスタイヤで雪の山道と高速道路を走行した結果は、13.9km/Lという結果だった。燃費についてはもう少しといったところだろうか。
雪が降るこの時期だからこそ出会える景色があり、諦めることなくしかも快適にその場所まで向かうことができる。スバルのXV AdvanceとブリヂストンのスタッドレスタイヤVRX2は“行けない”をなくす1つの方法であると実感した1日だった。