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ZF、商用トラック向けにデュアルレンズカメラを開発。2020年に発売

2つのカメラで視野角を拡大。大型トラックの自動化に向け

2019年6月18日発表

商用トラック向けに視野角の広いデュアルレンズカメラを開発

 ZFは6月18日、商用車向けデュアルレンズカメラを開発し、統合ADASテクノロジーを採用して2020年に発売すると発表した。これは、信号機の認識や車線維持アシストとレーンセンタリング、障害物/歩行者検知による自動緊急ブレーキなどを可能にするもの。デュアルレンズとすることで視野角を広げられるほか、1つのレンズが機能しない状況においてももう1つのレンズで機能を補うことができるという。

 車載用「S-Cam4」カメラシリーズの1つであるこのデュアルカムは、市販されているほとんどの商用車向けカメラよりも小型かつ柔軟性に富む設計で、幅広い車種とフロントガラス角度に対応する。

 同社の商用トラックアプリケーションのADASおよび自動化の責任者、ダン・ウィリアムズ氏によれば、「大型トラックで歩行者対応AEB(自動緊急ブレーキ)を作動させるには、画角52度の標準的なモノカメラでは不十分」だと述べ、今回のデュアルレンズの必要性を説明した。加えて、第2レンズを備えることは、1つのレンズでは視界が不充分な場合や機能しなくなった場合でも、もう1つのレンズで補うことができ、レベル2+機能に必要な冗長性も合わせ持つという。

 このデュアルレンズカメラは、前方監視レーダーやコーナーレーダーなどのADASテクノロジーと組み合わせることで、車線変更支援や渋滞アシストといった運転機能の自動化を可能にする。

 同社は、すでに欧州トラックメーカー向けに商用トラック向けADASを供給しているが、2020年には、日本の大手メーカー向けにさらに進んだADASソリューションを販売する予定。これには、ZF初の「イメージ処理モジュール」用アプリケーションも含まれる予定としている。