人とくるまのテクノロジー展 2019

ZF、3眼カメラの「Tri-Cam(トライカム)」展示。スケーラブルなAIユニット「ZF ProAI」も

2019年5月22日~24日 開催

入場無料

ZFが展示した3眼カメラの「Tri-Cam(トライカム)」。BMWに採用され、MobileyeのEyeQ4と組み合わせてシステムを構成している

 自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日まで。登録が必要だが入場は無料。

 ZFは、BMWに採用された3眼カメラの「Tri-Cam(トライカム)」を展示。この3眼カメラは、日産自動車が先日発表したレベル2自動運転技術「プロパイロット 2.0」でも採用されており、注目の製品となっている。この3眼カメラは、画角52度のカメラ、画角28度の望遠カメラ、そして水平画角150度のワイドカメラから構成されている。画角52度のカメラは、従来からZFが販売してきたモノカメラの「S-Cam」シリーズと同じ画角になっており、これまで蓄積してきた知見が活かせる仕様となる。そこの300m以上遠方を見られる画角28度の望遠カメラ、周辺を見られる水平画角150度のワイドカメラを加えて、より高度な安全運転性能を実現する。

ZF 技術映像
Tri-Camの認識映像もブースで見ることができる。3眼それぞれの映像ではなく、プロセッサで処理され、ゾーニングされた映像

 ダイナミックレンジも1.3Mピクセルの撮像素子で110dB以上を達成。BMWではMobileyeのEyeQ4と組み合わせてシステムを構成している。

 カメラについては、最新のモノ(単眼)カメラであるS-Cam 4も展示。こちらはより小型化を図ったモデルで、小型化しつつ放熱性能を確保するため、ヒートシンクが筐体に設けられている。

こちらはモノカメラのS-Cam 4。小型となったため、取付自由度も上がっている。ヒートシンクを備えるようになった

 また、ZFは自動運転向けのAIユニット「ZF ProAI」をスケーラブルに展開。メインSoCにNVIDIAのXavier(エグゼビア)を用いたもので、Xavierを1基搭載可能なZF ProAIや、XavierとdGPUをセットにしたドーターボードを3基まで搭載可能な「ZF ProAI Gen3」、XavierとdGPUをセットにしたユニットをスタック可能な「ZF ProAI RoboThink」などをラインアップしている。必要な計算量に応じて実走ユニットを選べるようになっており、ZF ProAI RoboThinkは名前から分かるようにレベル5の完全自動運転用だという。

AIユニットをスケーラブルに展開する「ZF ProAI」
ZF ProAI Gen1
ZF ProAI Gen2
ZF ProAI Gen3
レベル5向けAIユニットZF ProAI RoboThink。垂直方向にスタックして計算量を拡張できる

 そのほか、ZFブースは各種エアバッグユニットが展示されており、最新の安全技術、電動化技術に対応する製品を見ることができる。

8速PHV用トランスミッション
電動アクスルユニット
小型商用車向けの電動ユニットであるCeTrax Lite。ピーク性能は150kWという
CeTrax Lite

編集部:谷川 潔