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ZF、業界初の「フロント電動パーキングブレーキ」発表

小型車や超小型車にも搭載可能

2020年3月12日(現地時間) 発表

ZFが発表した「フロント電動パーキングブレーキ」

 ZFは3月12日(現地時間)、業界初となる「フロント電動パーキングブレーキ」を発表した。

 ZFは2001年にリアアクスル向けのEPB(電動パーキングブレーキ)を業界で初めて量産化。これ以降、EPBは幅広い車種で採用が広がり、ZFは全世界で7800万台以上に搭載されるEPBを出荷している。

 EPBの採用でハンドブレーキのレバーをコンパクトなスイッチに置き換えることで、インテリアデザインの自由度が高まり、室内空間に余裕が生まれる。さらにEPBでは従来からのパーキングブレーキ機能に加え、「オートホールド機能」によって坂道発進をアシスト。また、ストップ・アンド・ゴーを繰り返す市街地走行や渋滞時にドライバーの負担を軽減する「ドライブ・アウェイ・アシスト機能」も用意している。

 一方でEPBは小型車や超小型車での採用に困難があったことから、ZFではフロントブレーキキャリパーの構造を少しだけ変更することで導入可能になるフロントEPBを開発。ZFのフロントEPBは電子構成部品やソフトウェアとして既存のESC(横滑り防止装置)制御ユニットを利用できるという。

 また、車両前方にエンジンを搭載している車種は前輪に高い静的荷重が発生する構造となっており、フロントEPBを採用することで滑りやすい坂道で駐車する場合の安全性をさらに高めることができる。このフロントEPBは、韓国と中国で間もなく生産が開始される予定とのこと。

フロントEPBはフロントブレーキキャリパーの構造を少しだけ変更することで導入可能になる

 ZFのアクティブ・セーフティ事業部 シニア・バイスプレジデントであるマンフレッド・マイヤー氏は「ZFのフロントEPB技術は、業界に真のイノベーションをもたらすものです。小型車や超小型車にもEPBを導入して、そのメリットをフル活用できるようになります。ドライバーも高い安全性と快適性を得ることができます」。

「超小型車用EPBは、これまで市場で実績を上げてきたEPB技術を、他の車両や市場要件に適応させることができるZFの技術力を示すものです。電動パーキングブレーキのメリットを、より多くの車両セグメントで活用することができます」と述べている。