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ZF、公共交通向け電動ドライブ「CeTrax」を量産開始

既存の車両に搭載して電動化することも可能

2020年5月18日(現地時間) 発表

公共交通向け電動ドライブ「CeTrax」

 ZFは5月18日(現地時間)、公共交通向け電動ドライブ「CeTrax」を2020年第3四半期より量産開始すると発表した。ポーランドのバスメーカー、ソラリスがすでにCeTraxの採用を決定、「Urbino(ウルビーノ) 15 LE electric」において初搭載されるという。

 ZFでは、市バス用電動ドライブユニット「AxTrax AVE」電動ポータルアクスルをすでに量産しており、世界中のメーカーで採用されている。CeTraxは公共交通向けの電動ドライブの量産機種としては2例目となり、フリードリヒスハーフェンで生産される。

市バス用電動ドライブユニット「AxTrax AVE」

 CeTraxは2017年にバス用に設計され、すでにテスト車両で公開されているもの。CeTraxは「プラグ・アンド・ドライブ」アプローチに基づいて設計されているため、既存のドライブラインのレイアウトに変更を加えることなく、容易に搭載することができるという。また、ZFのほかの電動ドライブと同様に、CeTraxはバッテリー、トロリー、スーパーキャパシタ、燃料電池等で運用が可能。新車両の開発に限らず、既存の車両にレトロフィットして電動化することも可能だという。

 ZFのバスアクスルおよびトランスミッションシステムの責任者、アンドレアス・グロスル博士は「バス用の電動セントラルドライブの量産開始は、ZFが電動化におけるパイオニアであることを示しています。CeTraxは、ZFが尽力しているエミッションフリー公共交通の実現に不可欠なものです。電動ドライブの市場参入でバスメーカーからの信頼を得たことは、我々の戦略が順調に進んでいるということを示しています」と述べている。

 モビリティ業界全体において、厳しい排ガス規制や細塵などの汚染物質についての議論が求められており、とりわけ、公共交通は排ガスの低減や環境への負荷を軽減する義務がある。ZFは、世界をけん引するテクノロジー・グループであり、商用車業界の長年にわたるパートナーとして、幅広い技術とノウハウで車両メーカーをエミッションフリー化においてサポートするとしている。

CeTraxは新車両だけでなく、既存の車両にレトロフィットして電動化することも可能