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ホンダ、初のモデルチェンジで2代目の新型「N-WGN」。渋滞追従機能付ACCをホンダ軽初搭載
ベストな運転姿勢が選べる「テレスコピック機構」ホンダ軽初装備
2019年7月18日 11:30
- 2019年8月9日 発売
- N-WGN:127万4400円~163万1880円
- N-WGN カスタム:151万2000円~179万3880円
本田技研工業は、軽乗用車「N-WGN」「N-WGN カスタム」をフルモデルチェンジして8月9日に発売する。価格はN-WGNが127万4400円~163万1880円、N-WGN カスタムが151万2000円~179万3880円。
N-WGNは2013年11月に、ホンダの新世代軽自動車ラインアップ「Nシリーズ」の第4弾として初代モデルが登場。今回が初のモデルチェンジとなり、2代目となる。2017年9月に発売された2代目「N-BOX」をベースとしており、N-BOXが高いルーフで広々とした室内高を用意し、家族での移動を快適にする「N for family」をキーワードにしていることに対し、N-WGNはパーソナルユースに注目した「N for you」がキーワードのモデルとなる。
N-WGN
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|---|---|
G・Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,274,400円 | 23.2km/L |
4WD | 1,405,080円 | 21.2km/L | |||
L・Honda SENSING | 2WD(FF) | 1,339,200円 | 23.2km/L | ||
4WD | 1,469,880円 | 21.2km/L | |||
L・ターボ Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | CVT(7スピードモード付き)+パドルシフト | 2WD(FF) | 1,501,200円 | 22.0km/L |
4WD | 1,631,880円 | 20.4km/L | |||
助手席回転シート車 Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,425,600円 | ― |
4WD | 1,556,280円 | ― |
N-WGN カスタム
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|---|---|
G・Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,512,000円 | 23.2km/L |
4WD | 1,642,680円 | 21.2km/L | |||
L・Honda SENSING | 2WD(FF) | 1,587,600円 | 23.2km/L | ||
4WD | 1,718,280円 | 21.2km/L | |||
L・ターボ Honda SENSING | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | CVT(7スピードモード付き)+パドルシフト | 2WD(FF) | 1,663,200円 | 21.2km/L |
4WD | 1,793,880円 | 20.0km/L |
N-WGNの外観デザインは「暮らしになじむデザイン」をテーマに、はっきりとしたキャラクターラインを用いることなく、張りのあるおおらかな面構成によって「やらわかいけどしっかりしたフォルム」を表現。フロントマスクは丸形ヘッドライトと水平なウインカー、機能性を突き詰めて凝縮感を演出するグリルなどで「親しみやすい顔」を形作り、リアビューでは台形フォルムで踏ん張りの利いた安定感を演出し、機能性と親しみやすさで「時代を超えて愛されるニュートラルなデザイン」を実現している。
N-WGN カスタムではN-WGNと同じテーマを踏襲しつつ、スクエア形状のヘッドライト、メッキ加飾を細かく並べたフロントアッパーグリル、流れるように点灯する「シーケンシャルターンシグナル」などをフロントマスクに採用。フロントアッパーグリルのメッキ加飾は配置する場所ごとに形状を変化させ、整然とした見え方やしっとりとした輝き方を追究。シックな印象を強調して「大人の感性に響くカスタム」としている。また、N-WGN カスタムではルーフ後方に「シャークフィンアンテナ」を軽自動車として初採用した。
ボディカラーではN-WGN、N-WGN カスタムともにモノトーンと2トーンを用意。N-WGNでは新色の「ホライズンシーブルー・パール」を採用し、「ピーチブロッサム・パール」「ガーデングリーン・メタリック」を新適用。モノトーン全9色のほか、ルーフやドアミラーなどがホワイト塗装となる2トーンカラー全4色を用意。N-WGN カスタムでは「ミッドナイトブルービーム・メタリック」「プレミアムベルベットパープル・パール」を新適用。モノトーン全7色のほか、ルーフやドアミラーなどがシルバー、またはブラック塗装となる2トーンカラー全4色を用意する。
「パーキングセンサーシステム」をホンダ軽初採用
車内ではインパネを水平基調にして、実際のサイズ以上の広さを感じさせる形状を採用。ドライバーの視界に入るメーターは四角と丸を組み合わせ、明快で分かりやすいようデザイン。大きめの数字を使ったスピードメーターを中央に配置して、見やすく生活になじむスタイルとした。
また、どんな体格の人でも“ちょうどいい姿勢”で運転できるよう、ステアリングを前後に30mm動かせる「テレスコピック機構」をホンダの軽自動車として初めて採用。運転席のハイトアジャスターも調整幅を上下50mmに拡大し、ドライバーの体格に合うドライビングポジションが選べるようにしている。運転操作ではこのほかにも、ブレーキにリンク式ペダルを採用して、足とペダル踏面が同じ軌跡で動くよう改良。アクセルとブレーキのペダルを初代モデルより右側にオフセットして、より自然な姿勢で操作できるようにした。
パワーステアリングでもホンダの軽自動車初となる「EPS新制御ロジック」を導入。従来はモーター負荷から転舵速度の予測を行なってステアリング操作の電動アシスト量を制御していたが、これを舵角センサーによる実測値に変更。ステアリング操作に対して遅れの少ないアシストが行なえるようになり、より自然で安心感のある操舵フィーリングを実現する。
ドライバーが運転に集中できるよう、前後の視界も拡大。Aピラーにハイテン材を使って初代モデル同等の強度を確保しながら6mmの細幅化を実施。後方ではリアハッチのウィンドウに設置されたリアワイパーのモーターをガラスに影響を与えない位置に下げ、すっきりとスクエアな視野を実現している。また、リアワイドカメラの画素数を高め、映像のゆがみを軽減する処理を実施。より鮮明な後方映像を表示できるようにしている。
このほかに運転をサポートする装備として、リアバンパーに設置した4個の超音波センサーで車両後方の障害物を検知して、接近すると音とディスプレイ表示で危険を知らせる「パーキングセンサーシステム」をホンダの軽自動車で初採用し、全車で標準装備。「電子制御パーキングブレーキ」も標準装備して、停車中にブレーキから足を離しても停車状態をキープする「オートブレーキホールド機能」も採用している。また、今後のヘッドライト自動点灯の義務化を見据え、ヘッドライトのスイッチに「オートライトコントロール機能」を採用。初期状態を「AUTO」に設定し、ダイヤルスイッチを回転させてほかのポジションを選択する仕組みとしている。
オーディオではフロント2スピーカーを全車で標準装備。G以外のグレードでリアワイドカメラやステアリングスイッチ、リア2スピーカーなどをセットにした「ナビ装着用スペシャルパッケージ」を装着し、8インチの純正ナビのオプション装着にも対応するセンターコンソールが用意されている。
初代モデルのオーナーからリクエストされることが多かったという収納スペースの拡充も行なわれ、オープンタイプで大小さまざまな手荷物が置ける「助手席トレイ」のほか、センターコンソール下側の「センターロアポケット」、前後ドアのポケット類、フロントシート背面の「シートバックアッパーポケット」などを用意して使い勝手を高めた。また、初代モデルで好評を得た「リアシートアンダートレー」も使い勝手が進化。トレー後方側を開放形状にしてラゲッジスペースと連続するようにして長い荷物を置きやすくしたほか、汚れた時に掃除がしやすいよう、固定方式を2か所の回転ピンに変更。樹脂一体構造でホースなどの水で丸洗いできるようにしている。
ラゲッジスペースは低床化を行ない、リアハッチの開口部を下側に拡大。大きな荷物を楽に収納できるようにしたほか、2枚を組み合わせて使う耐荷重50kgのフロアボードを使い背もたれを前倒ししたリアシートとのフラットフロア化や、上下2段で荷物を積み分けるといったアレンジに対応。開発担当者が各地のショッピングセンターなどに足を運び、利用者の実態を調査。2段式のショッピングカートで利用しやすい地上高730mmの位置にフロアボードを設定するなど、ユーザーの日常を見据えた開発が行なわれている。
また、リアシートの背面右側に、ユーザーからリクエストの声が多かったという回転式のコンビニフックを設置。このコンビニフックはフロアボードの巻き上げ固定にも利用され、使い勝手を高めている。
「CMBS」が夜間歩行者や自転車の横断にホンダ車初対応
ボディでは2代目N-BOXから採用がスタートした軽量・高効率な新世代のプラットフォームを活用しつつ、全高の低いハイトワゴン向けに最適化するため、フロアの左右を横断するクロスメンバーを専用設計。また、高粘度接着剤による接合部位を拡大し、フロア周辺の剛性を引き上げて振動を低減。静粛性を高めている。新世代プラットフォームの採用でハイテン材の使用比率は全体の64%にまで高まり、高剛性化による重量増を最小限にとどめた。
初代モデルで軽自動車として初めて「J-NCAP 5スター」を達成した衝突安全性能についてもさらに進化。前面衝突では衝突エネルギーをフロアとサイドシルに分散させるほか、Aピラーにも荷重を分散させて効果的に生存空間を確保する。側面衝突ではシートフレームも荷重伝達部品の一部として活用。衝突のあった逆サイドまで荷重を伝達し、生存空間を確保する。後面衝突ではラゲッジスペースが壊れて衝突エネルギーを吸収しつつ、サイドシルからフロント側に荷重を伝達。生存空間を確保し、燃料の配管などを保護するようにしている。
車内の装備でも、初代モデルで一部グレードはオプション設定となっていた「前席用i-サイドエアバッグ」「サイドカーテンエアバッグシステム」を全車標準装備に変更。フロントシートのシートベルトには、衝突などのシーンで肩ベルトに加えて腰ベルトも引き込む「アウターラッププリテンショナー」を採用し、乗員の体をしっかり拘束して安全性を高める。
また、歩行者保護ではフロントマスクに平面部分を設定し、足にかかる衝撃を分散させてダメージを軽減。ボンネットとエンジンの空間を先代モデルより拡大して、衝撃が加わった時にボンネット下のパーツが折れ曲がる構造を採用。歩行者事故の発生時に歩行者の頭部に加わる衝撃を緩和する。
ADAS(先進運転支援システム)では、制御システムの変更を行なった安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車で標準装備(N-WGN Gのみレスオプション可)。「CMBS(衝突軽減ブレーキ)」では「オートハイビーム」の採用に伴い、夜間で街灯のない道路でも横断する歩行者の検知が可能になったほか、横断する自転車もホンダ車として初めて検知可能となり、必要に応じて警報や自動ブレーキで衝突の回避や被害低減を図るようにしている。
また、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」にはホンダの軽自動車として初めて渋滞追従機能を採用。前方の車両が止まった場合には自車も停車し、3秒以内に再発進すると追従走行を再開。3秒を超えた場合でもボタンを押すかアクセル操作で追従を再開する。このほか、「歩行者事故低減ステアリング」「路外逸脱抑制機能」「LKAS(車線維持支援システム)」「誤発進抑制機能」など10種類の先進機能を備えている。これにより、新型N-WGNは全車で経済産業省や国土交通省などが普及啓発を推進している「安全運転サポート車」の「サポカーS・ワイド」に該当している。
パワートレーンについても2代目N-BOXから継承し、エンジンは「S07B」型の直列3気筒DOHC 0.66リッターを採用。自然吸気で最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgfm)/4800rpmを発生、ターボで最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgfm)/2600rpmを発生する点に変更はないが、排出ガスの環境性能を高めるため、自然吸気では排気が触媒に均一に当たるようエキゾーストマニフォールド形状を改良。ターボでは低温から活性化する触媒を採用し、新しい触媒に合わせて制御を最適化している。
CVTではパドルシフトやシフトセレクターなどの操作によらず、ブレーキペダルを踏むだけでエンジンブレーキを活用してスムーズに減速できる「ブレーキ操作ステップダウンシフト制御」を導入。下り坂でブレーキを踏んだ時には自動的にダウンシフト制御を行ない、コーナーリングではエンジン回転数をキープして安定感を保つほか、立ち上がりの再加速で力強いレスポンスを可能とする。また、シフトポジションで強くエンジンブレーキが発生するLレンジに替え、穏やかにエンジンブレーキが働くSレンジを設定。シフト操作で積極的にエンジンブレーキを活用できるようにしているほか、ブレーキペダルを踏むと従来のLレンジ相当のエンジンブレーキが発生するようにしている。
足まわりでは全車でフロントスタビライザーを採用し、N-WGN カスタムのL・ターボ 2WD車ではリアスタビライザーも標準装備。また、サスペンションでは「横力キャンセルスプリング」を採用。ダンパーに対してスプリングをオフセットさせる構造を用いることで、タイヤが上下動した時にダンパーロッドに発生する曲げ方向の力を低減。フリクションが減ることでダンパーがスムーズに作動し、乗り心地が向上するほか、ステアリング操作で起きるロールが旋回のヨーにスムーズに連続。穏やかで予想しやすい車両挙動を実現する。
このほか、ホンダの軽自動車として初めて、レーシングカー開発を行なう「HDR Sakura」にあるムービングベルト式風洞で空力性能開発を実施。フロア下の空気の流れを改善して空気抵抗を低減したほか、ボディ前後のリフトバランスも最適化。高速道路などの走行時や強い横風が吹いているシーンでの安定性を高めている。
主要諸元(抜粋)
モデル | N-WGN G Honda SENSING(FF) | N-WGN カスタム L・ターボ Honda SENSING(4WD) |
---|---|---|
全長×全幅×全高[mm] | 3,395×1,475×1,675 | 3,395×1,475×1,725 |
ホイールベース[mm] | 2,520 | |
前/後トレッド[mm] | 1,305/1,305 | 1,290/1,295 |
重量[kg] | 850 | 930 |
エンジン | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 43(58)/7,300 | 47(64)/6,000 |
最大トルク[Nm(kgfm)/rpm] | 65(6.6)/4,800 | 104(10.6)2,600 |
トランスミッション | CVT | CVT(7スピードモード付き)+パドルシフト |
WLTCモード燃費[km/L] | 23.2 | 20.0 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー | |
前/後サスペンション | マクファーソン式/車軸式 | マクファーソン式/ド・ディオン式 |
前/後ブレーキ | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング |
タイヤ | 155/65R14 75S | 165/55R15 75V |