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トヨタ、東京2020オリンピック・パラリンピックのマスコットロボット「ミライトワ」「ソメイティ」公開
さまざまな移動を実現するサポートロボットを開発
2019年7月22日 10:30
- 2019年7月22日 発表
トヨタ自動車は7月22日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)のマスコットロボット「ミライトワ」「ソメイティ」に加え、大会をサポートするために開発したヒューマノイドロボット「T-HR3」、遠隔地間コミュニケーションサポートロボット「T-TR1」、フィールド競技サポートロボット「FSR:Field Support Robot」を公開した。
東京2020大会マスコットロボット「ミライトワ」「ソメイティ」
東京2020組織委員会とトヨタで開発したマスコットロボット「ミライトワ」「ソメイティ」は、頭部に搭載したカメラにより、近づく人を認識すると目の表情と動作を連動させ、さまざまな感情を表現。また、小型関節ユニットを全身に搭載して柔軟な動作制御が可能で、人と接する場合でも安全で高い運動性能を保持するという。
大会関連施設などで選手や観客を歓迎するほか、遠隔のマスコットロボット同士で腕の動作や力の感覚を相互に共有するなど、子供たちがマスコットロボットを通じて、新たな形で大会を楽しめる企画を検討中という。
ヒューマノイドロボット「T-HR3」
ヒューマノイドロボットのT-HR3は、遠隔地にいる人がマスコットロボットとT-HR3を介してアスリートなどとの交流を可能にするロボット。
具体的に想定しているのは、遠隔地にいる人がマスコットロボットをコントローラとして、アスリートのそばにいるT-HR3を操作。アスリートとT-HR3がハイタッチなどのアクションを行なうと、その動きや力がマスコットロボットにフィードバックされるという仕組み。映像や音声による会話にとどまらない、目の前で交流しているかのような臨場感ある体験の実現を目指すという。
遠隔地間コミュニケーションサポートロボット「T-TR1」
遠隔地間コミュニケーションサポートロボット「T-TR1」は、米Toyota Research Instituteで開発されている、カメラとディスプレイを搭載した移動型ロボット。遠隔地にいる人をディスプレイ上に表示し、遠隔地にいながらあたかもその場にいるような没入感のある体験を叶える。T-TR1を通じて、大会イベントなどに来られない人や大会に想いを寄せる人が仮想的に参加したり、コミュニケーションが取れる機会を提供予定。
フィールド競技サポートロボット「FSR:Field Support Robot」
フィールド競技サポートロボット「FSR:Field Support Robot」は自律走行機能を有するロボットで、オリンピックスタジアムでの陸上投てき競技などの運営に活用される。
運営スタッフの追従走行や障害物回避走行も実施しながら競技中の投てき物(槍やハンマーなど)の回収・運搬を行なう、最適な経路を選択し自律で走行するなど、回収時間短縮と運営スタッフの労力低減に寄与するという。
生活支援ロボット「HSR: Human Support Robot」「DSR: Delivery Support Robot」
このほかにも、トヨタでは生活支援ロボット「HSR: Human Support Robot」「DSR: Delivery Support Robot」を開発。オリンピックスタジアムの一部の車いす席において、HSRが観戦席への誘導や物品運搬などを行ない、DSRが専用タブレットからオーダーされたドリンクなどの物品を観戦席まで届けるという。
陸上競技種目にて実施され、オリンピック大会期間中で計約500席、パラリンピック大会で約500席、トータル約1000席で車いす席観戦サポートを実施予定(各セッション16組32席を予定)。
移動によってかなえられる夢、希望をロボット技術でサポート
今回開発したロボットについて、トヨタ自動車 Rフロンティア部 東京2020ロボット室 室長 山内実氏は「トヨタ自動車は自動車を作る会社から、世界のあらゆる人の移動に関わるモビリティカンパニーへと変革していこうと決意しています。東京2020の大会ビジョンである、史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会というビジョンに共感し、貢献していきたいと考えて、ロボットを導入することになりました」とコメント。
トヨタが考える移動について、山内氏は「『移動』は、人やモノが実際に動く『物理的な移動』。それだけではなくアバターやエージェントなどを介し、自分の一部分や全体を仮想的に遠隔地に移動させる『ヴァーチャルな移動』。さらに移動による新たな体験や出会いから生まれる人の気持ちの動き『moved“感動”』も移動だと考えます」と述べるとともに、「私たちはこの3つの移動をキーワードとして、すべてのお客さまが移動によって叶えられる夢、移動したいという希望、これをロボット技術を用いてサポートしていきたい。そして人と寄り添い、人と協調して活躍するロボットの姿を見ていただき、ポジティブな気持ちになっていただいて、行動がアクティブに変わっていくことを願っています」と話した。
なお、公開されたロボットのデザインは大会時に一部変更予定としている。