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【SUPER GT 第6戦 オートポリス】実はココイチ好き!? 64号車のインド人ドライバー ナレイン・カーティケヤン選手

中嶋悟総監督は寄り道しながらのドライブが好き

2019年9月7日 開催

ドライバーや監督の“日常のひとコマ”が語られたホンダアクセスブースのステージイベント

 オートポリスインターナショナルレーシングコース(大分県日田市)で開催されているSUPER GT 第6戦「AUTOPOLIS GT 300km RACE」では、広いイベント&ブーススペースが設けられ、ドライバーやチームの人たちのリアルな話が聞けるステージプログラムが多数用意されている。

 GT500クラスの64号車 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐組、DL)と、GT300クラスの34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/大津弘樹組、YH)の2チームをサポートするホンダアクセスのブースでは、64号車のナレイン・カーティケヤン選手と中嶋悟総監督に加えて、中総監督の息子であり、GT500クラスの16号車 MOTUL MUGEN NSX-GTのドライバーでもある中嶋大祐選手が出演し、レース関係者の知られざる日常の過ごし方を語った。

ホンダアクセスのブース
ブースでは64号車 Modulo Epson NSX-GTと34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3を模した本田技研工業「S660」のラッピングカーを展示。34号車側のベース車両には「S660 Modulo X」を使っている
NSX-CONCEPT GTも間近で見られる

相手の実家に行くほど仲がいい中嶋選手とナレイン選手

中嶋大祐選手とナレイン・カーティケヤン選手のトークショー

 64号車 Modulo Epson NSX-GTで、牧野任祐選手のチームメイトとしてステアリングを握るナレイン・カーティケヤン選手。インド人初のF1ドライバーとして活躍し、日本のスーパーフォーミュラにも参戦した後、2019年シーズンからSUPER GTのGT500クラスに初参戦している。

 GT500クラスでは今回のオートポリスを走るのは初めてで、GT300クラスと混走する独特のレースに戸惑いはありつつも「だんだん慣れてきている」とのこと。しかし「まだ100%ではないので、速くなるためには経験を積まないといけない」と話した。

もっと経験を積まないと、と話したナレイン・カーティケヤン選手

 そんなナレイン選手だが、この日のステージイベントで共演したGT500クラスの16号車 MOTUL MUGEN NSX-GTの中嶋大祐選手とは、2011年にスーパーフォーミュラのナカジマレーシングでチームメイトだった関係。シーズンオフには中嶋選手がナレイン選手の実家に遊びに行くほどの仲だという。

 インドではナレイン選手の知名度と人気はかなり高く、中嶋選手がインドの入国審査で滞在先にナレイン選手の住所を書いた際、相手に驚かれたという逸話も明かした。ただし、滞在先では体調を気にして「ナレインの家で地元の料理を食べさせてもらったが、チャレンジングなものには手を出さなかった」という。

インドにあるナレイン選手の実家にも遊びに行ったという中嶋大祐選手

 一方、オートポリスに来てからナレイン選手が中嶋選手と一緒に訪れたのが「カレーハウスCoCo壱番屋」。スパイシーな食べ物が多いインド出身ということもあり、「最低でも5辛を選びます」とのこと。カレーの本場を知るナレイン選手だが、日本のカレーも違和感なく受け入れているようだ。

 今は別のチームとなり、ライバルとして戦う2人。ナレイン選手は今回のオートポリスについて、「タイヤのグリップもいいし、とても調子がいい。ウエイトハンデも少ないので、予選ではいい結果を出せると思う」と意気込みを見せると、中嶋選手は「フリー走行では苦しく、このままだと心配だが、路面の状況が大きく変わるサーキットなので我慢も必要。予選、決勝と少しでもいい戦いができるようにチームと準備を進めたい」と謙虚に話した。

予想以上に暑い9月のオートポリス。中嶋悟総監督のタイヤ選択は吉と出るか

64号車 Modulo Epson NSX-GTの中嶋悟総監督

 続いてスタートしたステージでは、64号車の中嶋悟総監督が登場。決勝レースが行なわれる日曜日は降雨の予報もあることから、司会の谷田部明子氏から「(現役時代に)雨の中嶋とも言われていましたが」と話を振られると、「雨が得意じゃなくて、みんなが嫌がってたんじゃないかな。現役のころはF1は非常に重いクルマだったので、雨の方が運転が楽だった」と苦笑いしながら答えていた。

 ただ、今回のオートポリスについては、雨よりも暑さが予想以上だったと中嶋総監督。2018年のオートポリスは10月末ということもあって「もっと涼しかったはず」だが、それが2019年の今年は9月開催となった。「どんなタイヤを持って来るかをよく考えた」とはいえ、タイヤは「今日明日で作れるものではない」。1か月ほど前に気温を十分に想定してスペックを決めたものの「思ったよりも暖かかった」ため、マシンとタイヤのマッチングに苦労しているようだ。

タイヤ選びについて語る中嶋総監督

 2019年からは、GT500クラス初参戦となるナレイン選手と牧野選手がタッグで挑んでいる。この2選手について中嶋総監督は、「牧野選手は箱車は初めてだと思うんですけど、それなりにちゃんと走ってます。ナレイン選手の方は(元F1レーサーだったこともあり)スピード感はあるんだけど、GT300クラス(のクルマ)を抜くのがね……」と、独特のトラフィックにまだ慣れていないところが見られる模様。「(そういった遅いクルマを抜く)感覚がまだ好きじゃないと言っているが、そんなことを言ってる場合じゃないよ」と叱咤激励している、と笑いながら話した。

 最後にファンからの「普段どんな運転をしているか」という質問に対しては、「今までに1度もぶつかったことがないから(安全運転をしていると思う)」と中嶋総監督。とにかく運転自体が好きで、景色を見ながら寄り道して走るとのこと。2週間ほど前に大分で仕事をしたときは、通常ならクルマで2時間程度で到着する道のりを、5時間ほどかけてドライブしたという。

運転好きが高じて、その延長でF1ドライバーになってしまったのだとか

「命が続く限り、免許返納しろって言われるまで、たぶん四六時中走ってますよ。今でも(年間)6万kmぐらい走っています。新潟なら(愛知から)クルマで行くからね。クルマを停めて景色を見ながら、電車では行けないようなところをまわる。観光案内にないようなところに行く、そんな運転をしています」と普段のカーライフを来場者に明かした。